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“ また今度 、 の先で ”
教室の窓から見える空は、やけに青すぎた。
こんな日くらい、少し曇ってくれててもいいのになと思う。
「 なに、黄昏てんの 」
後ろから軽く頭を叩かれて、振り返るといつもの顔がそこにあった。
「 別に、ちょっと眠いだけ 」
そう返すと、「絶対嘘だろ」って笑われる。このやり取りも、もう何百回目だろう。
当たり前に続いていた時間が、あと少しで終わるなんて _ 正直まだ実感が湧かない。
「 なあ仁人 、 今日さ 」
別の声が混ざる。机に肘をつきながら、そいつはどこか気まずそうに視線を逸らした。
「 放課後、ちょっと用事あってさ、 先帰る 」
「 え?また? 、 」
思わず口から出た言葉に、自分でも少し驚く。
前までは、こんなことなかったのに。 気づけば最近、” 5人で帰る日 “の方が少なくなっていた。
「 悪いって、また今度な 」
軽く手を振るその姿に、「また今度」がいつなのか聞けないまま、俺はただ頷くことしかできなかった。
___ また今度、って 。
卒業まで、あと何回するんだろう。
「 仁人 、? 」
呼ばれて、はっとする。
残ってるのは、俺を含めて3人。
ひとりはスマホをいじりながら、もうひとりは窓の外をぼんやり見てる。
その距離が、やけに遠く感じた。
「 ・・・なあ 、 」
気がついたら、勝手に口が動いていた。
「卒業してもさ、俺らって ___ 」
そこまで言って、言葉が止まる。
” 変わらないよな “ って言いたかったはずなのに 。
誰もこちらを見ていなかった。
__________________
窓の外では、春の風がカーテンを揺らしている。
何もかも、いつも通りのはずなのに。
どうしてか、今日だけは ___
全部、終わってしまいそうな気がした。
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