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暗闇の校舎を、三つの影が進む。
リンクを先頭に、
エンゲルとバブルが続く。
敵影が現れるたび、
リンクは迷いなく踏み込んだ。
マスターソードが、
淡い光を帯びる。
振るうたびに、 敵を構成していた黒鉛が――
力を奪われるように霧散する。
切断ではない。
破壊でもない。
存在そのものが、
“保てなくなる”。
「……やっぱり、効く」
聖なる剣は、
この異質な存在と
明確に相性が合っていた。
エンゲルとバブルも、
距離を保ちながら対処する。
古代の刃。
確実な一撃。
敵は次々と消えていく。
だが――
数が、減らない。
リンクは歩きながら、
周囲を見渡す。
廊下。
教室。
階段。
どこにも、
“通った痕跡”がある。
黒鉛の残滓。
崩れた家具。
倒れたままの影。
(……多すぎる)
リンクは、
はっきりと気づいた。
(コイツらの動力源の出所は分からん。だが、少なくとも依り代の発生は俺が来る前から、 もう始まってた)
しかも―― かなり前から、年単位だろう。
《リンク》
ゼルダの文章が、
シーカーストーン越しに届く。
《この数…… 異常です》
『そうだな。 短時間で増えた量じゃない』
エンゲルが、
息をのんで言う。
「じゃあ…… ずっと前から……?」
リンクは、
一瞬、言葉を選び――
そのまま、告げた。
「かなり前から、 大量の生徒が死んでいる」
空気が、重くなる。
《……》
ゼルダは、
すぐには言葉を返さなかった。
リンクは続ける。
「この敵は、 依り代が必要。 つまりそれは、 死体が増えれば増えるほど、 敵も増える」
《……理解しました》
ゼルダの声は、
静かだったが、
迷いがなかった。
《最初の犠牲が出た時点で、
連鎖は始まっていた。 止められなければ、 校舎そのものが “温床”になります》
リンクは、
マスターソードを握り直す。
『だから、 源を叩く』
三人は、
次のポイントへ向かおうとする。
その時。
――気配。
リンクが足を止める。
「……人がいる」
場所は、
職員室。
わずかな灯り。
動く影。
リンクは、
アカリバナの種を握ったまま、
扉を押す。
中にいたのは――
グレース校長。
そして、タヴェル、サークル、他にも複数の教員たち。
互いに、
一瞬だけ緊張が走り――
すぐに、視線が合う。
「……生きてたか」
リンクの一言で、
場の空気がわずかに緩んだ。
合流。
だが、
事態はまだ、何一つ終わっていない。