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こんちゃ〜rainaで〜す!書いていく!
私、美雨の午後の授業は、いつも眠気との闘いだ。得意な英語であろうと苦手な算数であろうと関係ない。
毎日と夜遅くまで大好きなアニメを見ているせいで常に寝不足なのだ。
「美雨。また寝てたでしょう?おでこにノートの痕がついてるよ。」
親友の紗穂が休み時間に笑いながら声をかけてきた。
「だって、今週のアニメは見逃せないし、全部リアタイで見たいんだもん。」
「わかる。今週は見逃せないよね〜。」
「でしょ。これは夜ふかしするしかないって。」
「そだね。(笑)」
そう。私達は中学校で、漫画とアニメが好きという共通点があり、すぐ仲良くなったのだ。
だから、こうして休み時間はアニメや推しのことを話したりして、休みの日は限定グッズを買いに行こうなんて話をしている。
「美雨。あんたまた夜遅くまでアニメ見てたでしょ。」
「お母さん。アニメは私の命の次に必要なものなんだから!もう誰にも止められない!」
「はあ。頼むからテストで赤点だけは取らないでよね。」
「はい!アニメという勉強をします!」
「アニメは勉強じゃないわよ。」
こんなこと言ってるお母さんだけど、しょっちゅう推しアイドルのライブに行ってるの、知ってるんだから。
「ところで雪華ちゃんは元気にしてる?」
「雪華?………クラス違うしわかんない。」
「そう。………..」
雪華とは、近所に住んでいる幼稚園からの幼馴染の女の子だ。
真面目で、でもおしゃれが好きでとっても可愛いのだ。メイクもとても上手い。
だが中学生になって、紗穂という友達ができてからしばらく会っていない。ケンカをしたわけではなく、ただ、趣味が違うのだ。
「あれ?美雨だ。こんな時間に何やってるの?」
ある日の放課後、1人で教室にいると、誰かが声をかけてきた。
声の主は………….雪華だ。今日の髪型もメイクも凝っている。
「雪華こそ。こんな時間に珍しいね。」
「私はこのとうり、沢山の個別のプリントを出されたところです…………。」
「マジか(笑)」
「雪華は?」
「髪の毛を染めるな。って怒られてた。」
「え!?」
雪華の色素の薄い髪色は生まれつきで雪華のお母さん譲りだ。決して染めているわけではない。
「違うって言ったの?」
「うん。」
「ま、先生にはこの髪の良さはわからないよ。」
「そっか。」
なんかもやもやする。
「美雨も頑張れ!はい!」
と言ってチョコをくれた。よし、ラスト1問。頑張ろう。
「昨日の最終回は感動的だった。永久保存決定。」
「それな。泣きすぎて目腫れた。」
「私も。涙枯れるかと思った。」
「腫れた目見てたらまた泣きそう。」
「マジでそれ。」
そう、昨日の夜、お気に入りのアニメが最終回を迎えたのだ。私達は腫れた目を見てまた泣いた。
今は休み時間なため、何を話してもいいはずなのだがそれが気に入らない奴もいる。
「ま〜たオタク2人で騒いでるよ。うるせえ〜。」
後ろからそう言ったのは口が悪いで評判の小坂豪太だ。
私達の趣味に文句をつけてくる最低なやつだ。だがいつも無視している。ところが…….
「小坂。あんただってサッカーオタクでしょうが。毎日サッカーの話でうるさいって聞いたことあるけど?」
と高く、涼やかな声が教室に響いた。声の主は………雪華だ。
「せ……雪華ちゃん!?ど..どど..どうしてここに…….。」
「なんでもいいでしょ。」
クラスのみんなは豪太が雪華のことが好きなのは当たり前に知っていたので、クスクスと笑う声も聞こえる。
「た….ただ俺はアニメの話がうるさいなって思っただけで………。」
「私もあのアニメの最終回見て泣いたけど?おかげでメイクに時間かかって遅刻するとこだったわ。」
サッカーのエースも雪華の前では完封負けのようだ。でも、雪華が最終回見たって…?
「美雨たちに謝って!」
「ご…ごめんなさ〜〜〜い。」
「ふう。」
雪華が一息ついたところで私は声をかけに行った。
「雪華。」
「ん?なに?」
「なんで助けてくれたの?」
すると雪華は大きく目を見開いてこっち来てと廊下で手招きをしていた。
「覚えてないの?」
「なにが?」
「はあ。幼稚園で私が服を男子に笑われて泣いたとき、美雨が雪華ちゃんは可愛いもん!って言ってくれて…..。」
「ふむふむ」
「それがとっても嬉しくて、私達はずっと味方だよって約束したの。覚えてない?」
「ああ〜〜〜〜あの約束か!」
「もう!美雨ったら。」
「あははは…ところでアニメ見て泣いたって…。」
「うん!美雨が楽しそうに喋ってたから見てみてみたらハマっちゃって。」
「そうだったんだ………。」
「あのさ….。」
「ん?どうしたの?雪華?」
「今度一緒に遊ばない?」
「..うん!いいよ!」
「ありがと。」
「今度私にそのアイメイク教えてくれない?大泣きしたとき使えそう。」
「いいよ!」
こうして私達は大親友になったのでした。