第3話「誰もが憧れる存在」
Kr視点
👤
「Black-Xさん入りまーす!!」
俺達が帰ろうと楽屋を出た瞬間、近くのスタジオの方からそんな声が聞こえた。
🐼
「え!Black-Xだって!ちょっと覗かん!?」
🦈
「いや覗くって…笑」
📕
「僕も気になるしちょっとくらいいーんじゃん?」
👓
「俺も気になるわ。」
Black-Xとは、俺達と同じ事務所に所属する先輩アイドルグループだ。しかし、ただのアイドルグループではない。
彼らは俺達の目指すアイドルグループであり、この業界のトップレベルの世界で生き抜く人達だ。
そんな存在が気にならない訳もなく、4人揃って声が聞こえたスタジオの中を覗いた。
別に言えば見学くらいさせてくれるだろうけど、まだまだ新人の俺達にはちょっとハードルが高いからこうせざる得ない。
🎤
「よろしくお願いしまーす。」
爽やかな声が響くや否や、スタジオの雰囲気が変わる。
気が引き締まったような、ミスも許されないようなそんな雰囲気。威圧がある訳でも、ギスギスしてる訳でもないのにそう思わせられた。
🐼
「あ、あれきんときさんじゃん!!(小声)」
📕
「Nakamuの推しでしょ?(小声)」
🐼
「そう!(小声)」
爽やかな声で入ってきたのはBlack-XのNo.2を誇る爽やかイケメン王子様、きんとき。
整った顔立ちも泣きぼくろも特徴的なのだが、何よりいいのはその歌声!!その透き通った歌声は甘さもあればかっこよさもあって、一度聞けば誰もが虜になる!!その上ライブでのファンサ率も高くて本物の王子様のような対応で魅せる素晴らしいアイドルだ!!(ここまで一息)
あの人がNakamuの推しらしい。
なんだよお前もアイドルオタクじゃん。(ただのファンです)
🦈
「1人いなくないか?(小声)」
🐼
「ほんとだ、4人しかいない。(小声)」
📕
「あ、来たよ!あの人だ!!(小声)」
Broooockの声につられて先程Black-Xの人達が出てきた扉へ目を向ける。
そしてその瞬間息を飲んだ。
😊
「……」
誰もが彼に釘付けになる。
煌びやかに輝く衣装を完璧に着こなす容姿に、落ち着きのある低音。
周囲を全て自身を引き立たせる為の道具にしてしまう程のオーラ。
圧倒的強者感がこの場の空気を全て変えた。
いや、圧倒的強者感じゃない。
彼こそがこの世界の覇者であり王だ。
😊
「Black-Xのスマイルです。本日はよろしくお願いします。」
彼の名はスマイル。
俺達アイドルのまさに頂点であり憧れの人。
向けられたカメラの数も羨望の数も桁違い。彼の顔を見た事がない人なんているかどうかすら怪しい。それ程までにメディアに露出し、名前を轟かせた人。
周囲は彼をトップアイドルと呼ぶ。
👓
「か、かっこいい….!!! 」
そして俺の目標であり、最推しだ。
👤
「あれ、君達まだ帰ってなかったのかい?」
🐼
「あ、マネージャー!ちょっとBlack-Xが気になっちゃって…」
📕
「やっぱ見てちゃだめですか?」
👤
「見てるのはいいけど、今度ライブで共演するから練習したいって言ってなかったか?」
🦈
「そーじゃん。」
🐼
「や、やっぱり早く帰ろ!!マネージャーお疲れ様でした!」
そう言って慌ててその場を後にしたNakamuに続くように俺達も駆け出す。
実は再来月に控えるSTARs☆芸能事務所主催のライブにBlack-Tailsは勿論のこと、俺達White Tailsも出演することになっている。
しかも俺達の最近の人気やマネージャーの強い押しもあって、『新生アイドルグループ”White Tails”×トップアイドルグループ”Black-X”の共演ステージ』なんて夢のような企画が舞い込んできたのだ!!
トップアイドルの隣に並ぶのにこんな悠長なことはしていられない。
👓
「帰ったら曲の確認とダンスの通し練習しようぜ!」
🦈
「俺細かい振りのタイミング確認したいわ。」
📕
「じゃあ今日はダンスメインでやろ〜」
🐼
「じゃあさっさと帰って練習だー!」
😊
「……」
🎤
「どうしたのスマイル、なにか気になることでもあった?」
😊
「なんか面白いやつらがいたな、って。」
🎤
「さっき覗いてた人達?確かに覗く割には全然隠れられてなくて面白かったけど…どうせすぐ会えるしそんな気にしなくてもいいんじゃない? 」
😊
「まぁ、そうだな。」
To be continued.
コメント
9件
....(過呼吸now)....
どうしてこんなに神作品を出せるんですか???凄いです👍✨
きりやんが繋がりたくて芸能界に入ったとかじゃなくてしっかり目標にしてるの人の良さが現れてる😊 アイドルが恋愛...同性愛者とかも世間的にはマズイけどこれからどうなるんだ...?楽しみすぎる((o(。>ω<。)o))