テラーノベル
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トレントを倒して樹液入りのボトルをもう一本拾い、結局俺の荷物になったところで十五層へたどり着いた。
「よし、今日のピクニック予定地に到着っと。後はケンタウロスがちゃんと生きてるかどうかを確認しておかないとな」
「ケンタウロスを倒しに来たのにその本人が居ないんじゃどうしようもないしね」
「その場合はマジックミサイルをひたすら集め続けることになるかな。マジックミサイルレベル20とかになったらどのぐらいの威力になるんだろう? 大泉ゼミを丸ごと吹き飛ばせるぐらいになるかな? 」
「そんなことをしたら大泉先生マジで泣くと思うからやめときなさい。それより、ケンタウロスの沸く期間は前と同じで30分で合ってるわよね」
「仕様変更があったとは聞いてないからそれでいいと思う。できるだけ手短に倒してサイクルも早くしていこう。できるだけ短い時間でたくさん倒して、ドロップ品も山盛りで帰れるのがベストだ」
「まあ、装備を落としたとして偏られると困るのよね。ズボンだけとか上着だけとか」
「できれば均等が良いな。まあ、許される範囲で籠手ばっかりとかそのぐらいか。槍を複数本落とされたら諦めるか、その場に捨てるかすることになるだろうな」
「重そうだものね。帰り道も一苦労だわそれは」
会話をしつつ、現れたケットシーが放つマジックミサイルを相殺してなおまだ威力があるマジックミサイルで撃破。もう火力ではケットシーに負けなくなったな。マジックミサイルの乱射だけでもここは突破できそうだ。
「ふぅ……しかし、スキルってのは覚えれば覚えるほど魔力タンクというか、魔石の中身みたいなものの最大容量が増えるらしいな」
「じゃあ、使わないけど安いスキルがあったら覚えておくのもいい、ってこと? 」
「みんなそう思ってるからか、各属性魔法もマジックミサイルも、エネルギーボルトも価格は同じだろ? 枚数覚える分だけ、いわゆるMPが増えるってことなんだろう。それに、大泉先生の言い分だが、発電後の魔石くずを持ち歩いてそのままエネルギーとして活用できるんだから、使い終わった魔石くずをもう一度探索者に払い下げてMPタンクの代わりとして使ってもらうこともできるってことだ。そういう意味では、何個かもらっておくべきだったかな? いっぱいあるんだし二、三個拝借しておいても良かったかな? まあ、MPが切れるほどスキルを撃ち込んだ覚えがないんだけども」
そう言いつつ、ケットシーに全力でマジックミサイルを撃ち込んでいく。自分の頭を自分の扱う魔法でかち割られていくケットシーに少しの同情と、マジックミサイルくれの思いとともに黒い霧へ変化させていく。
「まあ、この先で必要になるかもしれないことを考えると、確かに申請して安全のためにもらっておくのも有りかもしれないわね。魔石の魔力量タンクのおかげで息切れせずに戦い抜けることができましたって話になれば、発電企業としてもそのまま売りに出すこともできるから悪くないってことよね」
「そういう売り方もあるけど、メインとしては発電として扱っていかないといけないだろうな。多分探索者が使う量よりは発電で消費してしまった方がいいだろうとは思うな。発電所の観光スポット的な施設か何かを建てて、そこのお土産としてある一定量の魔石くずを販売して、それを探索者が買いに来る、みたいな流れになるぐらいじゃないと採算は取れなさそうだな」
「じゃあ、当面は自分達だけのものになりそうってこと? 」
「使うならね。でも、今のところ必要はなさそうだしなあ。こうしてケットシー相手でも余裕をもって相対できている。実際に使うべきところがあるとしたらもっと深い階層で長い時間戦い続けるとか、それこそ深層のボス相手にするとか、そういう場合には必要になるかもしれないな」
ケットシーを蹴散らしながら、ケンタウロスの居場所までたどり着いた。さて、中ボス戦だ。
「前回のおさらいだ。足元にマジックミサイル転がらせて勢いを殺しているうちに近接で仕留めるか、レベルの上がった魔法で倒し切るか、もしくは複合していくか、だな」
「とりあえず当たってみましょうか。前回よりはより簡単に倒せるはずよ。あれからレベルも上がってるしね」
「おっと、とはいえ慢心は禁物だ。ギリギリの勝負をしろとは言わないが、充分に注意をしながら戦うべきだ。この後食事もとるし、ちょっと大盤振る舞い目で戦ってもいいだろう。最小限の力で戦うほど慣れるにはまだまだ戦闘経験が足りないかな」
現地に到着し、ケンタウロスのいる円形巨石群の中に足を踏み入れる。ケンタウロスは相変わらず足を折りたたんで、じっとしていたが、俺達が近づくにつれて立ち上がり、槍を手にする。その姿勢のまま、徐々に動き始める。
「さあ、来るぞ。前回の戦いを思い出しながらしっかり戦っていこう」
「突進をマジックミサイルで防ぎながら、だったわね。足元を不便にさせるのは任せるわ」
「任された。攻撃を加えるのはある程度任せた。俺も足元をおろそかにさせてから戦闘に参加する」
ケンタウロスがこちらに向かって突撃を始める。そのまま素通りするとチャージアタックをもろに受けることになる。ケンタウロスの体の大きさと槍の鋭さからして、まともに喰らったら多分死ぬ。
そうならないようにキッチリマジックミサイルを当てつつ、当たった後足元にごろんと転がって邪魔をするマジックミサイルを、避けようとしてケンタウロスのスピードが落ちていく。その落ちたスピードでチャージアタックの威力が落ちる。その隙に彩花が攻撃にかかる。
ケンタウロスは足元のマジックミサイルを邪魔そうにして、足元に意識がいっていて彩花の動きを察知できていない。その間に一撃二撃加えられ、徐々に体力を削られていく。
そしてケンタウロスの足が完全に止まり、その場で槍を振り回すだけになったところへ【雷魔法】で雷撃、よく電気の通る槍をめがけて雷撃が降り注ぎ、ケンタウロスの全身から黒い煙が立ち上る。
そのまま足を止めたケンタウロスを前後から彩花と挟み込んで、どちらを攻撃しようか悩んでいるケンタウロス相手にそのまま切り刻むも炎で焼くも雷を落とすもやり放題。こっちのレベルが上がった分だけ威力も大きく、戦闘を開始し始めてから五分ほどで決着はつき、ケンタウロスは黒い霧に変わっていった。
ふむ、ここまでレベルが上がるとさすがに楽になったな。ドロップ品は……魔石と、馬肉と……下半身防具か。幸先良いな。いきなり籠手でかぶりを出してこなかったのは良い傾向だ。さて、時計を確認して……今から三十分後、再生成だな。どこかケットシーの近寄らない場所を探してそこで昼食にしよう。
開けた場所で背中を岩か何かで防御できる、休憩場所に割と適したゆっくりスペースを見つけたので、そこに座り込んで昼食とする。今日のキャンプ地はここだ。しっかり休んで、次のケンタウロスを倒すだけの体力を満ちさせていこう。
今日の弁当は……サンドイッチだ。これなら多少潰れていてもちゃんと食べられるし、帰りは包んでいたラップを潰してその分スペースを確保できるため、帰り道に荷物にならないようにという配慮がされている。本当ならどこかにゴミ箱か何かを設置して、ゴミをまとめてその内まとまったゴミを捨てられるようにするのがベストなんだろうが、結局自分たちでやらなきゃいけない、ということに気づき、毎回持ち帰るのに苦労しない食事を選ぶことにした。
「流石にここまでレベルが上がるとケンタウロスも手軽に狩れるな」
「そうね。ケンタウロスの魔石が一個いくらになるかは知らないけど、これだけでも随分な収入にはなりそうね。午後からもしっかりケンタウロス倒して荷物を増やして帰りましょ」
帰り道に三時間かかるとして、四時間。ざっと計算して7回は倒せる計算になる。その間に何かしら出てくれることに期待するか。
昼食を手軽に食べ終え、30分を告げるアラームが鳴ったところでケンタウロスの所へ戻る。ケンタウロスはいつも通り沸きなおしてくれていたので、また全力を出してケンタウロスを倒すことにする。30分に一回全力で戦って、それ以外の時はケットシーをほどほどに倒していく。これで一サイクルを回し切り、できるだけ無駄のないように行動する。
ケンタウロスは先ほどと同じ位置取り、同じ速さでこちらへ向かってくる。その辺は何故かパターン化されているらしい。だが、そのほうがこっちも戦いやすい。同じようにマジックミサイルで足元を邪魔して、足が止まったところで一斉攻撃。やはり足を止めて一方的にボコボコに殴るのは有効らしい。
早速二体目のケンタウロスを倒したところでドロップを確認する。二体目は魔石以外何もくれなかった。まあ、そういうこともあるだろう、次へいこう。何も出なかったことを嘆くより、次への期待に胸を膨らませていくとしよう。
アラームをまた30分後に設定して、その間ケットシー退治に努める。30分経ったらまたケンタウロス。中ボス退治のサイクルは本来ならいくつかのパーティーが順番にやっていくものなのだろうが、このダンジョンには俺達しかいないので配慮を考える必要がない。のんびり……ではないが、時間に追われることなく中ボス退治を繰り返せるのは便利でいい。
三体目のケンタウロスを同じく倒す。三体目は魔石と、靴、スキルスクロールをくれた。これで上半身防具に続き靴が手に入ったか。さすがに……うん、蹄の形はしていない。ただ、靴のサイズが入るかどうかは微妙な所だな。
試しに靴を脱いでケンタウロスの靴に履き替えてみると、奇妙な現象が起きた。足を完全に入れ込んだ瞬間、足にフィットするように靴が引き締まり、足にピッタリの靴に変化した。
「彩花、この靴すげえぞ。履いてみたら足にフィットした。フリーサイズというかなんというか、不思議なことになってるな。履いてみたら足に合わせてフィットしたぞ」
「それ、私でも履けるってこと? ちょっと試してみるわ」
彩花ももう片方の靴を履いてみて、自分の足にフィットするのを感じてびっくりしている。ダンジョン装備は同じように体にフィットするシステムがあるらしい。一つ勉強になった。
コメント
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# 感想 ケンタウロス戦、前より格段に余裕が出てて成長を感じる展開だったね!🔥 足元マジックミサイルでチャージ止めてからの連携攻撃、めっちゃ息合っててエモい…💕 しかもケンタウロスの靴が履いたら足にフィットする仕様なの、ダンジョン装備の奥深さ感じてワクワクした!ドロップ何が出るか次も気になる〜😭🌸
紅
650
330
#糸師凛
りー
242
24