テラーノベル
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あれから私はとても疲れている人とは思えない位の速さと力でロウ君を抱き抱え、家に帰って来た
家に入ると彼をベッドに寝かせ、私は風呂場へと向かう
浴槽にたっぷりの温かいお湯を張った
ベッドに戻りロウ君の汚れた服を脱がす
その身体を抱き抱え、風呂場に向かい浴槽にゆっくりと入った
私はタオルを手に取り、お湯で濡らしてからロウ君の顔を拭う
優しく‥‥
綺麗に‥‥‥‥
そして浴槽のお湯はみるみる赤く染まっていく
腹を見ると刃物で刺された痕
そして後頭部には殴られた痕
「痛かったよね‥‥」
綺麗になった身体をタオルで拭く
そして真っ白なバスローブを纏わせる
ゆっくりとその身体をまたベッドへと横たわらせた
「待ってて下さい。まだ必要な準備があるので」
眠るロウ君にそう話しかけると隣の部屋に移る
私が日頃、魔導士として使っている部屋だ
ここで儀式を行う
でもまだだ
いつもは呪文だけで良い
だが、この魔法だけは違う‥‥‥‥
私はロープを纏い外に出た
1番近くの家
ここにも居たはず
静かに柵を乗り越えそれに近づく
そしてナイフを取り出し、急所をひと突きにする
体は要らない
私が欲しいのは頭だけ
他を処分して頭を持ち帰った
まだ温かいその頭を祭壇の真ん中に供える
そしていつもとは違う魔導書を机に置いた
ベッドから愛する人を抱き抱え、祭壇前のセージを引き詰めた樫の木の上に寝かせる
これで揃った
私は魔導書を捲り、目的のページを開く
「もう直ぐですよ」
安らかな顔のロウ君へ声をかける
魔導書の呪文を唱える
そして用意した物を順番通りロウ君に充てていく
私は時の魔導士
たとえ私がどうなろうとも‥‥
あなたを助けてみせる
儀式が終わった
思った以上に体力が削られる
でもそんな事気にならない
「ロウ君‥‥」
まだ目が覚めない
「ロウ君‥‥起きて‥‥」
私はこの呪文を使った事がない
何故ならこの呪文は禁忌だったから
人を蘇らせることは禁忌になっている
でも構わない
もう彼なしでの生は考えられない
頭がクラクラする
嫌だ‥‥
ここで倒れる訳にはいかない
それなのに頭がぼんやりし始める
「ロウ‥‥君‥‥」
手を握るとその手が握り返してくれた様な気がした
だったら余計にこんな所で倒れてなんか居られない
嫌だ、やめてくれ
それなのに‥‥‥‥
ロウ君‥‥‥‥‥‥
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コメント
7件
最高です!頑張ってくれ、時魔道士!続き楽しみにしています!
𝒍𝒊𝒄𝒐𝒓𝒊𝒄𝒆 の時 こや が誘拐されて助けるためにヘリでアタックして自分まで犠牲にしてた時とちょっと重なって見えて、愛する人のためならなんでもするミラン...解釈一致すぎるます!続き楽しみにしています!