テラーノベル
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夜になると暗闇という、普通の人、人の本能として恐れる時間帯を好きな自分がいる。
夜は自分の世界だ。
缶ビールを飲み干し、いい感じに酔ったところで外に出る。
誰もいない道。それなのに信号は青から黄色、そして赤へと色を変えていく。
誰がその色を頼りにしているのだろうか。そんなことを思いながら、目についたガードレールに腰掛ける。
自分はいつも家に帰り、眠りにつく前に今日を振り返る癖がある。今日も一日上手くいかなかったと思い、不甲斐ない自分を責める。なんでこんなこともできないのかと。自分が嫌いになる。
だがなぜだろう。夜に外に出るとそんな気分はなくなり、自分という存在を愛おしくなる。夜に歩く道は自分しかおらず、たまに通る車が音を立てて過ぎ去るだけ。これこそが生きる事だと思う。
誰もいない道を一人歩き、たまに車が騒音を立てて過ぎ去る。過ぎ去った後はまた、静寂で暗闇の中歩くだけ。
そんな中自分というものだけが知れる。自分という存在だけがある。
そう思うと明日も頑張ろうと思う。
暗闇の中、絶望の中、歩くのは怖いかもしれない。でも、だからこそ自分の存在だけが確認できる。
それが生きるという事なんじゃないのか。
僕は明日も生き抜く。
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