その巻が完成した場合は、題名の横に「改」をつけます。
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アリさん、一体どこに監禁されていたんだろうか?
そのホテルのカウンターにいた、この宿の総支配人の人に全部屋の鍵をもらうと、みんなで2人一組でアリさんを探しまくった。
俺は、一緒にアリさんを探しているフォティの顔を見た。
今までの明るさが嘘のように、ものすごく暗い表情をして、時折後悔したように頭を抱えている。
俺は、こういう時は放って置いて欲しいという気持ちを痛いほど知っているので、咎めることなくアリさんの捜索に専念した。
「ねぇ、リード…。」
突然、フォティが声をかけてきた。
「なに?」
「リードは、大丈夫なの?」
「なにが?」
「後悔とか、そういう気持ちはないの?」
「いや、後悔の気持ちがないわけじゃない。この時にああすればよかったな、とか思うこともあるよ?
でも、そのことをずっと引きずっていても、いいことはなにもないっていうことを、俺は今までの過ちから学んだんだ。
アリさんが亡くなってしまったということは、まだ決まったわけじゃあないし、もし亡くなっていても埋葬くらいしないと、みんなに合わせる顔がない。だから、今できることを精一杯やる。ただそれだけなんだ。」
「…分かった、リードの言うように、今できることを精一杯頑張る!」
良かった、フォティのいつもの明るさが戻ってきた。
そんな訳で相談しながら、アリさんが監禁されていた場所を探していると…。
ふと、キングオーガの巣穴に繋がっていた、ルミアの冒険者ギルドにあった秘密の通路を思い出した。
あの時は、壁にどんでん返しの秘密の通路があって…。
トン、と試しに近くの壁を押してみると、押した壁が案の定、ぐるっと反転した。
そしてその反転した壁には壁の内側に隠されていたであろう、真っ暗なポータルのようなものが口を開けていた。
え?何だこれ?
「フォティー!なんかあったー!」
少し離れたところを捜索していたフォティは、ものすごい勢いで走ってきた。
そして壁にある漆黒のポータルを見て、俺を見ると、突然俺に抱きついてきた。
なんとかフォティを受け止めたが、俺は反動で床に押し倒されてしまった。
いや、これ、どういう状況?
フォティはというと「すごい、リード!天才!」と言っている。
いや、顔、近い…。
ヤバい、恥ずかしすぎる。同い年の女子に抱きつかれて、床に押し倒されるってどういう状況なんだよ?
フォティは恥ずかしくないのかな?と顔を見ると、ほんのりと頬が赤くなっていた。
いや、恥ずかしいんだったらなんで抱きついてきたんだよ?
いや、死ぬ。死んだ。心臓の音がやばい。絶対周りに聞こえてるって、これ。
そして最後にまた俺をギュッと抱きしめてから、やっとフォティは離れてくれた。別に嫌じゃなかったけど。
そして急いでみんなを呼ぼうとして曲がり角を曲がると、そこには鏡を持ったリグと、みんながいた。
え、もしや見られてた?そう思いながらフォティの方を見ると、顔が耳まで真っ赤になっていた。
いや、普通に可愛い。
そんなことを思っているとリグとセサに両手を持たれてホテアデスに両足を持たれ、俺は一つの部屋に連れてかれた。
バタン!
と音を立ててリグが扉を閉めると、俺を見た。
「リード。ポータルを見つけたのは、すごい。リイナが言うには、監禁場所に繋がっているらしい。しらんけど。」
「いやぁ、リードにも青春が訪れたねぇ。」
「このまま付き合えよ、リード。俺は賛成だが。」
…は?
「いやいやいや、今のは違います!違うんです!抱きつかれてなんていません!決してそのようなことはしていません!」
「いや、わかりやすいくらい動揺してるじゃん。」
「いやぁ、青春最高!」
「恋する乙女ならぬ恋するリード」
3人とも、俺のことをよーくわかってる。俺は今、ものすごく動揺して、めっちゃ恥ずかしい。
きっと、フォティも女子軍団に質問という名の尋問されているんだろう。
そんなこんなでその後一時間以上尋問された、フォティとリードだった。
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