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※💙💛 💛💙(リバ)
俺には恋人がいる。
時にかっこよくて時に可愛い。
大好きでたまらない恋人が。
これはなんでもない、俺の幸せな日常。
「寒いぃ……」
1月下旬。
寒さがピークのこの時期。
幸いにも雨や雪は降っていないけど今日は外撮影だった。
かなり寒さに弱い可愛い恋人が震えていた。
鼻も真っ赤になって眉間に皺を寄せてる。
「若井、跡ついちゃうから。」
俺は決して温かくはない指で若井の眉間をつんつんした。
「んん、涼ちゃん手冷たいー。」
そりゃ冬だもの。冷たいよ。
でも若井よりは温かいと思う。
「ごめんね。カイロあげる。」
俺はポケットに入れてたカイロを若井に出す。
「涼ちゃんのは?」
若井に渡したら俺の分が無くなる、そう心配してるのか。
でももう1個カイロは片方のポケットにも入っている。
「こっちにもあるよ。大丈夫。」
もう片方のポケットをポンポンして言うと
そか、ありがと。涼ちゃんのもあるなら貰うね。と微笑んでカイロを受け取った。
ほら、優しいでしょ?
俺の分なんて気にしなくていいのに。
「涼ちゃん俺のはー?」
後ろから元貴の声が聞こえた。
ごめん。ポケット1個ずつしか入れてない。
「ごめんね。2個しか持ってない。マネージャーに貰ってくるよ。」
俺ももう1個貰ってこようかな。
そう思ってマネージャーの方へ向かった。
「ありゃ。なんてお人好し。」
俺がいなくなったその場で2人が話している。
「涼ちゃんに我儘言うなよ。俺の…。」
「あーへいへいそういうのはいらないでーす。」
「てかお前のせい!!」
マネージャーにカイロを多めに貰って戻ってきたら また喧嘩してる。本当に2人とも懲りないな。
「こら、喧嘩しない。元貴、はい、カイロ。」
俺は2人の真ん中にグイッと無理矢理入る。
じゃないと止まらないし。
「涼ちゃんありがとー!大好きよー!」
こんな感じで大体元貴からふっかけて行くのだけど。
若井も若井で気に食わないらしい。
「涼ちゃんのこと大好きなのは俺!」
張り合わない。2人ともアラサーなのに。
もう30になるでしょ。
「うるせぇな最初にスカウトしたのは俺だっつの!だいたいお前最初涼ちゃんが苦手だった癖に!」
あぁ、終わらないなこれ。
若井もさっきより眉間に皺を寄ってしまっている。
俺が止めないと永遠に喧嘩が続く。
「はいはいストップ。元貴、若井に当たらないの。若井、元貴を煽らない。はい、終わりっ!」
納得していない2人を無理矢理落ち着かせて撮影を続けた。
「ね、ね、涼ちゃんこっち来て、寒い。」
外撮影が終わり、今は次の収録。
1人ずつに楽屋はあるけど若井は絶対俺の楽屋へ来る。
あと元貴も。今は打ち合わせしてるからいないけど。
暖房ガンガンに付いているけど寒がりの若井にはまだまだ寒いらしい。
はいはい、と若井の隣に座ると同時に腕を組まれ俺の手を両手で握り出した。
「あったかーい。」
若井の指は冷え冷えだった。
よくこれで普段弾けてるなっと思うくらい。
「ね、涼ちゃん明日早い?」
若井が俺を見て言う。
あぁ、これは誘いの合図。
「ううん。早くない。泊まる?」
そう聞くとパァ!と一気に顔が明るくなった。
「うん。泊まる!」
目がキラキラしてて可愛い。
今日は、俺が攻めたいかも。
攻められてもいいけど。
「もっとさむーい!!絶対雪降るーー。」
夜に仕事を終え、タクシーから降り、エントランスに入る。
降らないよ、この気温は。長野だったら今マイナス気温だよ。
「寒がりだねぇ。ほんとに。 」
俺は長野出身だし多少は耐久がある。
都内より全然寒かったから。
「寒いよ!涼ちゃんが強すぎるだけ!」
そんな会話をしながら俺の部屋の前に着き鍵を開けた。
「お邪魔しますっ」
「どうぞー。」
もう何回も来てるのだから別に言わなくてもいいのに。
こういう所も好きなんだけど。
俺は若井のために暖房を高めに入れる。
布団から出てこなくなりそうだから。
「手洗お。若井。」
コートやマフラーを脱いでハンガーにかける。
若井のも貰ってかけておく。
「ありがと、ほーい!」
2人で手を洗って、うがいをする。
この時期色んな病があるから油断出来ない。
俺らが体調を崩したら色んな人に迷惑がかかる。
それだけは避けたい。だから念入りに手洗いうがいをした。
「部屋温まったらお風呂入ろ。」と言いながらお風呂の自動ボタンを押す。
今すぐ入ったら若井は寒い!やだ!って言うだろうから。
「ん、そする。」
お風呂が湧くまでテレビでも観るか。
なにか今気になってるのやってたかなと ソファに座りリモコンを手に取る。
前回のチャンネルのままちょうど恋愛ドラマが映し出された。
あまりテレビを観る時間もなくこの話は分からないけどすごく甘々そうだ。
いい感じの雰囲気で演者が今にもキスをしそう。
若井も隣に座り思わず見入っている。
地上波で流していいんだ、というレベルで濃いキスシーンが始まった。
すごい。見てはいけない気がするけど何故か目が離せない。
しばらく2人とも釘付けになる。
甘々なシーンが終わり普通のシーンへと戻った。
「……涼ちゃん。」
甘い声で若井が呟いた。
俺らも、キスしよ、と手を俺に重ねて来た。
いいよ、と若井の手を取って指を絡める。
ちゅ、と触れるだけのキスをしてその後は先程のシーン見たく深くキスをしていく。
「ん、はっ……ふぅ……」
俺はこのキスが弱くて声が漏れてしまう。
恥ずかしい。
「んっ、ふ……は……」
若井も気持ちいいみたいだ。絡めた指を離してお互い首元や頭部を撫でながらしばらくキスを味わう。
ちゅく……と糸を引いて唇を離した。
気持ちいい。もっとしたい。触って欲しい。触りたい。
一気に色んな感情が来る。
若井も同じかな。
「は、涼ちゃん……したい……。」
甘い声と甘い目でそう囁いた。
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