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「っし、行ってくる。」
朝霧阿須。高校2年生の霊術師。霊と言っているが、天使(エンジェル)を祓う職で、天使が増えてきているこの時代、霊術師は必須な存在となっている。霊術師の中でも、阿須は若手でまだまだ未熟。家族が行方不明な為、今は霊術師でもあり、高校の教師でもある天坂出雲と一緒に暮らしている。
「あー、阿須。待って。俺も一緒に行くよ。」
「分かった。早くしろよ。」
それぞれ荷物を持って、家へ出た。
学校に向かっている途中、沢山の天使を見つけていた。天使が見える人はあまり居らず、年々霊術師も減ってきているそう。
「阿須、孤立してないでそろそろ仲間を見つけた方がいい。」
「わーってら。なかなかいねぇんだよ。見えるヤツが。」
「霊術師も年々少なくなってるからな。教師の中でも、ちゃんと見えるって言ってる奴は一人しかいない。」
「え、教師にいるのかよ?!手伝ってくれねぇかな。」
出雲が阿須の言葉を聞いて、コクリとうなずいたが顎に手を当てて考え出した。
「あいつ、手伝ってくれんのかな…。声かけてみるか…。」
出雲は少し考えてそう言った後、学校についてすぐその教師の元へ向かった。
「はー?天使を祓え??なんで出雲が急にそんな事頼んでくんだ。もしや、人手不足か? 」
「新樹、頼む。人手不足もあるんだが、若手を増やして育てたいんだよ。お前もそう思うだろ?」
東雲新樹。体育科教師であり霊術師でもある。
ベージュカラーの少し黒が混じっている髪色で前髪が長く目が見えないため謎人物ではあるが、明るくおふざけ大好きな為生徒たちからは大人気。
「まぁたしかに。おチビちゃんがそう言うなら手伝ってやるか♡ 」
「誰がチビだ。阿須も困ってんだ。お前も少し協力しろ。」
そう言いながら、出雲は部屋から出て言った。
新樹は出雲を見送ったあと、大きくため息をついた。
「朝霧阿須…ね…。」
一方その頃阿須は仲いい友達2人に頼んでいた。
「頼む!疾風!遥人! 」
「いや、俺らはええんやけど。見えるだけで祓えるって訳じゃないんやで。阿須。霊術師なったって邪魔者になるだけやろ。」
月影疾風。関西弁で片目が少しだけ前髪で隠れている。天使は見えるけど、霊術師ではないらしい。
「そうだね。俺も疾風と同じ意見だよ。何も出来なくて、何か言われるのも俺達は嫌だよ。」
雲居遥人。しっかり者で周りのことを誰よりも考えられる。青い綺麗な髪が特徴的。疾風と同じく、天使は見えるが霊術師ではない。
阿須は2人の意見を聞いて、ムッとした。
けれど諦めない。
「平気だって!!頼むよ! 」
阿須が両手を合わせて大きく頼んでいる途中、
阿須がいるクラスに東雲が現れた。
「お、いた。阿須とそこにいる2人、放課後俺のとこに来なさ〜い。」
「東雲先生。なんでですか?」
「ちょっと君ら3人、俺と面談ね♡待ってるよ〜ん。」
それだけを言い残し、去っていった。
阿須、疾風、遥人は疑問に思い、1日授業を終わらし、東雲の元へと向かった。
「しっつれいしまー!東雲先生、なんで呼んだん?」
「お!1日おつかれ〜!ちょっといい話なんだけどさ。」
東雲が3人に元気よく挨拶をした後、自分がしたい話をし始めた。
「君ら、部活始めなよ。」
3人は少し間をあけたあと揃って「は?!」と
大きな声を出した。
「部活を始めるには4人居なきゃいけないんだけどそれは君らが頑張ってくれればいいや。阿須は霊術師だし、ほか2人だって見えるのは俺は知ってる。」
「いや、ええんやけど、迷惑かかるやろ??霊術師って立派な仕事やし、俺ら素人が邪魔したくないねん。」
「それは俺も同意見です。確かに俺らは見えるし、それぞれ役目はあるけど、明らかに強さが違いすぎますよ。」
疾風と遥人が必死に説明して、止めるが東雲は話すのを辞めずに、また口を開いた。
「君らの役目、俺はちゃーーんと分かってるよ♡だから、阿須と相性がいいと思ったんだけどなぁ?しかも、仲良さそーじゃぁん?だから、部でも作ってみんなでやんなぁ。俺は顧問として見守っててあげるからさ♡ 」
東雲が、手を銃のように作り「ばぁーん」と3人に打った。後ろから、出雲がゆっくりと入り、話し始めた。
「まぁ、東雲先生1人で顧問をやるのも俺も心配だから一応俺も顧問としていてあげるよ。ただ、4人じゃないきゃいけないからね。1人、相性良さそうな子を見つけたから、部に入れてあげて?そしたら、活動始めていいから。」
「いや、だから天坂先生?俺らお祓いは出来へんってゆーとるやろ??足でまといにならんか??」
疾風が焦るように出雲に聞いたが、出雲は少し微笑んで説明を始めた。
「俺は疾風と遥人に無理に霊術師になれとは言わない。気が向いたら、俺か東雲先生に相談すればいいさ。阿須でもいいしな。一応周りに霊術師は沢山いるんだから安心しな。」
出雲は疾風の遥人と頭の上に大きな手を置いて、よしよしと撫でた。撫でられた2人は少し恥ずかしいのか顔を赤らめる。
「よっし、じゃあ出雲が言ってるそいつ探して、部の活動始めっか〜!やるぞ!疾風!遥人!早くついてこい!!」
阿須が走って、部屋から出ていくと2人もそれに続いて走っていった。
続