翌朝、村人たちが美咲の部屋を訪れたとき、彼女はすでに息をしていなかった。首には赤い紐の痕が深く刻まれ、目は恐怖で大きく見開かれていた。部屋の壁には、血のような赤い文字で「返せ」と繰り返し書かれていた。村人たちは震えながら、すぐに祠を修復し、供物を捧げたが、オオヒメ様の怒りは収まらなかった。
それ以降、黒葉集落では、祠に近づく者は誰もいなくなった。しかし、夜になると、森の奥から「カタカタ」という音が響き、赤い紐を持った女の影が村を徘徊するようになった。村人たちは囁き合う。「オオヒメ様は、決して許さない。一度触れた者は、永遠に祟られる」と。
──────終
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