テラーノベル
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⚠ pixiv に 上げていた もの
⚠ 少し不穏
hbr side .
『 暗闇ってさぁ、めっちゃ怖くない? 』
カフェZeffiroの店を閉めるついでに、一杯どうか、とコーヒーを淹れてやり、窓からさしてくる穏やかな風と光を浴びながら皿を洗っていると、突然そんなことをコーヒーを飲んでいる相棒から尋ねられて、つい困惑する。
「 え、なんで?? 」
そういえば、俺の相棒はやたらとホラーが苦手だったか。と、思い出して、その時は納得した。だって、暗闇となると何が出るかわからないし、幽霊が立っていたっておかしくないから、そりゃあアイツからしたら怖いよな。と、思えたから。
『 いやだってさ?暗闇の中だと周りがなーんにも見えないわけで 』
『 その間になにか違うことが起こっててもわからないんだよ、取り残されてる僕だけが 』
なんだか言い回しが随分と独特だなぁと感じたが、こいつなら確かにそんな言い方をしそう。と、また納得をする。窓の外に植えている緑が美しい木に止まっている小鳥を見ながら、うーん…と唸ってみせて
「 でもなぁ。俺は夜じゃねぇとあんま派手に動けんから、あんまわからんわ … 」
「 マフィアは夜じゃなくても活動できるん? 」
客が居ないから、そんなことを尋ねてもきっと返事は返ってくる。VOLTACTIONの四人の実家が裏社会なのは、四人ともお互いに知っているため、踏み込みすぎず、全く踏み込まない訳でもない。そんな、関係を維持してきていた。
そんな中でも特に教えてくれないのは、俺の相棒である、──風楽奏斗だった。
『 そ?まぁ、確かにそっか。ひば、怪盗一家の跡取りだもんね 』
『 んー…。殺人とか拷問とかはさすがに夜だけど、商談とかぐらいなら昼間もできるんじゃない? 』
夜なら血が出ていてもバレない。それをいいように使って、裏切り者を処したりしている …… らしい 。 あまりにも怪盗には理解できそうになかった 。
「 ほぇ〜…。でも、銃使えるのにお前がホラー苦手なの未だ理解できんわ 」
「 普通逆だべ ?? 」
そう言うと、コーヒーを飲んでいたカップから目だけ視線をこっちにやり、あはは!と元気よく笑われた。いや、その笑みすらも怖く感じるんだよなあ。
knt side .
窓からさしてくる暖かな光や小鳥の囀りがカフェZeffiroの雰囲気にマッチしていて、コーヒーがより美味しく感じる。特に、相棒お手製だと美味しさ約10倍なのだ。
ふと、洗い物をしている雲雀の背中を見つめる。僕の右目が使い物にならなくなったときに、視界が不自由になったら。こいつらのことが見えなくなったら、と思うと、少し怖くなる。何が起きているのか分からない怖さではない。僕の知らぬ間に、仲間が離れていってしまうような、そんな怖さ。
「 暗闇ってさぁ、めっちゃ怖くない? 」
気づけば口が勝手にそう言ってしまった。雲雀も驚いてるみたいな顔してる。『何言ってんの?お前』と、返ってきそうな予感がしていたのに、もっと柔らかい『 え、なんで?? 』で、少し目を丸くする。
雲雀の視線が僕から外れたあたりで、自分の右目に手を当てる。普段なら、傍から見たら、ただの綺麗なアクアマリンの瞳だが、この目は、──風楽の嫡男であることを堂々と示してくる、ターゲットサイト。これが暴走すれば勿論目も見えなくなるわけで。
『 マフィアは夜じゃなくても活動できるん?
』
こちらを向かずにそう質問してきた雲雀に、目を触っていた手を離しながら、うーん。と小さく唸る。本来なら夜に動くもの。でも、夜にしか動かないなんて、それはもう弱点でしかない。
「 んー…。殺人とか拷問はさすがに夜だけど、商談とかぐらいなら昼間もできるんじゃない? 」
ぉよよ ⁉️
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ぉよよ ⁉️
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と、曖昧に濁して答えれば、『ほぇ〜…。』と、間の抜けた返事がかえってきて、少し和んでしまう。一通り雑談をしては、上着を羽織り直して、カップを雲雀の元へと運ぼうと席を立つ。
「 コーヒーありがと。今日はもう帰るわ、また来る 」
カフェのオーナーなんだから当たり前だが。また来る、と言った方が雲雀が笑顔になることは知っているので、微笑みながらそう伝える。
──さぁ、今日はどうやって暗闇から逃れようか。
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ここ最近の奏斗は元気がない__というより、体調が悪そうに感じる。目の下には隈ができてるし、前より幾分か痩せてしまっている。顔色も微妙なライン。熱では無さそうだし、咳やらくしゃみやらが出ている訳でもなかった。ならば、…
やはり睡眠不足なのか。
「 奏斗ぉ〜… 」
いつも通りのふんわりとした呼び方で、彼にこっちを向かせる。不思議そうにしているのを他所に、じーっと目を見る。正確には、その下の隈を見る。
「 お前、寝てないだろ?? 」
そういえば『 げ、 』と確信犯のような声を出す奏斗。そんな声を出しても見逃す気もない。
『 ……まぁ…、全然寝てないね最近 』
俺の顔を見て観念したようで、やっと寝てない、と白状した。だろうな、と返す他なかったくらいには隈が凄いのだ。本当に。そこでふと、奏斗が数日前にカフェで言ってた、『 暗闇ってさぁ、めっちゃ怖くない? 』という言葉を思い出して。
「 ……奏斗、…なんで暗闇怖いの? 」
じと、と彼の瞳を見つめる。聞かれるとは思っていなかったようで、『 なんで、 』と呟きながら固まっていて。
それでも、真剣な瞳で見つめる。相棒のことは知っておきたい。
『 …目を閉じてる間?っていうか。僕が知らない間に、セラ、アキラ、雲雀が居なくなってた〜だとか、怪我してた〜とか 』
『 そういうことが嫌だから、…寝れなくなった、って訳 』
はは、と苦笑いしながら喋っていることよりも、俺らが居なくなる、という言葉に引っかかってしまった。怒るなんてことはしない。だって、裏社会出身なんだから当たり前じゃないか。でも。
「 居なくならんよ 」
そう、短く呟く。反射的に、口から自然と零れた。
『 え? 』
呆気を取られたような表情でこちらを見てくる奏斗に、追加で。
「俺ら奏斗のこと大好きだべ!!離れるわけなくねぇ??」
「 特に!!俺相棒だぞ??そんな心配すんなって〜 」
いつも通り、にこにこと元気よく笑いながら言った方が、彼は笑ってくれるし、安心してくれるってことは、長年一緒に居てよく知っている。たぶん、四人の中で1番。
『 __…そっか、… 』
『 んはっ、そうだわ!お前らは居なくなったりなんてそうそうしないもんね 』
ほら、笑った。
「 …やっぱ奏斗は笑顔が1番やね 」
つい微笑みながら言うと、えなに。怖、といつも通りのノリで返されたため、はぁ〜!?とおどけて見せる。
『 もしさ、僕の右目が見えなくなったら 』
『 ──雲雀たちが助けてね 』
そう呟いた奏斗は、普段とは違って、心の底からの柔らかい、暖かな笑みを向けてくれていた。
「 … ! 、 … 当たり前やろ !! 」
にへ 、 と笑いながら 、 俺はそう返事をした。
コメント
3件
なんかもう大好きです
**みぅ🤍🥀:** うわ…ちょっと不穏な雰囲気から始まる第1話、すごくよかったです🌙 雲雀くんと奏斗くんの、日常の何気ない会話の中に滲む“闇”が刺さりました。「暗闇怖い」って言葉の裏に、仲間が消える不安とか、自分の目が使えなくなる未来とか…そういう重さが隠れてて。でも最後に「助けてね」って頼れる関係性が尊すぎる…🤍 二人の距離感、静かに揺れる関係性、すごく好きです。続き、心の奥がじんわりしました…。