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夢を見た
銀河に浮かぶ鉄道の夢
「銀河行きの列車はありますか」
夢の中
僕はそう尋ねる
車掌は何も言わずに指を指す
そこには黒く、金縁の光る列車があった
ゆっくりと乗り込み
席についてホッと息をはく
ガタガタと揺れる窓からの景色は
儚く
綺麗だった
地球の青さと
宇宙と漆黒
それが交互に行き来する
「ねぇ、君」
声のする方に顔をやると
金髪の少女がいた
「僕?」
「そう、君」
少女は僕に笑いかけて言葉を続ける
「君、名前は?」
「ハル、君は?」
「ミラだよ」
ミラは僕の横に座る
ふわりと揺れた髪は
とても美しい
「ハルはなんでこの列車に?」
「分からない、ただ乗らなくちゃって」
「ふふっ、私と同じだ」
花が綻ぶように笑う、
「、ねぇミラ、、」
「どうしたの?」
「この列車は、本当に銀河へ行くの?」
ミラは少しの間黙り込む
「きっとね…」
そう、小さく言った
「⋯、銀河には僕を待っている人はいるのかな」
俯きながら言う
「いるよ、私がそのひとり」
「、え?」
ミラは泣いていた
なぜだか分からないけど
離しては行けない気がした
だから、
僕はミラを抱きしめた
夢とは
妄想とは
現実との
区別をつかなくする
危険なものだ
まだ、
この話は
本当か否か
知るべきではないということ
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