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昨日は楽しい1日だった。忠誠を誓った国、僕の母国、その国が僕を裏切った。だから、大好きな爆弾で、頑張って調合した爆弾で破壊した。自分の母国を。楽しかった。でも、もう思い出したくは無い。そんな思い出。もう少しで総統の右手になれたのに。この後はどうしよう。鳴呼、彼処へ行こうか。おかしな総統さんがいるあの国へ。こんなこと彼が知ったらどう思うだろうか?彼奴なら「やっと来たゾ!」みたいな感じで餓鬼のように喜びそして宴を開いたりするんだろう。他にもどんなことを喋るか、行動するか、そんなことを考えながら片手に母国の人からの最後の贈り物である春や夏、そんなのを思わせるような新緑の色をした綺麗な飴玉。鳴呼、食べるのが勿体無い…だがずっと食べないのも勿体無い。明日食べるかいや明後日、食べるのを惜しむ程綺麗な飴玉。まぁ、食べるのは何時でもいいか。自問自答を繰り返すうちに目的の場所に着く。
ここはいつも賑やかだ。だから馴染みやすい。彼は、グルッペンは思った通り「宴だ!」なんて言って歓迎してくれた。彼はただ酒を呑みたかったのかもしれないが、
軍に慣れ約何年経っただろうか。今まで何があったか。今までの出来事を振り返っていく。そういえばあのときの母国は何がしたかったんだろう。そんなことを思っていると、ふと1つの飴玉が目に留まる。あの時に貰った新緑の飴玉。食べるのは勿体無い。そう思っているはずなのに手は飴玉へ伸びて行く。そして包装を解く。 包装は透明な質素な袋。袋越しに見ていた飴玉。直で見ると更にキラキラ輝いて見える。最初は口に入れず人差し指と親指で持ち角度を変えたりして輝きをみる。暫く見たあと口へと放り込む。飴玉には砂糖が掛けられており舌触りはザラザラだ。数分口に含んでいれば砂糖は無くなり舌触りはツルツルに。
いつから食べていたんだっけ。甘い、甘ったるい、自分の口は甘いそれだけに占領されている鳴呼、もう小さくなってしまったのか。それならば、噛み砕いてしまおうか。だが、勿体無い。最初はコロッとしていたビー玉の様な飴玉は口の中で転がすうちに段々と小さくなっていき今では小さなガラス片の様な大きさだ。
「….喉乾いた」
飴玉により水分を盗られ喉はカラカラ。机の上にあるコップを手に取り中に入った水を1口、また1口と飲む。
「あ、飲み込んでもうた… 」
先程まで口の中にあった小さな飴玉の欠片は水と共に飲み込んでしまった。噛み砕くことも、最後まで口に含むこともせず。飴玉は無くなってしまった。勿体無い、まだ少しあったのに。後悔しても戻っては来ないのに。鳴呼、最後まで楽しめたら。もし最後まで楽しめないなら噛み砕いてしまえば、そんなことを考えながら書類を書き進める
「ここの飴玉はどんな運命になるのかな?」
執筆していた手を止め彼は不気味な笑みを浮かべながら窓の外にいる幹部、総統達を眺める。彼かは最後までの命か途中で噛み砕かれる命かそれとも…..誰も命の行方は最後まで分からない。分かるとすれば自分で経つ….それぐらいだろうか。さて。飴玉を美味しくしなきゃね。その為には沢山関わって行かなくちゃね。