──────ノイズ視点──────
「あ、いえもんさん。どこいってたんですか?」
茶子の記憶を失ったルカがそう聞いてくる。『茶子』なんて人をもう知らないだろうから適当に言葉を並べる。
「忘れたんですか?俺は妖精の絶滅をさせに行ってたんですよ。ね?めめさん」
俺がそう、話題を振ればめめさんは動揺ひとつなく、俺の期待通りの演技をしてくれる。
「はい、いえもんさんには魔族の他に妖精も出来そうならお願いする、という形でお願いしてました。」
「あら、そうなの。まあ、妖精なんて人間より弱いのだから当然といえば当然だったわね」
「…そうですね。サクッと倒せましたよ。」
菓子がそんなことを言うなんて。いくら分かっていてもある程度驚いてしまうのが人間だろう。それに、妖精は人間より遥かに強い上位種だったと記憶している。何故ならば妖精は自然の象徴なのだから。自然がある限り生き続けることが出来る妖精を弱いと評価することは出来ないだろう。
…茶子がいないだけで種族全体の強さが変わるとはなかなかに恐ろしい。妖精の弱さを嘆くべきか、茶子が強すぎるのを嘆けばいいのか。まあ、知ったこっちゃないが。
「それでは、遺書の公開を続けますね。」
めめさんは茶子の話題からずらす。これ以上話せばボロが出る。そしたら既に存在しないものの話をしなければならない。それを信じるお人好しなんてもういないから言っても意味が無いだろう。
「1人目。レイラーさんですね。」
「我が主の遺書だ。何故他のものに見せなければならない」
突然、どこからか声が聞こえる。村民がざわめき始める。そう、その声がレイラーにそっくりだったからだ。声の出処がどこかを探っている。…お前らが耳が悪いのか、と言いたいのをよそに、俺も探すふりをする。
「こら、驚かせるのはやめなさい。ほら、出てきなさい」
「逢瀬のままに。でも、勘違いしないでください。私はめめんともり様の命令を聞いてるのに過ぎないので。」
と、少し尖っている性格のレイラーさんそっくりの人形のようなものが出てくる。おそらく使い魔に近しいものだろう。人工的に作られた、いわば器。しかし、普通の使い魔では無いことはわかる。何故ならばこれほどまでに魔力を持った存在をこのこの他に2人しか知らないからだ。
「…自己紹介。」
めめさんがそういえばその子は満面の笑みで「承知しました!」と、言って自己紹介を始める。
「私の名前はレイラです。私の創造主、レイラー様の死と同時に記憶と魔力を引き継いだ物です。簡単に言うならば戦闘人形、とだけ言っておきます。あ、ちなみに今は10センチ程のサイズしかありませんが大きさは変えられますので。──────こんな風に」
その言葉と同時にレイラと名乗った子のブローチが光るのと同時にその体が大きくなる。160センチほどまで伸びて、めめさんよりやや低いくらいの身長となる。…レイラーさんの身長よりも10センチほど高くなっていた。身長を着にしてたんだろうな〜なんて思っておく。
また、服装もレイラーさんとは違かった。レイラーさんは紫を中心とした魔法少女、というような服装だったが、こっちは紺や紫、黒などを基調とした大人目な服装になっている。どことなくめめさんと似た色が使われていた。
もしかしたらレイラーのめめさんへの憧れ、という形がこの姿となって現れたのかもしれない。
「…こんなものでしょう。皆様。どうぞお見知り置きを。基本的にはめめ様の言うことしか聞きませんが。」
「どうやらレイラさんはレイラーさんから性格を引き継いでいないみたいです。」
めめさんのその発言に村民達が苦笑いをするかのような反応をする。何故ならばレイラーならそんな間違いをしそうだ、なんて思ってしまったからだった。
「ちなみにレイラー様の遺書は公開しません。めめ様には既にお伝えしましたので。それに、不要でしょ?レイラー様をいいように扱っていません?」
思っていたよりもレイラの性格には難があるようだった。レイラーさんは優しさの塊だったがレイラはレイラーとめめさんの言うことしか聞く気は無いらしい。
「レイラ。」
さすがの言動にめめさんが口を出せばレイラはニコッと笑って答える。
「だってそうでしょう?皆さんが好きだったのは『従順で便利なレイラー様』でしょ?皆様ご主人様の性格を全然知らないじゃないですか。」
その言葉は俺たちに衝撃を走らせる。めめさんには言った、と言っていたがめめさんも驚いている当たり、この話はされていないのだろう。レイラはこの反応が面白かったらしく、その話を膨らませていく。
「城を作ったのは?レイラー様。喧嘩を停めているのは?レイラー様。皆様の協調性のなさを補っているのは?レイラー様。レイラー様は皆様のために全力を尽くしていたのに。皆様はレイラー様に何をしてあげたんです?レイラー様がわがままを言えない、本当の自分を出せない環境にしたのは誰です?敵ですか?」
レイラーの声で村民を責めるレイラは俺たちの精神を確実に蝕もうとしていた。
レイラは静かに俺らを嘲笑う
ここで切ります!はい!浮上しないと言ったのに投稿したのは単にストックがあったからです。それと、息抜きにテラーを見に来たってのもあります。テスト期間あと一週間というギリギリを生きていますがギリ生きてます。死にかけです。助けて。
レイラは記憶と魔力を引き継いだ人形に過ぎない。それどころか性格が曲がっている、というのがレイラーさんとの決定的な違いです。しかし、当然と言えば当然です。生まれながらにその力を手に入れるための努力をせずにその力を手に入れてしまったのなら、力に溺れるしかないのですから。努力せず手に入れた力は自身の身を壊してしまうものなのです。
…この小説のいい所は私の思想をねじ込むことが出来るところですね!はい!才能がないものの妬みがレイラに出ちゃっただけです!それに、レイラがいたら救いになってしまうじゃないですか!まあ、本物そっくりにしても良かったんですが、レイラーさんとほぼ同じ力が使えてサイズも自由に変えられるとなると面倒くさいし、伏線も何もめちゃくちゃにされてしまうのでね!さっさとご退場頂きたいだけですので。ゴミはゴミ箱。これ、常識。
それでは!力に溺れた《なにか》の末路をご覧下さい!
おつはる!
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いいわね〜