第4話「凍てつくような牽制」
Kr視点
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「っは〜!!疲れたぁ…」
あれから数日後。
バラエティ番組の収録を終え、スタジオから退出する。
この収録は以前共演した方の推薦で呼ばれたものなので、出演は俺1人。周りが凄い人しかいない緊張とそんな人達に会えた興奮で普段よりも一段と疲れが酷かった。
しかもこの収録現場、普通にテレビでよく見る人達も出入りする有名スタジオなんだよ!?もう周りから感じるカリスマ性とオーラのせいで押し潰されそう…
そんなことを考えていると、ちょうど通り過ぎた部屋から大きな物音が聞こえた。人が倒れたような、そんな音が。
少し気になって数歩ほど後ろに戻ると、今度は怒鳴り合うような声が聞こえた。
もしかして中で言い争ってる…?
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「もしかして聞かない方がいい感じかな…?」
😊
「──いいよ俺はもう帰るから…」
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「ちょっ、スマイル待って…!!」
😊
「あっ…」
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「えっ…!?」
その場を立ち去ろうとした瞬間、ガチャリと扉が開いて中から人が出てくる。その顔に俺は見覚えがあった。
いや見覚えどころじゃない。
脳裏に浮かぶほど、穴が空くほど見つめてきた顔だ。
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「スマイルっ…さん…!?」
😊
「あ、えっと…急いでるんですみません。」
スマイルの顔に見とれていると、彼はそう言ってそそくさとその場を後にした。
俺はと言えばあまりの衝撃にその場を動けず、彼の背中を見つめるだけになってしまった。
中から聞こえてきたのはもしかしてスマイルの声?
いや、スマイルが大声を出すイメージが無さすぎる。長年オタクしている俺からして、天変地異が起こったのかと思うほど彼は無口なのだ。
🎤
「ごめん、追いかけてくるね──」
「スマイルr──ってあれ、もういない…」
俺が立ち尽くしていれば、扉からきんときが顔を出す。
誰もが称賛する爽やか王子様は辺りをきょろきょろと見回す。どうやらスマイルを探しているようで、何回か首を振ってから目の前に立っていた俺に声をかけた。
🎤
「えっと、きりやんさんですよね?」
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「あ、はい!…え、知ってるんですか?」
🎤
「知ってるも何も同じ事務所でしょう?」
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「ま、まぁ確かにそうですね…」
🎤
「それよりスマイルどこ行ったか知りませんか?」
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「スマイルならさっき見ましたけど追いかけてきましょうか?多分何となく行った方向はわか── 」
🎤
「いい。」
凛とした声が俺の言葉を制す。
それと同時に穏やかなきんときの雰囲気が凍てつく冷たい雰囲気に変わった。
氷のような海色の瞳とミリ単位で動かず真っ直ぐに結ばれた口元に、中々聞く機会のない圧のある低音。
何かを牽制するかの如く、彼は言葉を続けた。
🎤
「スマイルは俺が迎えに行くから要らない。」
👓
「ぁ…」
🎤
「スマイルに会いたいのか何なのか知らないけどさ。」
「──あいつは俺のだから、近づかないで。」
はっきりと嫌悪の乗った声に俺は気圧され数歩後ずさる。
初めて見るきんときの知らない一面に動揺を隠すことは出来なくて、どこかに覚えたはずの違和感には気づけなかった。
そのままきんときは俺を一瞥してからスマイルが去っていった方へと走り出す。
その後ろ姿はさながら王子様のようだった。
To be continued.
コメント
8件
ぬわ、本当に最っ高です。。。。。。。。。。。 knsmにkrsmも兼ねてるなんて尊いの権化ですよね???((
はい、可愛い。好き︎💕︎︎💕︎︎💕︎ ほんとに何回読んでも心にくるよぉ😭😭ほんとドルパロ最高……😇もちろんみるぴの作品自体が最高🥳つまり最強だ!!!
きんさんに冷たくされる世界線ってどこっすかッ!!!