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「……ほんまに来たな」
玄関の前。
緋八マナが腕を組む。
その目の前には、大きめの荷物を持った
伊波ライ。
「言ったでしょ、住むって」
「いや“ほぼ同棲”から急に来るやん」
「ダメだった?」
少しだけ不安そうな顔。
——それ見せるのずるいねん。
「……ダメちゃう」
むしろ。
「……嬉しいけどな」
ぽつりと付け足す。
⸻
「じゃあ、入るね」
「もう入っとるやろ」
笑いながら中に入る。
荷物を置いて。
ふと、静かになる。
⸻
「……ほんまに一緒に住むんやな」
「うん」
当たり前みたいに頷くライ。
「これから毎日」
「……毎日か」
なんか、実感湧いてきた。
⸻
■生活のすり合わせ
数日後。
「マナ、これどこ置く?」
「それはそっちやな」
「了解」
自然に会話が回る。
⸻
「洗濯どっちやる?」
「今日は俺やるわ」
「じゃあご飯俺作る」
「助かる」
⸻
前より近いどころか。
完全に“生活”になっていた。
⸻
でも。
「……なあ」
「うん?」
「これ、ちょっと変な感じせえへん?」
「なにが?」
「一緒に住んでるって」
⸻
ライは少しだけ笑って。
「嬉しい違和感?」
「……そんな感じや」
⸻
■小さな衝突
ある日。
「……それ、後でやる言うたやん」
マナが眉をひそめる。
「あ、ごめん忘れてた」
「またや」
つい、口調が強くなる。
⸻
「マナ、怒ってる?」
「……別に」
「別にじゃないでしょ」
静かに返される。
⸻
少しの沈黙。
「……ちゃんとやってほしいだけや」
「うん」
「一緒に住んでるんやから」
「……うん、ごめん」
⸻
ちゃんと謝られると。
逆に、落ち着く。
「……俺も言い方悪かった」
「大丈夫」
⸻
■ちゃんと“二人”で
夜。
ソファ。
いつもの距離。
「さっきのさ」
ライがぽつりと呟く。
「うん?」
「こういうのも増えるよね」
「……せやな」
⸻
「でも」
少しだけ寄りかかる。
「その分、ちゃんと話せるでしょ」
「……まあな」
⸻
「マナとなら、大丈夫」
「……っ」
それ、ほんまにずるい。
⸻
小さく笑って。
そのまま、軽くキス。
「……仲直り早いな」
「早い方がいい」
⸻
「……確かに」