テラーノベル
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元貴 side …
「…んッ、?」
目が覚めるとさっきとは違う黒い天井が目の前に広がっていた。どうやら寝室のようだ。ていうことはさっきのは、夢…?
「ッ…疲れた」
変な夢を見たからだろうか。変に疲れを感じる。チクタクチクタクと時計の秒針が音を立てる。そういえば今、何時だろう。時計を見ようと、起き上がろうとしたその時。
「…あれ、?」
下半身に鉛のような重さを感じる。なにこれ、起き上がれない。一生懸命首を動かし、下半身を恐る恐る見てみたその時。背筋が凍った。
「…わかいッ、?」
暗い部屋にうっすらと見える大きなシルエット。体格からなんだか若井に見える。名前を呼んでも応答は無い。次の瞬間、勢いよく顔を掴まれた。
「ッ゛、!?」
「…シー、喋っちゃだめ」
ドスの効いた若井の声だ。恐怖から体が震え上がった。
「俺がいないうちに寝てたんだ」
「ごッ、ごめんなさいッ、」
暗くてよく見えなくても分かる、若井の表情。悪そうに口角を上げて笑っている。だが、その瞳は笑っていない。冷めきった鋭い瞳。知らないうちに体が震える。
「ねー元貴、俺今日疲れてるからさ、シよ?」
「…ぇッ、?」
若井は自身のネクタイをシュルシュルと解く。ダメダメダメ…!!!絶対シちゃいけない。頭の中で警報音のような音が鳴り響いている。
「ゃッ、やだッ、…」
「…は?」
若井の口角が一気に下がる。次の瞬間、若井の手は俺の胸ぐらを掴み、俺を強く引き寄せた。
「誰に口聞いてんの」
心臓をぎゅうっと掴まれるかのように胸が苦しい。知らず知らずのうちに呼吸が乱れていく。
「はあ゛ッ、!はあ゛ッ…」
「ねぇ、何が怖いの?言ってよ、”元貴”」
若井の片手が俺の頬に優しく触れる。若井の手は熱を感じなくて、なんだか若井じゃないみたいだった。
…”若井じゃない?”
心臓がドクンドクンと音を立てる。そういえば、若井ってこんなに夜遅くに帰ってきたっけ?最低でも20時には帰ってきていた気がする。そういえば若井って、丁寧にベッドメイキングだなんてするような人だったっけ?俺、昔若井のベッドメイキングのことで若井に何度か注意したけど結局直んなくて諦めたっていう記憶がある。
きっと本当は前々から気づいてたんだ。でもそんなことないって若井を信じて、見て見ぬふりをしてたんだ。心の奥底に埋もれていた気づいていたであろう事実を今、突きつけられている。ふとさっきまで見ていた夢の中で若井が言っていたことを思い出す。
『あれは俺じゃない』
やっぱりおかしい。
こいつ、誰だ?
かなり間が空いてしまっていました…
楽しみにしていてくれた方々、すみません🥲
最近リアルでテスト週間だったり、
ちょっと忙しい日々を送っておりました…
これからも少し間が空いてしまうかもですが、
楽しみにしていてもらえると
めちゃくちゃ嬉しいです😋✨
では、また次のお話で^^
コメント
6件
誰だよ😭
最高です😭待ってました🥹
初コメ失礼します!今回も最高でした〜!!😭✨️更新ありがとうございます!!