【前回のお話】
幸果「ウマショー、キョウキョウ、ゴメン…邪魔。」
末継「何も分からないクセに、適当なこと言うな!!!!💢」
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
珠希のヒトプレスを取り返したガヴと杏子は、赤い紐を手でちぎった。そして、正体がバレないように即座に柱の後ろに隠れ変身を解除する。
珠希「あれ…ココどこ?」
ガヴ→ショウマ「あれ、珠希さん?こんなトコロでどうしたんですか?」
珠希「ショウマくんに杏子ちゃん!!いや、私ギャラリーにいて…」
ショウマ「えっ?」
珠希「えっ?」
杏子「……」
一方、グロッタとヴァレンの戦闘は続いていた。
グロッタ「アハハハハ…」
ヴァレン「ううっ…」
しかしヴァレンは足場から落ちてしまう。だが、ヴァレンは尚もバスターで銃撃。だがソレもグロッタの鎌で弾かれる。
ヴァレンはグロッタのパンチをくらい、更にキックもかまされようとするが受け止め、グロッタはかかと蹴りに繋げる。更に、渾身の頭突き。コレは痛そうだ。
ヴァレンはグロッタの頭を押し返すが、グロッタは尚も笑いの表情を崩さない。
グロッタ「人間にも、抵抗するヤツがいたとはねぇ。」
グロッタはヴァレンの拳を押し返す。
グロッタ「歯ァ食いしばれェ!!オラッ!!!」
グロッタはヴァレンにアッパーカットをかますと、鎌にエネルギーを込め、そのまま切り裂いた。
ヴァレンは上の部屋へ吹っ飛ばされてしまう。更に体力の尽きたヴァレンを足蹴に。
グロッタ「勝てると思ってるなら甘すぎね。」
グロッタは立ち去っていった。
ヴァレンは強制的に変身が解除され、絆斗の姿に戻った。
ヴァレン→絆斗「何だアイツ……この前倒したのと全然違う…」
すると、丁度ソコら辺を通りがかっていたマミが絆斗を見つける。
マミ「え、ちょ、辛木田くん!!そんなボロボロでどうしたの、何があったの!?」
絆斗「あ、マミさん…話すと長くなりますよ…?俺のことは放っといてください…」
マミ「放っとけるワケないじゃない!!今すぐ応急手当するわよ!!!」
絆斗「あ、ありがとうございます…」
(宝屋敷邸にて)
珠希「ただいまです…」
珠希たちは、雅子たちの家に戻ってきていた。
雅子「パリは!?」
幸果「えっ、珠希ちゃん帰ってきちゃったの!?」
雅子「あら、幸果ちゃんどうしたの、その格好??」
幸果は、末継に掛けられたペンキがまだ落とせていなかった。
幸果「ウチのことは後!!それより珠希ちゃん、何があったの??」
ショウマ「えーっと、何かバケモノに襲われてたらしくて…」
幸果&雅子「「ええっ!?」」
その後、珠希は幸果たちに、ギャラリーで攫われて、戻ったら岩清水もいなかった旨を伝えた。
その後の『はぴぱれ』では。
幸果「あぁ〜さっぱり!!一生取れないかと思った。」
幸果が末継に掛けられたペンキを落としていた。
杏子「なぁ、幸果…」
幸果「てかさ、珠希ちゃん襲ったバケモノ、絶対りっつん襲ったのと一緒だと思うんだよね。あっ、ウマショーとキョウキョウには話したっけ。りっつん襲われたんだよ、ヤバいよね。」
ショウマ「……幸果さん!!バケモノも心配だけど、幸果さんは何があったの!?」
幸果「だーかーら、ペンキひっくり返しただけだって。」
杏子「ホントか?あんなに何でもできた幸果が??」
幸果「……きっと疲れてたんだな、よし!!今日は早く帰って寝よ。じゃあね、ウマショー、キョウキョウ。」
ショウマ「…………俺たち、全然役に立ててないね、杏子。」
杏子「だな…」
(研究室にて)
キュウべぇ「勿論。グラニュートは、人間に化けられるよ。」
絆斗「知ってんなら、先に教えろよ!!」
キュウべぇ「恐らくなんだけど、僕たちが服を着替えるみたいに彼らは、様々な人間の姿になれる。思いのままだ。」
絆斗「んなん、どうやって人間と見分けるんだよ。」
キュウべぇ「意外と簡単だね。彼らは人間に化けても、腹の口は隠せないんだ。」
絆斗「……!?、マミさん、ちょっとお腹見せてください!!」
絆斗は突然マミの服を捲し上げる。
マミ「え、ちょ、何よ辛木田くん!?」
しかし絆斗が見たのは普通の人間の腹だった。
絆斗「……ハァ。」
マミ「ため息!!?ちょっと辛木田くん、女性の素肌は簡単に見ないものよ!!」
絆斗「すいません。」
マミに叱られ落ち込む絆斗。
キュウべぇ「おやおや、どうやら本物だったようだね。フフフッ…」
(マミの家にて)
その夜、マミの家で、ショウマと杏子はまたも苦悩していた。
ショウマ「絶対、何かあると思うんだよ。」
杏子「あのペンキのかかり具合からして、絶対自分でこぼしたモノじゃないことは分かる。」
マミ「じゃあ、甘根さん自身の失敗じゃないとしたら、原因は何だと思うの?」
2人はますます悩んだ。そして出した答えは…
杏子「アタシたちには誰か分からないが、きっと誰かが幸果にペンキをぶっかけたんだ。」
マミ「そう…」
ショウマ「自分でこぼしたなら、汚れは絶対下半身の方に集中する筈だし。」
マミ「……佐倉さん、ショウマくん。もし甘根さんにペンキをかけた犯人が分かったとして、アナタたちはその人をどうする気?」
杏子「勿論、とっちめて問いただしてやる。な、ショウマ?」
ショウマ「う、うん…」
マミ「……そう。なら2人とも、ソレは今すぐやめて。」
杏子「え、なんでだよ!?」
マミ「犯罪心理って知ってる?犯罪者の心理状況によって、被害は如何様にも変わり得るって話。きっと甘根さんにペンキをかけた人が、手が滑ったんじゃなくて、何らかの心理状況の下でかけたんだったら、その人にも譲れない何かがあったのかもしれない。だったら、他人の心を探って、悪化させる可能性があるってのはダメ。少なくとも、今のままが丁度いいくらいよ。だから、次は誰にでも平等に接すること。いいわね。分かったら2人で仲良くお風呂入ってきなさい。」
ショウマ「やっぱりダメなんだよ、犯人探しは。」
マミからの説教を受け、杏子はかなり落ち込んでいた。ショウマは、元から犯人探しなどする気はなかったようだ。
ショウマ「断罪が全てじゃないんだよ、杏子。その人の気持ちをよく考えないと。」
杏子「……だな。今まで、「罪は悪」とばかり思っちまって、ソレで言い過ぎたことも結構あったからな。ならアタシは、こんな仕事には向いてないのかもしれねぇな…」
ショウマ「そんなことないよ!よく考えれば、杏子にだってできる仕事、ソレが何でも屋だよ。だから、働く中で色々学べばいい。昨日間違えたって今日という日があるんだからさ。明日は、慎重にやろう、ね。」
杏子「ショウマ……ッ!?……なんか、すまねぇな。ショウマの言葉聞いてると、心がほっこりするトコロがあってよ。その、なんか、落ち着くっていうか…///」
ショウマ「そんなに恥ずかしがらなくていいよ。杏子は、杏子にできることを、すればいい。ただソレだけなんだからさ。」
杏子「……あぁ、次は気をつけてやってみるぜ!!」
(ストマック社にて)
ランゴ「グロッタから聞いた。仕入れの邪魔をしているヤツがいるらしいな。」
シータ「違う、俺たちだって知らなかったんだ!!」
ジープ「そうなの!!赤ガヴに、あんな力があるなんて…ソレに、あんな女今まで見たこともなかったし…」
ランゴ「赤ガヴに女だと?」
グロッタ「私が見たのは、赤ガヴでも女でもないんだけど。」
シータ「えっ?」
ジープ「あっ…」
双子は黙り込んでしまう。
ランゴ「シータ。ジープ。お前たちは、アイツを見つけたのに俺に黙っていた。そういうことだな?」
シータ&ジープ「「はい…」」
ランゴ「そして、みすみす人間の仕入れ量を減らした。そういうことだな??」
シータ&ジープ「「はい…」」
ランゴ「……今日、この場をもって、お前たちはクビだ。」
シータ&ジープ「「待って兄さん!!」」
ランゴが双子に解雇宣告をした。
ランゴ「今後、仕入れのマネージメントは俺のエージェントが引き継ぐ。ニエルブ。」
ニエルブ「何?」
ランゴ「赤ガヴを含めた邪魔者対策に、仕入れアルバイトの改造を強化しろ。予算はつける。」
ニエルブ「はーぃ。」
グロッタは、解雇された双子の肩を持ち、励まそうとする。
グロッタ「かわいそうに…でも安心して。会社はクビでもアンタたちは、可愛い妹と弟だから。」
(数日後)
ショウマ「ふぅ…」
ショウマはそっと花瓶を置く。仕事にも、丁寧さが身についてきたようだった。勿論、杏子にも。
雅子「大分慣れてきたかな?ね、幸果ちゃん。」
幸果「あぁ、うん。じゃあ次、ウチ庭やるからウマショーとキョウキョウは、アトリエね。」
ショウマ「分かった!!」
杏子「任せろ!!」
幸果「ただし、ガチ慎重に。無理は絶対なし。いいね。」
ショウマ「うん!」
ショウマと杏子はアトリエへ向かう。が、途中でインターホンが鳴る。ソコには、絆斗の姿があった。
2人は外に出て応対する。
ショウマ「はーぃ。」
絆斗「何で、お前らが…」
ショウマ「ソレは、お仕事で…辛木田さんこそ何で?」
絆斗「ちょっと調べたいことがあって。」
ショウマ「ソレって、仮面ライダーと魔法少女の…」
絆斗「いや、別件。実はこの、失踪した安芸田真悟ってアーティスト探してんだけど、今分かってる最後の足取りが、『ギャラリー岩清水』ってトコロでさ…」
一方、杏子は絆斗の額にあるガーゼが気になっていた。
杏子(傷口を塞いでいるのか…でも普通転んだりしたら膝を怪我する筈だけど…転んでソコをヤッたら致命傷の筈なんだけどなぁ…)
そんな杏子を他所に、絆斗の話は進む。
絆斗「ココにもいるよな、ギャラリー岩清水に縁のあるアーティスト…立彫珠希さん。ちょっと、話聴きたくて。」
ショウマは悟った。
ショウマ(やっぱ、グラニュートのこと調べてるんだ。岩清水は倒したけど、危ないから近づかない方がいい…)
ショウマは絆斗をまだ普通の人間と勘違いしているため、敢えて嘘をつく。
ショウマ「今、珠希さん具合悪くて。だから、今日はごめんなさい。」
絆斗「分かりました。」
絆斗も素直に帰っていく。
…と思いきや。
絆斗「今、明らかな手がかりは、ココだけなんでね。」
なんと絆斗は、宝屋敷邸の近くで張り込みをし始めた。
暫くして、一人の外国人の男が、宝屋敷邸にやって来る。
サルディーナ「コンバンハ。私、イタリアデ画商ヲシテイルサルディーナと申シマス。」
絆斗(画商…?)
絆斗はその画商という単語が頭に引っ掛かったようだった。
(何でも屋『はぴぱれ』)
ショウマと杏子は、練習を積み重ねていた。その練習とは…
ショウマは卵を綺麗に割る練習、杏子は火加減を上手に調整する練習だった。
ショウマ「できた…ちゃんと割れたよ、幸果さん!!」
幸果「おおっ、やればできんじゃん!!じゃあ次は、コレで卵焼き作ろう!!!」
杏子「任せろって。中火だろ?」
幸果「キョウキョウも凄い!2人ともこんなに成長できるなんて!!!」
今日の2人は、まさに無双状態だった。庭の草を手で引き抜くなんてこともしなくなった。
すると、雅子が『はぴぱれ』を訪問してきた。
雅子「夜分にごめんなさい。時間、まだ大丈夫?」
幸果「うん、全然いいけど…何?」
雅子「幸果ちゃん、この間のペンキ、末継くんがかけたのよね。」
杏子「えっ、末継が…!?」
雅子「さっき、ようやっと話してくれたわ。謝罪が遅くなってしまって、ごめんなさい。」
幸果「いや…アレは、末継さん励まそうとしたウチが無神経だった。」
雅子「だとしても、アレはやりすぎ。」
ショウマ「そ、そうだよ!!なんで怒らなかったの!?」
幸果「キレかけたよ…キレかけて、直ぐ、ヘコんだだけで…子供の時からやりがちなんだよね。元気出してほしくて、励ますんだけど、『幸果はいいよね。幸果には、ウチらの気持ち、分かんないよ。』って言われるの。だから、『あぁ、またやっちゃったんだ』って…多分、ウチ苦労とか、あんまりしてないんだよね。だからきっと、ウチには人の気持ちとか、分かんないんだよ。」
幸果は自虐の気持ちに苛まれる。
しかし幸果のそんな自虐を、雅子は否定する。
雅子「ううん、本当に人の気持ちが分からない人は、そんな顔しないわ。上手くいかないこともあるでしょうけど、人のことを思って真っ直ぐに動ける幸果ちゃんのこと、私は好きよ。」
ショウマ「俺も!俺たちは、幸果さんに元気貰ったから。ね、杏子。」
杏子「あぁ!」
幸果「雅子ちゃん…ウマショーにキョウキョウまで…ありがとう!!」
その様子を、陰からマミが見ていた。
マミ「そう…お礼が言えたの、良かったわね。(^^)」
(翌日)
幸果「あれ、ハンティーじゃん!」
絆斗「げっ!」
幸果一行と絆斗が、偶然出くわした。
ショウマ「辛木田さんって、ハンティーって言うんだ。」
杏子「初耳だな。」
絆斗「言わねーよ、コイツだけだ!!」
絆斗は若干食い気味に言い放つ。
例の画商…サルディーナは、今日は末継のアトリエを見に来たようだ。
幸果「えっ、末継さんにもスカウト来たんだ、やったー!」
ショウマ「そんなことあるのかな?」
杏子「疑わしい話だぜ。」
絆斗「……お前らも、そう思うか?」
ショウマ「あっ…うん。」
宝屋敷邸で仕事中、3人は幸果をキッチンに呼び出し、自らの見解を話す。
幸果「えっ、あのスカウトがバケモノ!?末継さん狙いの?」
絆斗「かもしれないって話だ、確証はねぇ。」
ショウマ「珠希さんも襲われたし、もしかしたらって…」
絆斗「はぁ!?お前ソレ聞いてねぇぞ!!?」
幸果「ねぇ、なんか確かめる方法とかないわけ?」
絆斗「バケモノの腹には、口があるって噂だけど…」
ショウマ(えっ、そんなことまで知られてるの?)
杏子(マジか、怖いな…)
幸果「うーん、でもいきなり脱がせるのも変じゃない?だって、バケモノじゃなかったら、ウチらヤバい人だよ?」
絆斗「なんか方法ねぇかな…」
ショ・絆・幸・杏「「「「う〜ん…」」」」
4人は、あの画商がグラニュートだという確信を持たせるための上手い方法を考えようとする。
ふと、杏子が近くのテーブルにあった急須とカップを見つける。
杏子「ん…?…あっ、そうだ!!」
杏子は何か思いついたようだ。
4人は早速、杏子が提案した計画を実行に移す。
ショウマ「失礼します。お飲み物、どうぞです…あっ!」
末継「お前、何してくれるんだ!!」
ショウマはサルディーナに飲み物を持ってくるが、勢い余って落としてしまう。勿論コレも演技である。
杏子「今、拭きますね…」
杏子はサルディーナの服に零したお茶を拭こうとして、わざと服を捲る。
すると、サルディーナの腹には、口があった。コレでサルディーナは、言わずもがなグラニュートである。
幸果「きもっ!!」
幸果はその見た目に思わず本音を漏らしてしまう。
ショウマ「わあー、バケモノー。(棒)」
杏子「こわーい。(棒)」
サルディーナ「チッ、バレタラ意味ネェナ!!」
サルディーナは正体を見破られたことに怒り、擬態を解く。
その姿はなんと、ショウマと杏子がこの前倒したグラニュート・ディーンであった。
サルディーナ→ディーン「オリャッ!」
ショウマ(あのグラニュートは…)
杏子(あぁ、間違いねぇ!)
ショウマと杏子は目配せすると、絆斗と共にディーンを追いかける。
ディーン「アリーヴェデルチ!(さよならだ)」
絆斗「待ちやがれ!よし、グラニュート退治2匹目だ!!」
『チョコ!』『SETチョコ! SETチョコ!』『Wow! Wowwow!!』
絆斗「変身!」
『チョコドン! パキパキ!!』
幸いにも、絆斗の変身はショウマたちには見られていなかった。絆斗もといヴァレンはディーンへ突っ込んでいく。
絆斗→ヴァレン「行くぜ行くぜ行くぜー!」
一方、ショウマと杏子も黙ってはいない。
『グミ!』『EATグミ! EATグミ!』(ガヴ ガヴ ガヴ…)
周りに浮かぶグミを隠しながら、ショウマは変身する。
ショウマ「変身…!」
『ポッピングミ! ジューシー!!』
ショウマ→ガヴ「杏子、準備はいい?ヒソヒソ」
杏子「いつでもOKだ。ヒソヒソ」
杏子もとっくに変身を済ませていた。
すると、ガヴは前かがみになり、壁の向う側からヴァレンを覗く。
ガヴ「気をつけろ。」
ヴァレン「えっ?」
ガヴ「ソイツは俺が一度倒したグラニュートだ。」
杏子もガヴの後ろから出てくる。
ヴァレン「えっ、お前何でも屋の…」
ガヴ「あぁ、多分そっくりさんだ。」
杏子「宜しくな。」
ヴァレン(……いや誤魔化せてねぇだろー!!)
ヴァレンはずっこける。
(宝屋敷邸にて)
末継「ハハハハッ…全部……全部!!全部嘘だったんだ!!!」
末継は、今や完全に気が動転していた。
雅子「末継くん…!」
末継「全部…誰も…俺の絵なんかー!!」
末継は幸果に適当に褒められた絵を手に取る。
雅子「やめなさい末継くん!!ダメー!!!」
末継「俺の、絵なんかー!!!!!」
末継が絵を殴って壊そうとしたその時。
幸果「やめろ末継!!ボコられんのはお前の絵じゃない、アイツだよ!!!」
幸果が末継の両手首を掴み、制止した。
末継は涙を流していた。
(ガヴ&杏子&ヴァレンVSディーン)
戦いは、激しさを増していた。
ガヴは、チョコダンゴチゾウを取り出す。
杏子「ソレを使うのか、分かった!アタシはサポートに回る!!」
『チョコ!』『EATチョコ! EATチョコ!』(ガヴ ガヴ ガヴ…)『チョコダン! パキパキ!!』
チョコダンフォームに変身すると同時に、チョコダンガンでヴァレンと共に銃撃。
ヴァレン「よし、トドメだ!」
ヴァレンがクラッキジャッキを開き、バスターにエネルギーを溜める。
再びバスターを閉じて、エネルギーをチョコの球にすると、照準をディーンに定める。
ヴァレン「喰らえぇぇぇ!」
『チョーコードーン!!』
ディーン「マンマミーア!」
ガヴ「今度は、倒した?」
ディーンはヴァレンの必殺技を受けて爆発した…かのように思われたが。
なんとディーンが資材の物陰から出てきたのだ。
杏子「マジかよ…」
ディーン「残念だったな、教えてやろう!俺は不死身なんだよ!!」
(ストマック社にて)
ニエルブが、研究に使った道具を片付けながら呟いた。
ニエルブ「ランゴ兄さんに言われなくても、強化改造実験は、コッチでとっくに始めてるんだよね。さて、彼はあの能力を使えてるかな?」
場面は戦闘に戻って。
ヴァレン「何が不死身だ!」
杏子「ふざけやがって!!」
ガヴ「そんなグラニュート、いる筈ない!!!何か仕掛けが…」
ガヴは考えるより先にハンドルを回し始めていた。
『Charge me! Charge me!』(ガヴ ガヴ ガヴ…)
杏子「ガヴがその気なら、アタシたちもやってやるっての!!」
杏子は槍に特大の魔力を込め、ヴァレンはバスターのクラッキジャッキを開閉する。
ガヴ「終わりだ!」
『チョコダン! フィニッシュ!!』『チョーコードーン!!』
ガ・杏・ヴァ「「「はぁぁぁぁぁーっ!!!!!」」」
ディーン「グオオオッ!…フフフッ。」
3人の同時必殺を受けても、ディーンは生き残っていた。
杏子「チッ…なんでなんだよ!!」
杏子が自棄になったその時。
幸果「おいソコのモンスター!!」
ディーン「えっ?うわぁっ!!」
幸果が、末継に掛けられたのと同じ黄色いペンキを、ディーンにぶちまけた。
幸果「人のこと喜ばせて、騙しやがって。ふざけんじゃねぇ、地獄に落ちろ!!」
杏子「えっ…もしかするとアタシよりも怖いかもしれない…ガクガクブルブル😨」
すると幸果は、中指に嵌めていた指輪を、誰しも見たことがある形に変化させた。
そう、ソウルジェムである。
ヴァレン「あっ…しまった、社長は俺の変身の代償に契約して…!」
時既に遅し。幸果は魔法少女に変身していた。
幸果の魔法少女衣装は、膝まであるヒダなしの、鶯色のスカートに、一番下の縁にフリルがついている。また、幸果から見て左側に切れ目がある。
上半身はまどかのノートにあったのとほぼ共通だが鶯色の色違いで、ボタンがないのと、肩はキュアフローラみたいに膨らんでいる。
ソウルジェムの位置は右耳のピアスで、スペードの形をしている。
武器は大人の背丈程ある片裁ちバサミ×2で(ドコのキル〇キルだよ)、内と外に刃がついている。いわゆる凶器である。
幸果はハサミでディーンを斬りつける。
ディーン「痛ったぁ!?」
かなり傷が深いようだ。
ディーンは慌てて逃げようとするが、ソコをヴァレンに狙われる。
『チョーコードーン!!』
幸果「よっしゃ!」
ガヴ「今度こそ…!」
杏子「やったか!?」
だが、ディーンは相変わらずピンピンしていた。
ディーン「ハッハッハ!だから、俺は不死身なんだよ!!」
幸果「えっ、何アイツ。もうキレイじゃん、マジムカつく!!」
ガヴ「ホントだ、ペンキがついてない!!…ん?もしかして…ねぇ杏子!!」
杏子「あぁ?」
ガヴ「ヒソヒソ…ヒソヒソ…」
杏子「えっ!?だったら探しに行かねぇと!!」
ガヴ「ゴメン幸果さん!!」
幸果「任せろ!!」
ガヴと杏子はあるモノを探しに、幸果とヴァレンはディーンの応戦にそれぞれ分かれることとなった。
ディーン「ハッハッハ、チャオ。」
ディーンが鉄骨の上に座って余裕をぶっこいていた。
一方、ガヴと杏子は目撃してしまった。
黄色いペンキのかかったディーンが、自らのコピーを作っている瞬間を。
ガヴ「見つけた…!」
ディーン「アンダーレ。」
ディーン「ヴァベーネ。」
ガヴ「ふんっ!」
杏子「ほっ!」
ガヴはチョコダンガンで1体を、杏子は槍を飛ばしてもう1体を攻撃した。
ディーン「「うわぁっ…!」」
すると、幸果とヴァレンもソレに気づく。
杏子「コイツが本物だ!」
ヴァレン「えっ!?じゃあ、俺が何度も倒したのは…」
ガヴ「あぁ、コイツが作った分身だ!!」
ディーン「チッ、バレたか!コレならどうだ!!」
ディーンは、大量のイワシを4人に向かわせてくる。流石の量に、4人も怯んでしまう。
ガヴ「くっ、だったらコッチは…!」
ガヴは偶然近くにいたチョコドンゴチゾウを拾う。
『チョコ!』『EATチョコ! EATチョコ!』(ガヴ ガヴ ガヴ…)
ガヴ「追い菓子チェンジ!」
『チョコドン!』
チョコドンゴチゾウの能力により、チョコドンガンが生成される。
ガヴ「はい、コレ使って!」
ヴァレン「えっ…あぁ。」
『チョコドン!』
続いてガヴは、自分用のチョコドンガンも生成する。
ガヴ「行くよみんな!」
4人は資材の物陰から一斉に遠距離攻撃を仕掛ける。(幸果は魔力で増幅させたハサミをぶん投げている)
ヴァレンは資材の上に上り、辺り構わず銃撃を仕掛ける。
幸果は迫りくるイワシを避けながら、時々ハサミでぶった切る。
杏子は槍をぶん回し、イワシの群れを追い払う。
その群れを、背中合わせになったガヴとヴァレンが一斉掃射。
更に資材の上に上ったガヴと、ヴァレンで猛攻撃。
杏子は槍から出るビームで、イワシの群れをある程度焼き払う。
やがてディーンが出てくる。
ディーン「あっ…あぁっ、うわぁっ!!」
慌てふためくディーンを、杏子と幸果が槍とハサミで押さえつけて固定する。
杏子「今だガヴ、やれ!!」
ガヴ「あぁ…コレで終わりだ!」
ガヴはチョコダンガンを投げ捨て、ハンドルを回す。
『Charge me! Charge me!』(ガヴ ガヴ ガヴ…)
ヴァレンもバスターのクラッキジャッキを開き、エネルギーを溜める。
『チョコドンバースト!』
ガヴの必殺技で白くなったディーンを、
『チョーコードーン!!』
ヴァレンがバスターのクラッキジャッキを閉じ、エネルギーをチョコの球に変え必殺技で一撃。
ディーン「メタい話、スペックがスペックだから…いつにも増して憎たらしいぃぃぃぃぃ!?」
ディーン、今度こそ本当に爆発。
幸果「よっしゃー!あ、仮面ライダーじゃん!!えーっ、2人もいたんだ、ハンティーに教えなきゃ!!」
ヴァレン「え、ちょ…」
ガヴ「待っ…」
すると幸果は、ガヴとヴァレンの間に割り込み、その間に偶然杏子も挟む形で記念写真を撮る。3人は何が何だか分からないままポーズを取る。
そして撮影が終わると、3人はスタコラサッサと逃げていく。
幸果「あっ…ちょっと待って!?」
ヴァレン「勘弁してくれ!!」
ガヴ「逃げろー!!」
杏子「お前も魔法少女だからって調子に乗るなよ!?幸果ぁー!!」
幸果「あ、キョウキョウもいたの!?(^_^;)」
(数日後)
末継「幸果さん、この前はごめんなさい。」
末継は、怒りで我を忘れ、幸果に迷惑をかけていたことを謝罪した。
幸果「あぁ…いや、アレは、コッチが悪くて…」
幸果はまた自虐しようとするが、ソレを末継が遮る。
末継「僕のために怒ってくれて、ありがとう。」
するとその言葉を聞いた幸果は、笑顔を浮かべる。
幸果「何もしてないよ。」
その後、末継からはお礼の品として幸果が適当に褒めた…筈だった向日葵の絵が贈られた。
その帰り道。
幸果「キョウキョウ、ウチと同じ魔法少女だったなんて〜早く言ってよ。」
杏子「言うタイミングがなかったんだよ!!」
幸果「フフフッ…コレから宜しくね。」
杏子「あぁ…宜しくな。」
幸果「そういえばさ、折角、仮面ライダー間近で見られるチャンスだったのに、ハンティーどこ行ってたの?」
絆斗「うっせぇな、見失ったんだよ!」
幸果「ええ〜…ウマショーは?あっ、もしかして怖くなって逃げた??」
ショウマ「逃げてないよ、俺も見失ったんだよ。」
幸果「おっかしいな〜、キョウキョウは来てたのに。」
絆斗「てかさ、もう探さなくていいわ、仮面ライダー。」
ショウマ「俺も、止めた方がいいと思う。」
杏子「あ、アタシもそう思うぜ。」
幸果「えっ、キョウキョウまで!?なんでよ、俄然モチベ上がってたんだけど。」
ショ・絆・杏「「「アハハ、ハハッ、ハハハハハハハッ…」」」
ショウマ「幸果さん、危なっかしいよ…。ヒソヒソ」
絆斗「何するか分かんねぇし…。ヒソヒソ」
幸果「はぁ!?ちょっと、今のどういうこと!!?」
絆斗「ヤベッ…💦」
ショウマ「気のせいです…💦」
杏子「えーと、聞かなかったことにしてくれ…💦」
幸果「話、聞いてよもう!!」
第9話「撃ち抜け茶色の弾丸」
コメント
5件
流石に恥ずかったのでサブタイトル変えました
何かセンシティブなヤツに引っ掛かりました 「プ〇イ」って言葉がNGだったかな?(^_^;)
今回の幸果の魔法少女衣装は、想像力を働かせないと難しいかもです(^_^;)