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結構前の小説!!!
チャランッ♪
と心地よい音とともに俺は店へ入っていく
今となっては日課となってしまったバーへ。
その先にはいつものマスターが待っていて優しく出迎えてくれる
いつも仕事ではヘマかまして、上司に怒られる俺を優しく出迎えてくれるかの優しい声で迎え入れてくれる
そんな声に俺は甘えるようにつられて通い続ける
「マスター、いつもの」
なんて小説やらアニメやらで聞くセリフを吐く
もちろんマスターも俺のことは覚えていてくれるし、俺のよく頼むドリンクも覚えていてくれる
だから「いつもの」だけで伝わる。正直言うと、言う度にめちゃくちゃテンション上がっているのは秘密ね。
「お待たせいたしました、こちら「ジンバック」で御座います。」
コトッと音を立ててグラスが置かれる
ここのバーは普通よりも静かでお洒落だから来る度にお洒落を身で感じれてすべてが大人な気分を味わえる
心はまだまだ好奇心旺盛な子どもみたいな俺にとってはとてもウキウキするもので何度味わっても消えないなにかが心のなかでフツフツと湧いているような気がする
「……((ゴクッ…」
いつものをいつものように口元に運んで喉に通す
くどい味わいではなく爽やかでさっぱりとした風味のジンバック
本当に俺に合ったカクテルで、いつまでもお気に入りなカクテルだ
「ないこ様って、いつもジンバックを飲んでいらっしゃりますよね……?」
「うーん、美味しいじゃん?」
「……私はあまり飲まないタイプのジャンルでして……笑笑」
「マスターも飲んでみなよー」
なんて楽しく会話を交わす
この1秒1秒が俺の小さな幸せになって心に広がっていく
そうしてる内にジンバックは俺の胃の中にすべて入っていってしまって、グラスの中は空っぽに。
あまりお酒には強いタイプでもないので一杯だけゆっくり飲んでいつも帰るようにしている
長居はよくないだろうからって、椅子にかけておいたコートを取り席を立つ
そうした瞬間に扉がカランカランと音を立てた
「いらっしゃいませ。」
「わ、わぁ…ッ!!✨️」
初めてなのか目を輝かせて店に入ってくる
とても可愛らしい顔つきで彼の顔をずっと眺めたくなる
帰ろうにも足が扉へとじゃなく椅子の方へと動いてしまう
しかも、今さっき入ってきた
一体どうしたものか …… 。
「マスター、やっぱもう一杯頼んでもいい?」
「もちろんでございます。」
そう言い放つなり、マスターはペコリとお辞儀をしカクテルの準備へと手を動かす
そんな中俺は隣の男性へにしか目がいかなくて、隣の男性は目を輝かせてメニューを見ている
そんなところを見て、子どもぽいななんて感想が思いついたなんて失礼だな…笑
「ま、マスター!これお願いしますっ!!✨️✨️」
「承知しました。少々お待ちください」
マスターと言い慣れていない感じやはり今日が初めてなのだろう
見た感じ俺より年下ぽそう…?
赤色のポンパドールでピアスは………バチバチ
なんかすごいちゃらそうな大学生って感じ。
「君、ここが初めて…?」
「ぅえ…?あ、はい…!」
あまりにも気になったからって、声をかけてしまった
本当にバカなんじゃないか…?(※自分が)
それに、相手を困らせてしまってる……
「…んふっ、そっか…」
「…あなたはここによく来るんですか?」
「 うん、毎日来てるかな…w」
自分で言っててもびっくりする
いつかキャバクラとかホストとかにハマりそうで我ながらヒヤヒヤする
「毎日来てる」って言葉にびっくりしたのか目をぱちくりと見開く
口も少しだけ開いている、まさにぽかーんとした感じ。
「……じゃあお兄さんが奢ってあげよう~~!!」
なんて言いながらいつの間にか用意されていたジンバックを飲み干す
一気に飲んだせいか、少しだけ酔いが回る
でもなんかこの人にだけは弱みを見せたくなくて、少しだけ頑張ってみる
「マスター、アレキサンダーってやつお願いしてもいい?」
「アレキサンダーですか…?」
「うん、アレキサンダー。」
「あ、この人にお願いね((ピッ…(※🐤を指す)」
「かしこまりました。」
俺があんまり頼まないジャンルだからこそマスターが困惑してるな。
甘いカクテルなんて全然飲みやしないし飲みたいなんて思わない
けれどこの彼なら好んで飲んでくれそうだなって
あとはカクテルの意味とか…?笑
「お待たせいたしました。」
「ん…?これ、りうら頼んでないけど…?」
「あちらのお客様から…」
また来たやってみたいセリフ
こんなことを言われたらドヤりたくなってしまう気持ちを抑えて平常心を保つ
なんてやってた数秒後、彼はめちゃくちゃ嬉しそうな顔をする
それを見てやはりニヤリが耐えられず、思わず口角が上がってしまう
「ありがとうございます!!✨️✨️」
「少しだけ甘いかもしれないけど大丈夫だった…?」
「でも、マスターの作るものは全て美味しいと思うから大丈夫だと思うけど」
なんてマスターへの絶大な信頼を見せつけていく
俺がべらべら1人で喋ってる間にゆっくりと彼は1口目を飲む
甘くてほんのりと広がる味なのだろうなんてわかるくらいわかりやすく顔に出ている
「すごい…美味しい…」
「んふっ…笑」
このときから俺は本当の気持ちにわかっていたかもしれない
でもわかりたくなかっただけなのかもしれない
気づいたときに辛くなるから、なんてね
あれから彼に会うためだけにバーに通っていた
辛いことが合っても彼に会えるのなら明日も頑張ろうそんな考え一心で生きてきた
そしてあれからいつものバーに彼は来てくれていた
「りうらはなに飲むの?」
「んー、どうしようかな…笑」
お互いに名を呼び合う中にもなり
りうらなんかはあだ名までつけてくれる
そんな本当に親しい仲になれた
「……((グワンッ…」
「ぅッ”」
「大丈夫…?」
「俺、ちょっと体調悪いかも…笑」
「ぇえ!だったら帰りなよ…?」
「体調悪いときにお酒はだめだよ?」
色々上司にあれやってこれやってってやられて精神的にも肉体的にもしんどくなっちゃったのだろうな
なんて考えながらりうらに迷惑かけてしまって申し訳ない。そう考えますます気分が悪くなる
明日が来るのが嫌だなんて考えてしまう
「マスターッ…ごめん…今日は帰るね…笑」
「お大事になさってくださいね…?」
「俺、強いから大丈夫だよ…笑」
「… 、またのご来店をお待ちしております。」
そう言われて見せ背を向けた
りうらはまだバーに残るのだろうかわからないが、心配そうにこちらを見ていた
本当に、純粋でいつまでもかわいいな…
「ぅうッ”…」
見事な体調不良
でも職場はブラックなもんで体調不良でも仕事をしないといけなくて、マスクを4重にして完全防備で出勤
でも流石に上司も人間だからだろうな「コンビニで食いもん買ってきていいぞ」って言われた
ってわけで今はコンビニ向かっている
職場は夜、賑やかになる街の近くにあるため近くにあるコンビニは圧倒的そっちの道を通ったほうが近い
あまり、使いたくないのだが今にも倒れそうだからって仕方がなくこっちの道を選んだ
今は、好みの問題じゃなくて近さのほうが優先だからな
「……………………」
今にも倒れそうな体を一生懸命大地を足で踏みしめる
そんな中、俺は見たくないものを目にしてしまった
「っ、あッ”…いやッッ……」
大好きな人が見知らぬ女性と歩いていた
体調不良だから見間違えたんじゃないかって何度も目を擦ったり頭や頬を叩いたりした
しかし、変わらず赤色の目立つ服を着ている好きな人はえろい女性と一緒に歩いている
「ぁあッ”……」
全身震えが止まらなくて声も足もなにも出ない
ただ立ち尽くしてその場を見続けるだけ
恐怖じゃないなにかが俺を一気に襲ってくる
「……ふぅ…」
しばらくすると、落ち着いてコンビニ、職場へと足が動く
体調不良か嫌なものを見たかわからないが、おそらくどちらもの攻撃で頭がグワングワンする
もうしばらくはバーには行きたくないな。
なんて考え事をしながら今日の昼飯をコンビニで購入した
あれから俺はバーに行くのをやめた
本当はまだまだマスターのカクテルを飲みたかったが、今はそんなことよりもりうらに会いたくない気持ちのほうが勝ってしまって足が動かないままだった
「……………((カタカタカタッ」
けれど、俺の仕事終わりの楽しみが無くなってしまった
というのは事実で実際仕事のやる気もバーに行ってた頃と比べると全然出ない
が、しっかりやらないと上司に怒鳴りつけられるから仕方がなく、やってる
「……っし、行くか。」
なんて呟いたときにはもう0時
日付も回ってしまっていて早急に帰らねば
家が近所で助かった。
家につき、一通のメールが届く
「ないこ様へお仕事への招待のご案内」
なんてよく見るメールだがそれを俺は無性に開きたくなってしまってスマホを開くなりそのページを開く
そのメールに書かれている仕事は俺にとても合ったもので、そこで働きたいなんて思ってしまった
俺は思いついたらすぐ動く男だ
今すぐに退職届を書こう。
カランッ♪
久しぶりにあのバーへと顔を覗かせることにした
本当に最後だから。
だから来る目的はりうらじゃない
というか、もうりうらに期待しても俺が辛くなるだけだからって
だから最後に、俺がこの街にいる。最後だけに覗かせようって
「お待ちしておりましたよ。」
「…嬉しいな〜」
「どうしたんです…?3ヶ月も来られないとなると寂しかったのですが、笑」
「ごめんごめん、でもここに来るのも最後になるんだ…」
「というと……?」
「俺、引っ越すんだよね。」
そう、俺はあのメールで届いた仕事に就くことにしたため
退職届も出して、本当に最後にバーに来たみたいな感じだった
その仕事先は少しだけここから離れたところにあったため引っ越しもすることになった
でもりうらに会いたくなかったとしてもマスターにはお世話になった。挨拶しないのは無礼だなって考えて来てみた
だからもう、恋なんて捨てたんだから。
「…ないくん…?」
なんて俺を見るなり嬉しそうな顔をするのは俺の好きな人だった
そんな顔されたらもっと好きになってしまう
なんて思ってる自分が軽くて笑ってしまった
「っや、やっほ。」
「久しぶりじゃーん!!」
「そうだね…笑」
「……引っ越すの…?」
「…うん。」
「そっか。また会えたのにこれでしばらくお別れか……笑」
なんて笑ってるけど目は笑ってないし悲しそうな顔をする
そんなの俺が悪いみたいで気分が悪くなるから、なにかしてあげようってなった
だったら、別れはロマンチックに出会ったときと一緒でカクテルを奢ってあげよう
「マスター、フローズンミドリマルガリータ」
「フローズンミドリマルガリータでよろしいでしょうか…?」
「うん、それをりうらに上げてくれる…?」
「…承知しました。」
さすがマスター、俺がりうらに伝えたい気持ちわかってくれた
カクテルの言葉とかはバーに通いつめれば結構わかってくるもんだ。
というのもマスターが解説してくれるから
だからこの気持ちをりうらに伝えるのはカクテルしかなかった
「お待たせいたしました、こちらあちらのお客様からです。」
「…ありがとう。」
そうマスターが言い、初期のときよりも手慣れた手つきでグラスを取り飲み始める
それを眺める俺もいつの間にか用意されていたジンバックを飲む
この味も久しぶりだな。なんて考えなら少しだけ寂しくなる
俺が飲み終わり、りうらも飲み終わったあたり
あまり長居するのもよくないから早く帰ろうと席を立ち上がった
「じゃあ、りうらまたね。」
「……またね。」
そうして俺はりうらとマスターに背を向けた
そして扉の方へと足を伸ばした
パシッ……
「…?」
「ねぇ、ないくん。」
「_____。」
end