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「ここまで くるの、たいへん だったでしょ。」私は一瞬、理解できなかった。その少女は、私が公園で悩んでいた時、相談に乗ってくれた子だったからだ。しかし、そんな事も気にせず少女は話を進めた。
「おさっしのとおり、ここは ただの ふね じゃないんだよ。わたしたちを『すてた』ひとたちが あつまる ばしょ。あなたたちが どんなに あばれても、いじめても、けっして くずれることは ないよ。まぁ、おねえさんが ここにいる りゆうは わからないけど。」
「私たちを捨てた」とはどういう事なのかが全くわからない。だけど、この少女がこの事件に関わっている事だけは理解できた。
「どうしてこんな事するの?」と質問してみた。すると少女は答えた。
「ただの ふくしゅう だよ。ただのデスゲームから のがれようと する ひとたちの ものがたり。」
最初は理解できなかったが、よく良く考えれば辻褄が合う。
この少女は、私の親友と何かしらの関係がある。親友は、いろんな人から嫌われた。自分の個性のせいで。そしてその親友を嫌ったり、虐めたりした者達は、私の知っている限り全員船内にいた。そもそもシロイヌムサシは宅配便。日頃の感謝と言っても、せいぜいお菓子類等だろう。旅行券が届いた時点で怪しむべきだったのだ。
「でも、せっかくの ゲームなんだから、たのしもうよ。わたし、つみのない ひとに ぼうりょくを ふるう つもりはないよ。だから、これを もっていって。」そう言って、私に鍵を渡してくれた。その鍵には「思い出の鍵」と書かれていた。そんな部屋、あっただろうか。
そんな事を考えていると、船の揺れが激しくなってきた。
「もう じかんが ないよ。いって。これを おわらせて。」そう言って、謎の力で部屋から出された。