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3 - 言えない不安

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2025年04月14日

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第3話『言えない不安』(omrside)


「ねぇ、元貴って何歳だっけ?」


唐突だった。

涼ちゃんが俺を見ながら、そう訊いてきたのは、

ある夜、3人でご飯を食べていた時。


「……え?なに、急に」

「いや、なんとなく。ちょっと思い出せなくて」


笑ってるけど、その目は、どこか曇ってた。

俺は笑い返せなかった。


ここ最近の、涼ちゃんの“抜け”は、ちょっと変だった。

お酒の名前を何度も訊き返したり、

同じ話を1日に3回してきたり。

最初は「天然かよ」って笑ってたけど、

正直もう……笑えなかった。


怖かった。

だって涼ちゃんは、俺が憧れてた、いつも頼れる最年長で、

ミセスの“中心”だった人なのに。


そんな人が、

今、目の前で自分の年齢もわからなくなってる。


若井も、もう気づいてると思う。

けど俺たちは、誰もまだ口に出せていない。

この“違和感”を、言葉にした瞬間、

何かが崩れてしまいそうで。


……なのに、言いたくてたまらない自分がいる。

「病院、行こうよ」って。

「ちゃんと診てもらおう」って。


でも――言えなかった。


なぜだろう。

涼ちゃんの、あの穏やかな笑顔を壊すのが怖かったのかもしれない。


「涼ちゃん、ほんと最近ぼけっとしてんね」

若井が冗談っぽく言うと、

涼ちゃんはまた、「だめだな、ぼく」って、笑った。


その笑顔が、いつもよりずっと細く見えたのは、

気のせいだったのかな。


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