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病院の中で、生まれたての子供の声が聞こえる。


看護師    「おめでとうございます!男の子ですよ!」

父      「良かったな!!良かったなぁ…!」ポロポロ「バハムート、今日からこの子が

お前の弟だぞ!」

私      「弟…?」


そう、この子は私の弟だ。名前はゾディアーク。

でもゾディアークは心臓が弱くて、呼吸が上手く出来ていない。


母      「ゾディアーク…ごめんね…健康に産んであげられなかった…」ポロポロ

父      「大丈夫…きっと大丈夫だよ」

私      「ゾディアーク…」





数年後


ゾディアーク 「お兄ちゃん!」


あれからゾディアークは病院で生活している。

常に呼吸器をつけて。


ゾディアーク 「お兄ちゃん!遊んで!」

父      「ゾディアーク…ごめんな、ゾディアークは身体が弱いから運動しちゃダメ

なんだ」

ゾディアーク 「そっか…」シュン…


ゾディアークは哀しそうな顔をしていた。


私      「じゃあこれで一緒に遊ぼう!」


私はぬいぐるみを持ってきていた。

これなら身体を動かさなくても遊べるから。


ゾディアーク 「…!うん!お兄ちゃん、ありがとう!だーいすき!」


私はゾディアークの笑顔が大好きだった。

たった一人の弟を大事にしようと心に決めた。






そして月日が経ち、私は17、ゾディアークは15になっていた。


私      「ゾディアーク、来たぞ」


私は変わらず両親と共にゾディアークの見舞いに行っていた。


ゾディアーク 「何の様だ…」


ゾディアークの瞳には光は無い、でもどうしてそうなったかわからない。


母      「ゾディアーク…ごめんね…」

ゾディアーク 「一々謝るな、うざったい…」

私      「ゾディアーク!母さんに向かってなんて事を…!」

ゾディアーク 「お前には関係ないだろ、さっさと出ていけ」


ゾディアークは冷たい目で私を睨んだ。


私      「…!分かった…」


だが私はゾディアークの本音を聞きたかった。

大事な…いや、大好きな弟だから。





翌日


私      「ゾディアーク!」

ゾディアーク 「またお前か、一体何の様だ」

私      「話してくれないか?お前の気持ちを…」

ゾディアーク 「…」

私      「お前は私の弟だ、力になれるならなんでもする」

ゾディアーク 「力になるなら… してくれよ…」

私      「えっ?」

ゾディアーク 「だったらこの苦痛から解放してくれよ!」


怒りを露わにして話す。


ゾディアーク 「もううんざりなんだよ!学校にも行けない!身体もまともに動かせない!

絶対に助からないと医者に言われた私の気持ちなんてわからないよな!?」


圧倒されて言葉が出なかった。


ゾディアーク 「お前は私の家族でも何でもない!とっとと消えろ!」


自然と涙が溢れた。

ゾディアークはずっと苦しんでいたのに、兄である私は何も分かっていなかった。

あまりの哀しさに、膝から崩れ落ちてしまった。

ドクン!

ゾディアーク 「うっ!」

私      「ゾディアーク!?大丈夫か!?」

ゾディアーク 「痛い…!苦しい…!」

医師     「大丈夫ですか!?すぐに手術の準備をしろ!」


駆けつけてきた医師によって

ゾディアークは手術室に運ばれた。

母と父も駆けつけ、無事を祈ることしか出来なかった。



医師     「手術は無事に成功しました。ですが、もう余命は短いです…」

母      「そんな…」ポロポロ

父      「分かりました…ありがとうございました…」




ゾディアーク 「…此処は…?」

私      「目が覚めたか…?」

ゾディアーク 「バハムート…」


私は言えなかった。ゾディアークの寿命がもう短いなんて、そんなの耐えられなかった。


ゾディアーク 「どうせ私はもうすぐ死ぬんだろ?そんなの分かりきってる」

私      「…!させない!そんなの絶対にさせないから!何があっても私がお前を

守るから!」


私は我慢していた涙が溢れた。弟が大好きだから、傍に居たいから。


ゾディアーク 「…良いから帰れ、お前は生徒会長なんだろ?仕事が残ってるはずだ」


ゾディアークは何事も無かったかの様にそう言った。

だがそれも、終わりを告げてしまう。






私      「ゾディアーク!」


病院から突然連絡が来た。

ゾディアークの命は今日までと。

せめて、最期くらい傍に居てあげてくれと。


私      「ゾディアーク…!」ポロポロ

ゾディアーク 「バ…ハ…ムート…?そうか…私は…死ぬのか…まぁ…もう良いか…」

私      「ごめんな…!ずっと…ずっと苦しませて…!私は…お前が大好きだ…!

これは嘘じゃない。たった一人の、大好きな弟だから…!」


素直な想いを込めて言葉を伝えた。

最後に、認めたくないけど…大好きだから…


ゾディアーク 「何だ…そうだったのか、ずっと、嫌われてると思ってたのに…ありがとう…

私はお前の弟でよかった…幸せだったぞ…」


ゾディアークは恨んでなかった。その瞬間にまた涙が出てしまう。


ゾディアーク 「バハムート、大好きだ」ニコッ!

私      「ゾディアーク…?嫌だ、眠っちゃダメだ…お願いだから…目を開けて…」


ゾディアークは二度目を覚さない。

私の弟は永遠の眠りについた。

でも、大好きって言ってくれてありがとう。

私も大好きだよ。

おやすみなさい。

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