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「」せりふ ()こころ
桃 視点 .
学校が終わってから百瀬家の屋敷に帰るまでの車内は、恐ろしいほど静かだった。
運転席のなつは、バックミラー越しに何度も俺の様子を窺っている。
俺がまだ怒っていると思っているのか、なつの綺麗な横顔は緊張で少し強張っていた。
屋敷に到着し、自分の部屋に戻ると、なつがすぐに上品な銀のトレイにお茶とフルーツタルトを載せて運んできた。
「らん、お疲れ様。お茶入れたよ」
なつの声はいつも通り優しくて丁寧だけれど、どこか他人行儀で、俺の顔色を恐る恐る窺うような固さがある。
なつの金髪と赤の毛先が、不安げに小さく揺れていた。
やっぱり、学校で俺がふいっと背を向けたことを、ずっと気に病んでいるんだ。
俺は運ばれてきたタルトをじっと見つめてから、わざと小さくため息をついた。
「なつ。これ、俺の好きなタルトだよね」
「……うん。気に入らなかった……?」
「気に入らないっていうか……俺、今日はタルトの気分じゃないんだよね」
俺がそう言った瞬間、なつの顔からすっと血の気が引いていくのが分かった。
なつの切れ味のある瞳が、絶望に似た色で大きく揺れる。
『らんに拒絶された、捨てられるかもしれない』
――なつの脳裏に、そんな最悪の妄想が駆け巡っているのが痛いほど伝わってきた。
「ごめん、らん……っ。俺が学校で余計なことをしたから、怒ってるよね。嘘をついてらんの邪魔をして、本当に申し訳ありませんでした。だから、その……俺を、嫌いにならないで……ッッ」
なつは今にも泣き出しそうな顔で、俺の前にボトッと膝をついた。
その大きな身体を小さく丸めて、俺の返事を待つ姿は、まるで捨てられるのを待つ仔犬のようだ。
俺はベッドから降りて、膝をついているなつの目の前にしゃがみ込んだ。
そして、なつの燕尾服の袖をきゅっと両手で掴み、下から覗き込むようにしてなつを見つめる。
「ばかなつ。俺がなつを嫌いになるわけないじゃん」
「え……?」
「俺が言いたいのはさ……今日はタルトじゃなくて、なつの大好きなクレープを、二人で一緒に食べたかったな~ってこと!//」
俺は頬を少し赤くしながら、なつの顔をじっと見つめて言葉を続けた。
「学校でなつが嘘ついたのは、俺と二人きりでいたかったからでしょ?」
「俺だって、なつと二人でお茶できるの嬉しいよ。……だから、なつの好きなクレープを俺が作ってあげようと思って、授業中にずっとレシピを考えてたんだ。」
「なつに喜んでほしかっただけなのに、そんなに怯えられたら、俺のほうが悲しいよ……ッッ//」
恥ずかしさを堪えながら一気にまくしたてると、なつは雷に打たれたように固まった。
前髪のピンクの隙間から覗く俺の目を、なつは信じられないものを見るような目で見つめている。
なつの顔が、耳の根元までみるみるうちに真っ赤に染まっていくのが分かった。
「……らん、それ、本気で言ってる?」
「本気だよっ! 俺、なつがいないと何にもできないし、なつがいない毎日のほうが絶対に嫌だもん。だから、そんな顔しないでよ……なつ」
俺が無自覚に紡いだ決定的な言葉に、なつの理性が完全に弾け飛ぶ音が聞こえた気がした。
「……ずるい。らんは本当にずるい……」
なつは掠れた声でそう呟くと、床に膝をついたまま、俺の身体を強い力でギュッと抱きしめてきた。
あまりの勢いに驚いたけれど、なつの大きな手が俺の背中をしっかりと包み込み、俺の肩口に顔を埋めて、はぁ、と熱い息を吐き出す。
「なつの、不機嫌なおった……?」
「なおった。なおるしかないじゃん、こんなの……っ。もう無理、らんが可愛すぎて頭おかしくなりそう……」
抱きしめる腕の力がどんどん強くなる。
さっきまでの冷徹な執事の面影はどこにもない、甘々で過保護な、俺だけのなつに戻っていた。
「クレープ、俺が作る。らんは座って待ってて。らんの手を火傷させたくないし、俺、らんの手作りなんて食べたら嬉しすぎて死んじゃうから」
「あははっ、死なないでよ」
なつは俺を抱きしめたまま、何度も俺の髪や頬に愛おしそうに頭を擦りつけてくる。
その歪んだ独占欲も、狂おしいほどの依存も、俺にとっては心地よくて温かいものだった。
【い】
episode . 2 end__
き ま つ た い さ く や ば す ぎ る 。
た ん し よ ~ る い と 、 そ ~ し よ ~ る い て な ん や ね ん 。
し て ~ す る は ~ と 数 か え ま し た っ ( た だ あ ~ し が か き た い だ け ((((
こ ん か い は 、 は ~ と 120 お ね が い し ま す っ
ば い ち ゃ ! !
コメント
3件
🌾失っ.ᐟ.ᐟ.ᐟ.ᐟ いや、もうね、赫桃てぇてぇがすぎますよぉぉ らぶ🫶 クレープ食べたいなんてかわよっっ そのあとの赫様イケメンすぎだろ 依存って、いいなぁ。 あてぃしは単子葉類と双子葉類はなんか、 単子葉類→サザ✗さんの波平 で覚えろって言われたww 意味わかんねぇな今聞いたら…w
ああもう、なつが怯えすぎてて切ない……! でもらんが「クレープ食べたかった」って伝えた瞬間、全部解決したの本当に良かった。なつの「俺が作る」発言に胸きゅん。依存し合ってる感じがたまらないです。続き気になる〜!