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「ちょっと!ワトソンくん?」

「聞いてんの!?」

日菜…?

なんで…

生きてる?轢かれた筈じゃ…

僕は目を疑い、咄嗟に…と言うか無意識の内にスマホを見た。

「12月…3日…」

それは日菜が事故死する前の日にちだった。

「どうしたの?ワトソンくん」

「そんなにスマホ見つめちゃって」

「日菜…日菜ぁ泣」

「えぇっ!?どうしたのワトソンくん!?」

僕は涙が溢れ出るのを我慢出来ずにその場で号泣してしまった。

そこが学校だとも気づかず、周りから注目されてるとも気付かずに。

男として情けないとは思っているが、こんなにも嬉しくなったのは初めてだったから。

「ちょっ!?ワトソンくん!一体どうしたの!?」

日菜が焦りながら声を掛けてきた。

日菜が死んでからは日菜の声なんて二度と聞けないと思っていた。

だけど今は目の前にいる。

目の前で生きて喋っている。

「日菜」

僕は日菜の手を引いて屋上まで走っていった。

そして。

僕は震える声を必死に絞り出し、日菜に向き直った。

「日菜、君の顔はなにがあろうと世界一美しくて、君の性格は誰になんと言われようと何よりも綺麗なんだ」

今まで言えずにいた言葉。

今まで言いたかった言葉。

「え…」

日菜は泣いていた。

僕は驚いた。そんなに嫌だったのだろうか

僕はいけないことをしたと思いいまさっきの言葉を撤回しようとした時

日菜が言葉を発した。

「私…綺麗なの…?」

僕は一瞬固まった。

嫌われたと思っていたから。日菜からそんな言葉が出てくるとは思っていなかった。

「うん。綺麗だよ」

「私、1度言ったら聞かないわがままだよ?」

ああ、知っているさ。

君は1度言ったら必ず決行する、真面目だった。

「私、すぐ泣いちゃうよ?」

それも知ってる。

前の記憶の時に日菜は何度も泣いていた。

「私…顔に痣があるんだよ…?」

ああ、知っているとも。

僕は…

「僕は君の全てが、例え顔に痣があろうとも、泣き虫でも、我儘でも、君のためならなんだって出来る。だから日菜」

君は僕の太陽だった。

こんな犯罪者の僕でも君にだけは救われた。

君の為に生きたいと本気で思えたんだ。

「日菜さん。僕と結婚してください」




























「はい…泣」



僕が君の心臓を食べるまでの物語 end


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