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そして、別れの時間がやってきた。
カネンが持つビー玉のような球体。あれはリンが転がり落とし、ブラックが直してくれたものだ。
使い方は簡単、それを叩きつけるだけ。ただし、“帰る”分しか無いため、使えばこっちに来ることは無い。もちろん、すまない先生達から“行く”ことだって出来ない。
「・・・それじゃあ、元気でね?」
「銀さんも、立派な建築家目指してね!」
シロガネと銀さんはハグをした。
「・・・頑張れよ」
「バナナくんも、頑張ってね」
と、リンとバナナはグータッチをする。
「ハァー!!元気でやれよ!!カネンよ!!」
「バイバイ、カネンさん!短い間だったけど、楽しかったよ!」
「分かりましたよ。マネーさん。ブルーさん、私も楽しかったです。」
と、マネーとカネンは握手をし、ブルーとはハイタッチをした。
『ブラックさんも、研究頑張ってね!』
「・・・えぇ、貴方も、お元気で」
と、ブラックとクロンは手を振る。
「それじゃ!元気でね!」
「それはこっちのセリフ」
笑うオトに風夜は軽く頭をポコッと叩いた。
「じゃあな」
「はい」
と、レッドとギョクは握手をする。
「またなぁ!!会えたら一緒牛乳飲もうぜ!!」
「うん!いいよ〜」
と、赤ちゃんとミツキは手をニギニギとする。
「・・・それじゃあ、気をつけて」
と、すまない先生はミツキとギョクたちの頭を撫でた。
「・・・また、会えるかな?」
そうすまない先生は笑う。すると、ミツキはこたえた。
「・・・ここは、“パラレルワールド”の1種なので、もしかしたら“変わる”かもしれない、けどね」
ミツキの言葉にすまない先生は首を傾げた。そして、ミツキはすまない先生のネクタイを引っ張る。
「うわっ」
倒れかけたすまない先生の耳元でミツキはボソッと話した。
「 ────・・・」
「・・・」
パッとネクタイから手を離し、ミツキは笑う。
「またね!すまない先生!!」
その言葉と共に、カネンはその球体を地面に叩きつける。そして、ワープゲートらしい穴が上に空き、ミツキ達は穴へと吸い込まれて行った。
✵✵✵✵✵✵
そして、その場にはすまない先生達だけが残っていた。まるで、そこには誰もいなかったかのように、風が葉を空へと飛ばした。
「なんか、嵐みたいな子達でしたね〜すまない先生・・・すまない先生?」
そうこぼす銀さんに、すまない先生はハッとし笑顔を見せた。
『── “未来”で、待ってます』
「・・・“未来”か」
すまない先生は、ヤマタノオロチを倒すその後を考えたことが無かった。
(・・・あれがどういう意味かは分からないけれど、未来で会えるなら、もう少しだけ、頑張ってみようかな)
と、すまない先生は顔を上げた。空は清々しい青に、目が眩むほど眩しい太陽。すまない先生はそんな空を見上げた。
空には白い鳥が二羽悠々と飛んでいた。