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2話.旅路
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帰る場所はここ?さっきからこいつはなにを言ってんだ?ん?待てよ、こいつ親…いねぇ…いや、すてられたんじゃないか…?
最近ニュースで見る。親が子供を手放すと。もしそうなら、もしこれでこいつを放っておいたら、彼はどうなるんだ…?寒さに凍えて最悪の場合死ぬ。
「ったく……ついてこい」
そう言いながら何も抵抗をしない彼の手痛まない程度にを掴み立ち上がらせた。こいつ蹲ってたから見えずらかったが…細すぎる。手首ももうちょい力加えたら本気で折れるんじゃね?ってぐらい細い。彼はどんな生活を送ってきたんだろうか。それは家に着いてから…いや、聞けなくてもいい。とりあえずこいつをどうにかしないと。俺はそう思いながら彼を家へと招いた。
「ここ、俺ん家。風呂沸かすからちょっと座って待ってろ」
そう言い、彼を家の、中へ入れた。彼は俺の言葉に、少し頷き部屋の隅っこ、また寒そうな場所へ座った。
「おい、そこ寒ぃだろ。ソファ座れよ」
そう言いながら、部屋に散らばってる絵を片付けていく。彼はごめんなさいと呟きながら少し気まずそうにソファの隅に腰をかけた。
「別に怒ってねぇよ。あ″ー俺たまに言葉強くなるときあっから誤解すんなよ」
そう告げると彼はまたごめんなさいと呟きながら俯いてしまった。謝んなくていいって言ってんだけどな。まぁ、今は物凄い罪悪感に塗れてるだろうし、そっといておこう。そう思いながら風呂を沸かしに行った。
冬の迷い子・第2話.旅路.完