…wki side…
「あのさ…」
彼は一瞬こちらを向いたがすぐ作業に戻った。
少し間が空いてから
「なに?」
鋭く冷たく切ない目線を向けられた。
なにって、2人の時間が欲しい…って言いたい…
元貴のスケジュールが過密になって来てからの事。2人だけの”プライベート”の時間が無くなった。
「用事がないなら
いい?忙しいんだ。」
疲労困憊のその声色。余裕がないんだろうな。
2人で会えない?ただその言葉を彼に伝えたいだけ、それだけなのに喉の奥が締め付けられる感じがする。ほんの一言だけなのに?何やってんだオレ。
「いや、邪魔してごめんね」
無理矢理笑顔を作る。無理矢理?ヤケクソだろ。こんなことを考えていたうちに元貴は次の楽曲作りは着々と進んでゆく。
耐えられなくなった自分はその場から逃げ出す。元貴の気持ちも計り知れないで。
泣きたいのに、泣きたいのに、泣けない。
心の奥の深くを掴んでくる”何か”がある。
それに加えて息もうまく吸えない。
助けて
誰かに話しかけられてる…?
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