テラーノベル
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仕事が終わった夜。
楽屋のソファに座った勇斗は、珍しく何も喋らなかった。
いつもなら帰る準備をしながら、誰かにちょっかいをかけたり、くだらない話をしたりしている。
けれど今日は違った。
「……疲れた」
ぽつりと呟いて、そのままソファに沈み込む。
それを少し離れたところから見ていた仁人が、ちらっと勇斗を見る。
「勇斗」
「んー……」
「大丈夫?」
「大丈夫……たぶん」
明らかに大丈夫ではない。
仁人は小さく息を吐いて、勇斗の隣に座った。
「今日ずっと忙しかっただろ」
「うん……」
「朝から撮影して、そのあと収録して、移動して……」
「もう何したか覚えてない」
「そりゃ疲れるわ」
勇斗は目を閉じたまま、少しだけ仁人のほうへ身体を傾ける。
「仁人……」
「ん?」
「ちょっとだけ、このままでいていい?」
「……ちょっとだけね」
勇斗の頭が、そっと仁人の肩に乗った。
仁人は一瞬固まる。
普段なら、
『重い』
とか、
『自分で座れ』
とか言うところだ。
でも今日は言わなかった。
「……寝てもいいよ」
「寝ない……」
「寝そうだけど」
「寝たら帰れなくなる」
「起こすから」
「ほんと?」
「ほんと」
勇斗は安心したように小さく笑った。
「じゃあ……ちょっとだけ」
目を閉じる。
仁人は何も言わず、勇斗が楽なように少し姿勢を変えた。
しばらくすると、勇斗の呼吸がゆっくりになる。
「……寝た?」
返事はない。
仁人は苦笑する。
「がちで寝るんかよ」
そして、そっと勇斗の髪を撫でる。
「お疲れさん」
普段なら絶対に本人には言わないような優しい声だった。
「今日、頑張ったな」
眠っている勇斗には聞こえていない。
それでも仁人は、何度かゆっくり髪を撫でる。
やがて勇斗が少し身じろぎした。
「……仁人」
「起きた?」
「……まだ」
「そっか」
「もうちょっとだけ……」
「うん」
「なんか……安心する」
「……そう?」
「仁人、今日優しい」
「そんなことないよ」
「嘘」
「なんでだよ」
「いつもはもっと冷たい」
「……」
仁人は少しだけ笑った。
「今日は特別」
「なんで?」
「お前が頑張ってたから」
勇斗は目を閉じたまま、嬉しそうに笑う。
「……ありがと」
「ん」
「仁人」
「なに?」
「明日も優しくして」
「嫌」
「えー!」
「今日だけ」
「ケチ」
「うるさい」
そう言いながらも、仁人の手は勇斗の髪から離れなかった。
「……まあ、疲れてるときくらいは」
「ほんと?」
「ほんと」
「じゃあ明日も疲れてくる」
「わざと疲れるな」
「ふふっ」
久しぶりに、勇斗の笑い声が楽屋に響いた。
その声を聞いて、仁人も少しだけ笑う。
「ほら、もうちょい休んだら帰るぞ」
「うん……」
「今日は俺が送るから」
「……仁人、好き」
「はいはい」
「ちゃんと聞いてる?」
「聞いてる」
「じゃあもう一回言う」
「言わないでいい」
「仁人好き」
「……寝な」
「はーい」
勇斗は安心しきったように、また仁人の肩に頭を預けた。
仁人は文句を言いながらも、最後までその頭を優しく支えていた。
しばらくして
「今日の歌めっちゃよかったで」
「ちょっとミスってたやろ」
「ミスってないし」
なんて今日の振り返りをしながら楽屋へ向かう太智と柔太朗と舜太
ガチャ
「あれ勇斗も仁人もねてるやん」
「ほんまやん」
「疲れてるんのかな」
楽屋に入ると仁人の肩で寝ている勇斗と勇斗にもたれて寝ている仁人の姿があった
「最近忙しそうだったもんね」
「そうやな寝かしといたろか」
そう言って楽屋の電気を消した
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tamaki
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コメント
1件
読了です〜っ!💞 仁人の「今日は特別」が優しすぎて胸きゅんが止まらない……。いつもは冷たいのに、ちゃんと勇斗の頑張りを見てて、髪撫でながら「お疲れさん」は反則でしょ😭 最後にメンバーが電気消して寝かせてあげるの、めっちゃあたたかくて好きです。2人の関係性がもう尊い……続きも読みたいです✨