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勇斗side
成り行きで柔太朗とホテルに泊まることになった。
遠征先で何度か相部屋になったことがあったし一緒に泊まることに抵抗はなかった。
そもそも柔太朗の体調が悪かったし、俺も酔っ払っていたからタクシーに乗って帰るのは無理だったと思う。
ぐったりした柔太朗を支えてソファに座らせると浴槽に湯をはる。
水を持って戻ると柔太朗を風呂へ入るように促した。
まだ青白い顔をしていたけど、一緒に入るかと聞いたらめっちゃ睨んできたからたぶん大丈夫だろう。
脱いだ服をランドリーサービスに頼んでから外の景色を眺める。
深夜を回っても街の明かりは賑やかだった。
夜中になると真っ暗で6月には蛍が飛ぶ地元が恋しい。
それにしても今日のことを仁人に教えてもらって助かった。
業界にはいろんな人がいて、そういう趣味の人がいるってことも知っていたはずなのに…
後悔が込み上げる。
柔太朗の体調を心配してたつもりだったけど、まさか自分が原因だったなんて。
俺、馬鹿すぎだろ。
シャワーの音がやけに大きく聞こえた。
しばらくして窓ガラスにバスローブ姿の柔太朗が映ると静かに俺の横にきた。
「ここ、すげーキレイだな」
🤍「うん…高かったでしょ」
「まぁ、俺ら頑張ってるし。たまには贅沢してもいーんじゃね?」
🤍「稼いでる奴は言うことが違うね」
クスッと笑った弾みで撫で付けた髪が一房落ち、毛先からポタリと水滴が垂れた。
雫がきれいに浮き出た鎖骨から胸元へ流れて行くの目で追う。
ふと血が滲みそうなくらい赤くなった胸元が気になり手を伸ばすと、柔太朗が少し痛そうに顔を歪めた。
🤍「……いっ…た」
…なんつーのかな、儚げで危うい色気?
Bじゃなくても苦痛に顔を歪ませて耐えている表情をもっとみたいと思った。
その白い肌を俺の手で赤く染めあげて、切ない声で泣かせてみたい…
そんな心の奥の嗜虐心をくすぐられた。
🤍「…勇ちゃん?」
不意に柔太朗に顔を覗き込まれる。
視線を向けるとバスローブの隙間から淡い色の小さな乳首が覗いていた。
「…ぅわっ!」
🤍「…うるさっ…何?」
「ちくび!…いや、えーと…なんだ?あ、ボタン。柔太朗右のボタン見えてるからっ」
🤍「はぁ!?」
「早くしまって」
目を手で覆い隠して反対を向くと持っていたタオルを押し付ける。
🤍「勇ちゃんがパンツも全部クリーニングに出したんじゃん」
「そうだけど」
🤍「合宿で一緒に風呂入った時とか見てるだろ」
「見たけど。それとこれは別なの!」
🤍「…同じだよ」
「最初から見えてるのと、チラリズムは違うから」
ぶつぶつ文句を言いながらバスローブの紐を締め直す音が聞こえる。
🤍「意味わかんないんだけど」
「足も絶対開くなよ」
🤍「はいはい」
「はいは一回」
🤍「はーい」
…という懐かしい話。
あの時俺は全然眠れなくて月明かりに照らされた柔太朗の横顔をずっと見てた。
うなされる度に頭を撫でて、もう大丈夫だと優しく声をかけてさ。
『もう悲しい思いはさせない。俺が守る』って決めたんだ。
それと同時に、柔太朗に対して欲望も自覚した日でもあった。
「…てかさ、言ってなかったけど次の日柔太朗ケツ出てたからな」
🤍「え、嘘…」
「これはマジ。お前ってさ、意外と寝相悪いよな」
あの時の写真を今でも時々見てるのは秘密だけど。
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