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どうも
甘々かわいいよね、かわいいよね!!!!!
それに加えて主の大好物の生理男子も加える。
🐮✖️生理男子🐱
どうぞ!
1人の部屋に泣き声が響く。
光が漏れているカーテンは朝からずっと閉められたままだ。
おなかがいたい。
ただそれだけ。
下に履いているものがどろどろして気持ち悪い。
俺は男のくせに生理がくる。通称生理男子。
生理がくるということは子宮があるということ、なんだろう。まあ言えば男であっても妊娠できるのだろう。だけど俺は絶対妊娠なんかしない。
だってよく聞くじゃん。
男が出産したら死ぬぞって。
帝王切開とか聞くけど、怖いじゃん?
そんなの嫌だし。ていうか死にたくないし。
「っ、はぁ、」
数分おきにくるずきずきとした痛みは全然ひかない。薬を飲んでも全く効く気がしない。
え、いつからこんなことになったかって?
んー、最初に女の子の日がきたのは5年?くらい前、かな。
みんなで実況中にどろっとした違和感を覚え、トイレで確認したらパンツにとんでもない量の血がついててビビった。
血尿?とか思ったけどそういう次元じゃなかった。
だって尻から出てたもん。もう察したよ。
まず生理ってものは中学校とかで保健体育で習ったっきりで全然覚えてなかったし。存在しか知らなかったからさ。病気かなって。
あの時はすっげぇ慌てたなぁ、懐かしい。
「ぅ、うぐ、いった、」
そんなふうに誤魔化しても全然無駄。痛い。
朝からずっと横になってるし、薬だって飲んだし、お腹もあっためてるのに。
こまめにトイレに行くのももう疲れた。
いつもはすぐ治るのになぁ……
「ぐすっ、あ゛ー、っふ、はやく、かえって、こいよぉ、っ、ずびっ、」
もうなんか嫌になってきた。
相変わらず俺以外に音を発しているものはない。廊下からも音は聞こえず、ただ寂しさが襲ってくる。
数時間前に出かけて行ったあいつ_うっしーは全然帰ってくる予感がしない。
うっしーと俺は恋人だ。彼から告白されたのだが、俺はその時自身が生理男子ということは伝えてなかった。説明すると、生理が来る俺のことを否定するわけでもなく「俺がちゃんと支えていきたい」と真剣に言ってくれたから、もちろんOKを出した。そして付き合っている状態である。
そして、だ。いま俺たちは喧嘩をしている。
あーあ、やっぱりちゃんと謝ってたらよかった。
そうやって後悔しているのにももちろん理由がある。言っても簡単な痴話喧嘩だが。
うっしーさ、わざわざ朝から体調の悪い俺のために色々買ってきてくれるって言ってたのにさ、俺なんか怒っちゃったんだよね。
よくいうじゃん。生理の時は体調と機嫌が悪くなるってさぁ。俺もコロコロ機嫌変わる人だからさ、なんかあの時イラッとしちゃって怒鳴っちゃったんだわ。
ー「なぁ、やっぱり横になってた方がいいって。ほら、寝室行ってこい。」
ー「…なにそれ、俺にいなくなって欲しいだけでしょ?どうせ俺のことなんて嫌いなんでしょ?もう、うっしーなんて、だいっきらい!!」
今思えばなんで怒ってしまったのか全くわからない。
彼は俺の心配をしてくれていたのに。なんか、なんでだろ。
ー「…お前こそなんだよ、それ。あーあ、心配して損した。じゃ、ちょっと外出てくるから。精々安静にしとけよ〜。」
椅子に垂れていた彼の鞄をひったくるようにして出て行ったうっしー。
そんな彼の後ろ姿に「やっちゃったな〜」くらいしか思えなかった。
そんなことを思っていたらどんどん腹の痛さが増してきて、布団に潜った。
そして最初の状態って感じ。
今は布団にくるまって湯たんぽ抱いて寝てる。
なにしても痛み引かないからさ、もう疲れた。
喉も渇いたけど今立ったらやばい気がする。
「いたっ、っん、ふっ、」
痛みに耐えるこの声も聞きたくない。痛さ倍増するしなんか嫌だ。
あー、もう、やだ。悲しくなってきた。涙止まんない。
ぼろぼろと大粒の涙がたくさん溢れてきて、シーツに染み込んでいく。
血、もれてないかな、
でももうめんどくさいな、
どうしようもなく寂しくなって、布団から出る。湯たんぽを手放してベットから降りると、案の定今までよりもさらに酷い感覚に襲われる。
「ん゛ー、あと、ちょっとぉ、」
腹を押さえつけながら横にスライドするタイプのドアを開ける。
うっしーの服が入ったクローゼット。当たり前だけど開けた途端にたくさんの服が見えて、なんだか安心した。
その中から彼がよく着るシャツを一枚ハンガーからとる。
顔に当てると彼の匂いがして、すっごく幸せ。
そのままシャツを持って、ベットに横たわる。
「すん、うっ、ん、うっしぃ、ぐす、うっしぃぃ、」
寂しさが爆発して甘えた声がどうしても抑えられない。
と、
「ただいまー、」
控えめにリビングから聞こえてきた待ち続けていた愛しい彼の声。
やっと、帰ってきた、
「っ、うっしぃ!おかえり、おかえりぃ、」
回らない頭で必死に聞こえるのかもわからない声で答える。
がちゃ、
「ただいま、」
「!うっし、おかえり、ごめんね、あさ、ごめんなさい…」
「…キヨ、俺もごめん。あんまり気ぃ使えなくって。しかも放置までしちゃって。本当にごめんな。」
「んーん、おれがわるいの、ごめん」
甘々な空気を漂わせる俺に優しく微笑む彼がかっこよくって仕方ない。
「…まだ腹痛いか?」
「ん、まだちょっと痛い」
と、俺がそばに置いておいた彼の服を背中に隠した。
恥ずかしいし、ちょっと嫌。
まあそんな俺の動作に彼は気づかないはずがなくって、
「なーに隠してんの?別にはずかしいことじゃねえだろ?」
「やっ、ちょっ、やめ、」
「…俺の服?」
「っだからやめろって言ったんじゃん!うぅ、」
羞恥心が溢れ出てきて顔が真っ赤になる。熱い。
「可愛いことしてくれんじゃん?」
「、いや、」
かわいいって、お前だろ!うっしーもすんごいすんごいかっこいいし、かわいいし…!
「いやってなに?嫌なの?」
「…んーん、別に、」
「じゃあかわいい」
なにこいつ。めちゃめちゃ腹立つ。でも好き。
「そんなんより、俺のがいいだろ?」
にこ、笑ってうっしーが横に倒れる。そして両手を広げて前に差し出した。ハグのポーズ。いつも寝る前にする幸せなもの。
「…いーの?」
「もちろん?今日はいっぱい一緒にいような」
「ん、ふふ、やった…」
「あはは、そんなに抱きしめんなって、痛い笑」
「ごめん、でもやめない!」
「おいw」
くくく、と喉の奥から嬉しそうな声をあげて、ぎゅっと抱きしめ返してくる。
いい匂い、安心する。
「…すき、」
「……ん」
「うっしーも、すき?」
「そりゃな」
「だいすき?」
「ああ、もちろん」
「手放したくないくらいに、目一杯大好き」
そっかぁ、とのんびり微笑むと彼も嬉しそうに笑う。
すきだなぁ、とか思っちゃって。永遠にこの時間が続けばいいのになぁ、とかも思う。
気づけば、痛みも消えて、もう大丈夫。
やっぱりうっしーってすごい。
と、彼が幸せそうに笑い、俺の腹をさすってくる。
「もし、子供ができたら、どうする?」
「…怖いけど、あいたい…」
「そっか、俺も」
2人で見合って笑い合う。幸せで甘々な時間。
愛しの貴方は、すぐ近くにいてくれる。
「だいすきだよ」
「ん、俺も」
自身のお腹をさする。もしかしたら、いつか。
わかんないけど、ね?
「ちょっと寝るか」
「わかった、おやすみ」
「おやすみ」
掛け布団が優しく上にかけられて、おまけに彼がお腹をぽんぽんと優しくたたいてくれる。
すぐに瞼が重くなってきて、重力には逆らえなくなった。
「愛してるよ」
意識が消える直前、そんな声が聞こえた、気がした。
甘々かわいい☺️☺️☺️☺️👍👍👍