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🦍社二次創作
戦争系
「そのコトバを俺は知らない」
第7話 敗北と喜び
決戦まで、後30分。ストレッチをしたり、走ったりと、身体を温めている。
ドズルさんは、俺を怒らなかった。
寧ろ、面白い面白いと笑っていた。
彼は、いつ性格が歪んでしまったのだろうか。
6歳くらいの頃、本で1人の男の人を見かけた。
その人は金髪赤メッシュで、眼鏡をかけて笑っていた。
ドズルさんは、過去に凄腕医師として有名だったのだ。
階段で屋上に登る。
すると、彼がじっと立っていた。
「要求は何でも呑む。よろしくね。」
「よろしくお願いします。」
お辞儀をして、ナイフをケースから取り出し、ケースを投げ捨てる。
お互い、合図なんてない。
自分がさっとナイフを後ろに引いた時、試合が始まった。
この戦争を、終わらせるんだ。
ナイフを振り翳し、交わし、と攻撃を続ける。
自分が油断した時に、拳を喰らい、よろけて倒れる。
踵落としによって、激痛と共に咳込む。
上から力で押し込まれて、負けを確信してしまう。この人は見た目からして強いイメージだったが、力もちゃんと強かった。
「…おんりー君、諦めるのはよくないよ。」
「力では素人の俺は勝てない。そんなこと…貴方が1番…わかっているでしょう…?ケホッケホッ…」
「…」
ゆっくりと、頬に傷を入れられた。
呆気なく、闘いは終わってしまった。
負け。それが何を表しているのか。
戦争は、終わらないんだ。
そう思った瞬間、目頭が熱くなり、ぶわぁっと、涙が溢れ出る。
「……ッ…せんそう…は…終わらないんですか…?」
「…止められたらいいんだけどね。」
「そんなの…いやです。自分は…平和な国が見たいんです‼︎」
叫ぶと、彼は、少し黙って、口をまた開いた。
「今、君によって北軍前線部隊が全滅し、停戦になっているんだよ。だから、終わらせよう、この戦いを。」
「…‼︎終わるかも、しれないんですか…‼︎」
「…勿論。」
「…‼︎やったぁ…やったっ‼︎」
「それじゃぁ、僕からの要求ね。」
「君は、もうその刃物は使わない事。持っておく分には全然いいけれど。」
手に握っているナイフ。
「…‼︎はい…」
「刃物は、人を簡単に殺めてしまう。それだけは、わかって。」
ゆっくりと頷いた。
無邪気に喜ぶ彼からは、どこか幼い心を感じた。
愛がなければ、例え肉体が大人になろうと、精神は幼な子のまま。
彼の心の奥底は、4歳の彼で止まっているのだ。
戦争によって、「愛」と言う言葉を知らなかった少年。
この国には、そんな子供が沢山いる。
自分は、命を奪うのではなく、与えるべき存在なのだ。
両軍から争う理由がなくなり、停戦合意から2ヶ月ほどかけて、終戦まで運んだらしい。
俺は浮浪児として保護され、施設の中で過ごしている。
両親は、どこへ行ってしまったのだろうか。
毎日、自室に戻ってナイフを研ぐ。
これだけは、やめられない。
両親の、宝物だから。
まだおわりませんぞ。次回、最終回ワンチャン日付跨ぐ直前に出します
ご都合展開すぎて馬鹿馬鹿しくなってきた()