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目が覚めたら、そこは研究所らしき部屋だった。

(ああ、転生したのか)

今度は何だろうか?

部屋には、表現者のときとは異なり、工具や機械類が散乱していた。

表現者のときでもそうだったが、転生したからといって、転生した人間の意思までは私のものにはならないらしい。

だから、多少の肉体の自由はあるが、話す内容などは転生した人間のままだ。

床にも様々な書類が落ちていて、何やら難しそうな数式や図が書かれていた。

その一枚を拾い上げてみたら、また心臓が大きく動いた。

周りの工具を掴んで作業に取り掛かる。

手を動かしている私自身には、何をしているのかなんてさっぱり分からないのに、体は無駄のない動きでテキパキと作業を進めている。

そして、作業を進めてから数時間後。

私の手は、突然止まった。

いつの間にかできあがっていたその機会を、私は大きな装置に取り付けた。

ヴゥ~ン……。

と、大きな音を立てて動き始める装置。

「これで…、やっと世界が平和になる……!」

私の口から、その言葉が零れ落ちた。

すると、荒々しい音を立てて、大勢の人が入ってきた。

彼らの服装は皆、軍隊のような服装をしていた。

「おお、これがあの…」

「そうだ。この装置さえ使えば、俺らの勝ちだ」

「おう。やっぱこの発明家にやらせて正解だったな」

彼らは口々に喋りだして、装置を外に出そうとした。

「やっ、やめてください!この装置は、戦争のために作ったんじゃないんです!これは、世界が平和になる装置で…!」

慌てて私の体は彼らを止めようとしたが、体格差がありすぎる。

すぐに振り払われて、私の体は軽く吹っ飛んだ。

ずきずきと背中が痛む。

兵隊たちの汚い笑い声が、研究室を包んだ。

私の目から、一つの涙が零れ落ちた。




転生した人間は、とても頭がいい発明家だった。

世界が平和になる、世紀の大発明をした。

しかし、それは兵器に利用されて残酷な血の雨が降った。



こんなの、私が求めていた転生人生じゃない。

私は、転生林檎を取り出した。

(転生しよう)

私は林檎を齧った。



体に電流が走った。

転生林檎/ピノキオピー

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