コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
Attention please
ストーリーに進む前に必ずご一読下さい。
このお話は日常組の脱獄のBLです。
作者の妄想です!
色々、捏造してます。
ご本人様方には全く関係ありません。
荒らし、アンチは固くご遠慮下さい!!
無断転載禁止!!
もう一度ご確認ください。
このお話は日常組の脱獄のBLです。
作者の妄想です!
また、作者はガチの初心者です。
お目汚しご勘弁を。
それでもよろしければお進みください。
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
リアぺん中連載 前編
「一局、如何ですかな」
メデューサ号 最上階
領主執務室に入室して来たのは
地下刑務所の老看守リチャード・ボロー
リチャ「一局、如何ですかな?」
ゴルゴン様と好々爺の様相で老看守は執務室の
一角にあるチェス盤に視線を流した
ゴ「儂に挑むか…老いぼれが」
忌々しげに吐き捨て睨め付ける
襲い掛かる重い圧にも動せず
老看守は席を勧めた
―――――――――――――――――――
1日前
メデューサ号 地下作業場 農場
ペ「ほら、ご飯だぞ〜」
懐いてくるニワトリの田中sにご機嫌で餌を与える
囚人番号8番のぺいんと
ガチャリ…
ペ「?」
突然、背後の扉が開いた事に
首を傾げながら振り返る
ゴ「…8番」
ペ「ッ…ゴルゴン様…」
のそりと入って来たのは仕立ての良いスーツに
身を包んだ領主様
一番、苦手としているゴルゴンに見られると
嫌悪感と警戒心が自然と働くのか
ギクリと8番の身が強張る
ペ「何の御用でしょうか…?」
ゴ「ふん!生意気な眼だ」
反抗的な言動に鼻を鳴らし8番に近づく
ペ「ッ」
縮められた分、警戒心も顕に後退る
縮まらない距離に顔を歪めるも口を開く
ゴ「まぁいい…8番」
ペ「?」
ゴ「儂の夜伽をしろ」
ペ「よ…とぎ?」
聴き慣れない単語を鸚鵡返し首を傾げた
ゴ「知らんのか?つまり、儂の夜の相手をしろと
言っている」
ペ「夜の、相手…って、まさか…」
ゴ「そうだ、儂に抱かれろ」
意味が解り血の気が引いていくのがわかる
何故、どうして…
頭の中は混乱で一杯だ
ゴルゴンは8番の反応に気を良くしながら
ニヤリと笑う
ゴ「明日の夜、迎えを寄越す」
必ず来い
ゴ「来なければ、9番と6番の日数を5日減らす」
ペ「そんな…!」
ゴ「嫌なら…どうすれば良いか判るだろう…?」
ペ「ッ」
仲間を盾にされ悔しさに唇を噛み拳を握る8番に
背を向けて作業場を出て行くゴルゴンの背中を
睨み付けた
ーーーーーーーーーーーーーーー
刑務作業場を巡回しながら異常が無いかと
備に視線を走らせるのはメデューサ号
地下刑務所の看守長リアム
リ「…?」
6番と9番の作業場を巡回し
最後に8番の居る農場までの通路を歩いていると
農場前の通路を領主のゴルゴンが通って行った
農場の通路はT字になっておりリアムはTの下棒に
当たる通路にいた為ゴルゴンは気が付かなかった
ようだ
何故、ゴルゴンがこんな処に居るのかと
訝しく思いながら嫌な予感がしたリアムは
農場へと急いぐ
リ「8番」
ペ「!?…リアム看守…」
扉を開けた先にいた8番は声を掛けられ顔を上げる
リ「…何があった?」
不安気な瞳に泣きそうに歪んだ表情
ゴルゴンと何かあったのは一目瞭然だった
ペ「…な、何も」
リ「そこでゴルゴン様が此方から歩いていくのが
見えた」
ペ「ッ…」
リ「8番」
ペ「…い、いや〜、ちょっと領主サマに
イキっちゃって」
怒られちゃいましたww
ペ「今度、やったらクロノアさん達の日数を
減らすって言われて」
リ「…そうか」
8番は仲間を大事にする
自分のした事で9番と6番に迷惑が掛かると
落ち込んだのだろう
何処か腑に落ちないながらも納得したリアムは
頷くとポケットからリップクリームを取り出した
ペ「あ…」
リップを見た8番は途端に頬を染め
恥ずかし気に視線を逸らす
リ「8番」
掌を上げ柔らかく呼び掛ける
未だに慣れないのか怖ず怖ずと差し出した
掌にリアムよりも小さな手を乗せる
軽い力でもって引き寄せれば抵抗無く
腕の中に収まる愛おしい温もり
期待を滲ませた美しい金色を見詰めながら
自身の唇にリップクリームを滑らせ
果実の様に甘い唇を食む
ペ「ん…ぁ…」
互いの唇を擦り合わせてクリームを塗り込め
開かれた先にある蜜を啜り柔い果肉を
絡め取り存分に味わう
ペ「ぁ…ッふ…んン…」
リ「!?」
何時も受け身だった8番がどうした事か
自ら舌を絡め、縋るだけだった手は
リアムの背を強く抱いてくる
リ「ッッ」
ペ「あっ…んぅ…ふぁッ」
積極的な恋人に煽られたリアムは
より強く8番を抱き締め貪る様に口付けた
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ようやく唇を離したのは随分と時間が
経ってからだった
名残り惜しい、このまま喰らってしまいたいと
唸る獣の声を聞かぬふりで
最後にと優しく啄んで力の抜けた8番を見遣る
リ「大丈夫か?」
ペ「はぁ…はぁ…はぃ…」
とろりと蕩けて桃色に染まった姿は
熟した桃の様でどこもかしこも美味しそうで
リ「食べてしまいたい…」
ペ「………いい…ですよ…」
無意識に零れた心の声だった
まさか8番から返事を貰えるとは思わず耳を疑う
リ「8番?」
ペ「っ…何でも、ないです…」
リ「……そうか…」
雰囲気に流されて頷いただけかもしれない
急ぐ事はないとその場は流したが
この選択を後悔する事になるとは
今のリアムには想像も出来なかった
あの時、抱いてしまえば
愛おしい人の身も心も
手に入れておけば良かったと…
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
現在 領主執務室
席に着いたリチャードは立った侭の
ゴルゴンに再度、席を勧め
リチャ「無論、タダでは領主様に失礼と言うもの」
ゴ「ほぅ…命でも賭けるか?」
リチャードの提案に興が乗ったのか
先程よりは話を聞く姿勢を見せた
リチャ「そうですな…”もし”私が敗けたら
以前、ゴルゴン様が仰られた通り」
職を辞しましょう
ゴ「成る程…ならば、儂が”もし”敗けたら?」
片方は挑発し
片方は嘲笑する
万が一など無いと…
リチャ「その時は、私の願いを
聞いていただきましょうかのぅ」
ゴ「……良いだろう」
暫し逡巡した後、頷いたゴルゴンはリチャードの
向いに着席し腕と足を組む
リチャ「では、始めましょうかの」
ニコリと微笑った老看守は闘いの火蓋を切った
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
12時間前
地下 囚人エリア
リ「おはよう」
ク「おはようございます〜」
ペ「おはよ〜ございます」
し「おはよ〜パン看」
リ「よし6番は朝食は要らんな
更にマイナス2日」
し「ええ!!?そ、そんな!」
相変わらずのやり取りに9番はクスクス微笑う
そんな中、1人8番からは何時ものツッコミみや
揶揄いもない
昨日、作業場から帰ってきてから何処となく
元気が無い
ク「べいんと?」
ペ「ッ何ですか?クロノアさん」
ク「大丈夫?」
考え事をしていたのか呆けていた8番は
9番に呼ばれて慌てる
心配させまいと思うのに
何時も気を遣ってくれる9番に笑顔を見せる
ペ「大丈夫ですよ!」
今日も頑張るぞ〜
空元気でも仲間達を何より大好きなあの人に
心配をさせない為に微笑った
ク「……」
9番は牢屋から出されて説教をされて
また、しているリアムと6番に視線を向ける
やはり二人とも8番を観ていた
ぱちりと合った3つの視線は頷き合う
リ「食べたら、作業場に向かうぞ」
囚人組はは~いと返事を返し朝食に齧り付いた
・・・・・・・・・
8番を先に作業場へと送ったリアムは
牢屋で待っている9番と6番を作業場ではなく
看守の詰め所へと連れてきた
し「ここって入っても大丈夫なんですか?」
ク「初めて入ったね〜」
適当にソファへと座らせると飲み物を
テーブルへと置いた
リ「無論、デスクの書類などは触るな」
それ以外もお触り厳禁を言い渡され
ですよね~と微笑った処で本題へと入る
リ「何時から可怪しかった?」
し「多分ですけど、昨日の作業終了後には…」
ク「そうだね、迎えに来てもらった時には
もう元気なかったもんね〜」
昨日、作業終了後に合流した時の8番の顔は
何処となく暗かった
心配した9番と6番はそれぞれ声を掛けたが
大丈夫の一点張りで埒が明かない
その時の担当看守はステイサム看守だった
詰め所に戻ってきたステイサムは
リアムに8番の様子が可怪しかったと報告し
『顔色が悪いと言うか…暗いと言うか…何かな…』
ステイサムも8番が心配なのだ
『兎に角、気を付けてやれ』
頷いたリアムはやはりゴルゴンと
何かあったのではと睨んでいた
また、怪しい取引を持ち掛けられ困って
居るのではないかと9番と6番を連れてきたのだ
リ「最近、ゴルゴン様に取り引きなど
持ち掛けられなかったか?」
二人は顔を見合わせ首を振った
し「最初の頃は色々と持ち掛けられましたけど…」
ク「最近は全く」
あれ程しつこかった取り引きはここ数日全く
音沙汰がない
余計な事で煩わされずに済むと
3人で喜んでいた処だったというのに
リ「……わかった。6番は作業に戻れ」
し「わかりました」
リ「スティーブに送らせる」
スティーブ看守に連絡を取り6番を詰め所の外扉に待たせた
リ「9番」
ク「さっきの取り引きの件は本当です」
いよいよゴルゴンの取り引き内容が怪しくなって
きた時、9番は自身と仲間の命が保証されないで
あろう事を察して秘密裏にリアムやステイサムと
情報を共有していた
この事は8番にしか明かしていない
うっかり癖のある6番は知らぬ事
その方が安全だからと8番と話し合った結果だった
リ「…ゴルゴンが昨日、8番に接触していた」
ク「!?」
リ「8番に問い詰めたが、イキって注意をされ
次はお前や6番の日数を減らすと言われたと」
それで落ち込んでいるのかと思ったのだが…
ク「…多分、半分ホントで半分はウソじゃないかと」
少し考え込んだ9番は8番の思考を
推察しそう口にした
リ「と、云うと?」
ク「俺の推察でしかありませんが…」
構わないと促す
ク「恐らく、ゴルゴンにイキったのはウソで
俺としにがみ君の日数云々はホント」
リ「……つまり、何かしらの取り引きを
持ち掛けられ断ったら
お前達の日数を減らすと言われた」
ク「…若しくは、取り引きでは無く
別の…例えば、命令されている…とか」
何方にせよ8番が話してくれなければ埒が明かない
一体、何を言われたのか
ク「…リアム看守」
少しの間、口を聞かないでください
リ「何を…」
ク「ぺいんと〜?」
ペ『は〜い、どうしました?クロノアさん』
時計型GPSに話し掛けると
作業場に居る8番が返事を返してきた
ク「今さ、ゴルゴン様が来てぺいんとの事」
聞かれたからさ、何かあったかな〜って
ペ『ッッ』
ク「ぺいんと?」
ペ『な、何でもないです…』
ク「本当に?」
ペ『クロノアさん…』
常よりも低い声で問い詰めるように返すと
困った様な8番の弱々しい返事
ク「ねぇ、ぺいんと。お願いだから1人で
抱え込まないで」
ペ『………』
ク「心配なんだ。
俺達、仲間でしょ?もっと頼ってよ」
何の為に俺達がいるのさ
それに…
ク「ぺいんとに何かあったら」
トラゾーに顔向け出来ない
仲間内でトラゾーは特にぺいんとと仲が良かった
誰よりもぺいんとの幸せを願っている彼に
ぺいんとに万が一があった時、なんて言えば良い
ペ『……クロノアさん…』
ごめんなさい…
ペ『お、俺…ゴ、ゴルゴンにその…』
漸く話す気になったのか重い口を開く
しかしモゴモゴと濁す8番
余程の事を言われたのだろう
ペ『…その………をしろって…』
ク「え?なに?何をしろって?」
ペ『夜伽』
ガタン!
まさか、そんな事を要求されていたとは
リアムの表情が見る間に怒りに染まる
ク「リアム看守!落ち着いて下さい!」
通信機から口を離し小声でリアムを宥める
リ「此れが、落ち着いていられるか…っ」
昨日のあの時、8番の不安気で泣きそうな表情
積極的な行動と
『………いい…ですよ…』
返ってきた返事はこの所為だったと気が付く
奪われてしまう前に少しでも早く
リアムに”初めて”を捧げようとしてくれていたのだと
直ぐにでも8番の元へと動き出した処に
ステ「ストップ。リアム」
リ「ステイサム看守」
背後からリアムの肩を掴んだのは
副看守長のステイサムであった
リチャ「ほほ…何やら取り込んでいるようだの」
その更に後にはベテラン老看守のリチャードも居た
ステ「9番、スティーブを向かわせた」
牢屋に戻って良いぞ
ステ「戻って、8番の話を聞いてやれ」
ク「…わかりました」
ステ「通信機は此方と繋げておいてくれ」
頷く9番を見送って額を抑えているリアムを
ソファに座らせた
リ「…ステイサム看守、知っていたのですか?」
ステ「いや、知らん」
リ「では、なぜ…!」
向いのソファに腰掛け煙草に火を点けた
ステイサムは紫煙を吐き出した
ステ「お前があんな顔してる時は
頭に血が登っている時だ」
違うか?
リ「ッ!」
ステ「それじゃ、解決する話もしなくなる」
リ「………」
リチャ「そうじゃの…先ずは」
話を聞こうかの
ステイサムの隣に座ったリチャードが
柔らかく微笑ってリアムを促した
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
現在 領主執務室
先ずはポーンを進める
先手はリチャード
白のピースを一歩前へ
ゴルゴンも同く黒のピースを前に出す
ある程度進むと戦局が変わってくる
リチャ「懐かしいですな」
ゴ「何がだ」
ナイトを使い邪魔な白のポーンを退ける
リチャ「数年前迄はチェスを
刺していたではありませんか」
ゴ「そうだったか…?」
縦線上に来た黒のナイトをルークで退ける
リチャ「年に数度、ゴルゴン様がわざわざ
この老いぼれの元にまで来てくださって」
ゴ「………忘れたな」
リチャ「そう言えば、お嬢様はお元気ですかな?」
急に話題を変えられ眉を寄せる
ゴ「元気だと思うが…」
リチャ「ご存知ではないので?」
ゴ「使用人から報告は来ている」
煩わしいと隠しもせず睨め付け
白のルークをビショップで退ける
リチャ「…お変わりになりましたな」
ゴ「あ゛?」
リチャ「お嬢様の誕生を誰よりも待ち望み
お嬢様が産まれた時の歓びは
それはそれは大きかった筈」
娘が産まれる少し前にゴルゴンと
一度チェスをした
その時の彼は世界一幸せ者だと微笑っていたのに
リチャ「一体、何が貴方を変えてしまったのか」
ゴ「人間は”かわる”。どんな人間も」
儂の様に”かわって”しまう可能性がある
ゴ「それだけだ…」
その時のゴルゴンの瞳はとても深い闇が
あったように見えた
中編へ続く