今日は流星群の日。
予定だと結構来るらしい。
涼ちゃんと2人きりで見るって約束をした。
2人きりというのが嬉しくて、楽しみだった。
なのに――
元貴「涼ちゃん?」
涼架「むにゃぁ……」
元貴「涼ちゃん!」
涼架「んん……うるさい……」
涼ちゃんが寝ようとしているのだ。
元貴「流星群見よって約束したのはどっちだよ!」
涼架「僕……」
元貴「約束守ってよ!」
涼架「んん……だって、眠いんだもん!」
涼ちゃんには約束は守るものという価値観はないのか……
元貴「昨日夜更かしした涼ちゃんが悪いでしょ!」
涼架「えぇー!?元貴だって起きてたじゃん!」
元貴「俺は大丈夫なの!」
涼架「知らないよ!元貴が寝ようとしないから一緒に起きてあげたっていうのに……」
こいつ……折れないな。
絶対負けを認めないタイプか……
ていうか一緒に起きてあげたっていうか勝手に起きてただけだろ!
涼架「僕、寝る!」
元貴「起きて!一緒に見るんだもん!」
涼架「やだ!じゃあ流星群来たら起こしてよ!」
来るまで寝る気か……
まぁ、それなら大丈夫か。
涼ちゃんの機嫌をこれ以上損ねる訳にも行かないし……
元貴「まぁ、それならいいよ。」
涼架「やったー!じゃ、おやすみー!」
涼ちゃんに感謝の心は無いらしい。
そのまま涼ちゃんは寝てしまい、俺は暇つぶしにスマホを見始めた。
元貴「……ん?あ!流星群来てる!」
ヤバいヤバい、涼ちゃん起こさないと!
元貴「涼ちゃん!流星群来てるよ!」
涼架「ほぇ……?あ!ほんとだ!」
涼ちゃんと見上げた空は無数の流星で満たされていた。
1つ、また1つと流れてゆく星。
元貴「キレイ……」
思わず漏れた言葉に涼ちゃんも、
涼架「だね……」
と同意した。
今まで見た事ないような流れ星で埋め尽くされた空は、
何よりも綺麗で何よりも素敵だった。
そうだ!お願いごとしないと!
えっと……えーっと……
いつか涼ちゃんと幸せになって……
恋人として今以上の幸せを掴めますように。