保鳴好き集まれ

ぺちっ。

間抜けな音を立てて、鳴海の唇が保科の手によって塞がれた。ささやかな防衛本能というやつだろうが、鳴海がこれからする行為が分からないわけではなかった。

…だが、一応問うてみる。

｢…なにしようとしてんですか｣

｢…んむむ、んぅ(喋れん、アホ)｣

｢あ、すんません｣

謝りながら、そっと手をはずす。すると、鳴海はそっぽを向きながら、ぼそりと

｢…きす、だが////｣

そう呟いた。

突然のことに驚きを隠せず、｢ぇ｣と小さく声を出すと、｢今までもキスしたことあるだろ…！｣と抗議の声が聞こえた。

｢せやけど、え、鳴海隊長からするんって｣

｢…ウルサイ、気まぐれだ…////｣

｢待って僕めっちゃもったいないことしたやんけ｣

｢もうしないからな！｣

｢えぇ…｣

｢………だが｣

｢？｣

｢おまえが、その…、ボクのこと、す、好きって言うなら｣

｢もっかい、して、やらんこと、も、ない…////｣

最後の方は蚊の鳴くような声だった。

はぁぁぁぁ何この人。自分がめちゃくちゃ可愛ええこと言うとる自覚あるん？！こんなん、好きって言って欲しいって白状しとるもんやで！？

｢鳴海隊長は、僕がキスしてほしいとでも？｣

｢…違うのか｣

一瞬虚をつかれたような顔をした後、捨てられた子犬のように濡れた瞳でこちらを見つめてくる。自分はこの目にめっぽう弱いのだと、思い知らされているような。たまらない気持ちになる。

｢すんません、意地悪言いました｣

｢めっちゃしてほしいです｣

｢！、じゃあ…｣

｢ふふ｣

｢うん…好きやで、鳴海さん｣

｢〜〜ｯ/////｣

役職を取っ払い、ただ鳴海弦という男を愛していることが伝わるように、できる限り甘く優しい声で言う。

言った瞬間、鳴海のナカがきゅんっと締められ、挿入した自分のモノがぐっと咥え込まれる。

｢っ…！？｣

｢ぁ、っ♡？｣

｢…好きって言われただけでこんななるんやね｣

｢ち、がｯ｣

｢でも、まだあかんよ｣

｢へ、｣

｢鳴海さんからのキス、まだもらってへん｣

｢な、それは…////｣

｢ほら、はよ｣

｢ｯ急かすな…！｣

はいはい、と笑って目をつむってやる。

しばらくして、ゆっくりと唇を寄せる気配がする。そして、恐る恐るというようにそっと口付けられた。

鳴海さん、今どないな顔しとるんやろ。

ふいにそう思った。興味本位でパチリと瞼を開けると、彼の顔がこれまでにないくらい赤く染まっているのが目に入る。耳なんて、触れてしまえば爆発するんじゃないかと思うほど赤い。

あー…見るんやなかった。こんな顔見せられて、理性抑えられる方がどうかしとるやろ。目に毒すぎる。

｢…鳴海さん｣

｢な、んだ…////｣

｢今日は前みたいに、手加減しないですから｣

｢、は？｣

｢煽ったんは鳴海さんなんで｣

｢え、ちょ、おい｣

｢ほな、始めよか♡｣