テラーノベル
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※初作なので多めに見てください※ロゼらい恋人設定
※主は専門用語や界隈事情に詳しいわけではないので小説内での記述がすべて事実と合致しているとは限りません
rz視点
朝目が覚めてから、らいとに電話をかける
らいとにかける毎朝のモーニングコールがすっかり日課になってしまっていて、朝起きるとベッドを降りるよりも先にスマホを取ってLINEを開く
ベッドの端に座り軽く咳払いをして声を整えてから通話ボタンを押した
5回ほどコール音が鳴った後、音が途切れてらいとが電話に出た
rz「…あ、もしもしらいと?」
すると、数秒遅れてから掠れた声が返ってくる
li「…あぃ、」
rz「ははっ、おはよぉらいと。よく眠れた?」
li「…ん~……」
ほんとに俺の電話で起きたばかりなんだろう
まともに返事もできずに可愛らしい相槌が続く
毎朝この声を最初に聞くのが俺で、俺だけで
そんな幸福感でいっぱいになりながらつい頬が緩んでしまう
rz「ちゃんと電話出て起きれて偉いね、らい」
li「ん゛…やろ、」
rz「ん〜!早起きできたね。今日事務所でレコーディングあるの覚えてる?迎えに行く時間まで1時間半あるから、ちゃんと準備するんだよ」
li「…ふふ、わかっとぉよ~」
寝起きでぽわぽわとした声のらいとは、格段に甘い
小さく笑いながら俺に甘ったるい声で反応してくれるのだ
rz「じゃあらい、また後でね。いい子に待っててね」
li「はぁい…、じゃあね、ろぜぇ」
最後にとびきり可愛く俺の名前を呼んで、通話は切れた
はぁー……だめだ、心臓に悪い
どうしようもなく愛おしくて、可愛くて
破壊力が大きすぎて毎朝溢れんばかりの感情に踊らされている気がする
さて、俺も自分の準備しないとな
ベッドから降りて部屋を出て、顔を洗いに行く
寝癖がついてしまった癖っ毛な髪を見て、ついらいとが思い浮かぶ
常にさらさらであまり癖のないらいとの髪だけど、いつも彼は額に手の甲を置いて寝るからかたまに前髪に寝癖がついてしまっていることがある
俺が起こしても遅刻するのが常習ならいとは髪のセットもせずに集合に来ることがあるが、寝癖が恥ずかしいからとポンパドールで結んでいたことがあった
その時のもう可愛いことこの上ない
真っ赤に照れる顔がよく見えた
朝食を適当にUberで頼んで食べる
今日は歌のRECがあるからあまり刺激物は食べれないけど、家を出る時にカラオケボイスドリンクも何本か持っていこうかな
練習がてらUberが来るまでの時間声のチューニングや音程の確認などをする
数分後、朝食が届いてそれを食べ終わるとすぐに着替えて歯磨きをした
事務所に行くだけならラフな格好でもいいんだけど、せっかくのRECだし気合いを入れるついでのお気に入りの服を着ていこうか
らいとも前にかっこいいと言ってくれたマーブルの模様が入ったシャツ
着るだけでまたらいとの顔が脳裏に浮かぶ
なんか今日、だめだ
ずっとらいとのこと考えてしまう
ここ最近割と会ってたはずなのに、やっぱり朝声を聞くと余計に会いたくなる
とりあえず、時間になったことだしらいとの家に軽い足取りで向かった
__________________________________
ピーンポーン
チャイムを鳴らして応答を待つ
li「あ、ロゼ上がって〜」
マンションの入り口のドアが開き、そのまま建物内へ入った
らいとの部屋の前で止まって合鍵を使って中に入る
rz「お邪魔しまーす。らぁい、迎えにきたよ〜」
すると、中入っていいけん待っとって、というらいとの声が聞こえてくる
お言葉に甘えて俺のお気に入りのソファに座って一息ついていると、らいとが部屋から出てきた
li「ロゼおまた〜」
rz「お、じゃあそろそろ行こっか」
li「待ってロゼ、俺の髪変じゃない、?」
rz「ん?うん、今日もセット綺麗だよ」
li「ふへ、よかった」
rz「俺の服はど?らいとの好みの合わせたつもりなんだけど」
少しニヤニヤしながら顔を覗いて聞いてみる
するとらいとは俺の上から下までさっと見て一言
li「…うん、俺の好きな服っちゃろ?それ。ばりかっこいいよ」
…してやられた
想定していた以上に柔らかい声でにこやかに言われたもんだからびっくりしてしまった
俺の負けだ
rz「敵わねえな、笑」
li「そろぼち行こうぜ」
rz「ん、そうだね」
いつも家を出る前に必ずすると2人で決めた頬へのキスをひとつして、らいとの手を取って家を出た
____________________
事務所に着いて早速レコーディングスタジオに入る
既にメンバーは揃っていたようで、俺とらいとが最後らしい
まあ今回は遅刻しなかったのでマシな方ではあるが
so「お、2人も集まったことだし早速始めようか」
心音が今日お世話になるレコーディングディレクターの方と話していたのを一度止め、俺たちが着いたことを確認した上でスタジオ内に声を響かせる
so「本日はめておらの歌収録よろしくお願いします!」
D「はい、よろしくお願いしまーす」
心音に続いて俺たちも続々と頭を下げて挨拶をした
普段の歌みたやオリ曲でも、Dを交えた会議やコラボの打ち合わせでない限り基本家での収録になる
しかし今日は新しいオリ曲に向けて今までにない収録方法でリスナーに新鮮な雰囲気を、ということで特別に集まった
言わば、とても大事な日
流石にらいとを寝坊させるわけにもいくまい、と心音が前々から俺によろしく頼むと申し訳なさそうに言ってきた
らいとが自分で起きれるのが一番理想的なんだが、もはやらいとは俺からのモニコに依存してるのか他メンからの電話やアラームでもなかなか起きれなくなってしまった
俺の特許が守られた感じがして悪い気はしないが、俺がいない時どうすることやら…
可愛い恋人だから以前に親友なので最初からモニコに関しては何も文句はなかった
今後も可愛く世話を焼いてやるかと母のような目線になる一方、恋人の特権として毎朝の1番を俺が味わえるこの優越感も心地いいのだ
そんなこんなしてるうちにDから歌詞割の紙と、予め伝えられていたコンセプト内容の確認が入る
D「それじゃあみなさん、紙は渡りましたかね」
D「事前に読み込んで練習もして頂いていた通り、歌詞割りに特に変更もなくこれで行かせてもらおうと思ってますんでよろしくお願いします」
みんな真剣に紙に目を落としながらDの言葉に耳を傾ける
D「それでは30分後から、まずは心音さんから行くんでそれまで休憩や準備、練習お願いしまーす」
RECまでの時間、大抵みんなトイレに行ったり水を飲んだりしながら自由に過ごす
俺とらいとはトイレを済ました後一旦スタジオを出て事務所内の開けた場所にある椅子に座った
俺は鞄から持参したカラオケボイスドリンクを開けて飲みながら談笑する
rz「どう?今日の調子」
li「ちょうど鼻声治ったっぽいしいける」
rz「よかったね。そうだ、らいもこれ飲んどく?」
li「いや、俺のRECの順番最後やけんまだ後にするわ。ありがとな」
レコーディングをする前にリラックスした雰囲気でのんびり話すこの時間が何気に好きだ
俺は歌うまお兄さんというキャラがある手前、歌に関してはどうしてもストイックになりがちになってしまう
下手にミスれないし、今日はみんなも揃ってるからそう何度も録り直しするわけにもいかない
自分のこだわりでみんなを無理に振り回すわけにはいかないんだ
らいとがそんな俺を一番よく知ってる
緊張させまいと普段のように接してくれているし、変に気合いも入れない
li「今日何時に終わるか分からんけど、REC終わったら飯行こうぜ。前行ったとこ」
rz「いいね。ゆっくりご飯でも食べて、帰ったら映画見る?」
頬杖を付いてスマホをいじりながららいとに問いかけた
前に見たいアニメあるって言ってたからそれもありだなぁって考えていると、ふと返事が遅い気がして顔を上げてらいとの方を見る
rz「…らい?」
らいとは一瞬こちらを見た後に、若干口篭った
なんだと焦ったく思っていると、らいとはスマホを取り出して急いで何か文字を打つ
少しして俺のスマホから通知音が来て確認してみると、
『明日空いてる。今日は久々にしたい』
rz「………ぇ」
これは…予想だにしない返事が来たなぁ…笑
思いがけぬ突然のお誘いに俺は参ってつい顔を覆って笑ってしまった
rz「もぉ、らい〜…?ほんとにお前はずるいよ、笑」
li「……っな、なん」
確かに最近はリハやライブ準備に追われてずっとしていなかったなぁと思い返す
らいとも流石に溜まってたのかな
普段全く自分から誘わないらいとが、よりによって事務所でこんな可愛い形で誘ってくれたんだ
断る理由もないし意地でも早くRECを終わらせてやろうと思った
俺は返事をするべくLINEで文字を打つ
『寂しい思いさせてたならごめんね。今夜は甘えていいよ』
送信した後らいとの顔を眺めていると、途端に顔がぽっと赤くなった
ほんと、かわいいんだから
文を確認したらいとがちらちらと俺の方を見ては、上がるのを堪えきれていない口角を必死に抑えようとしながら嬉しそうにスマホを握っている
どこまでも可愛いんだよ、まったく
li「ろ、ロゼ、言ったけんな…っ!」
li「絶っっ対今日、するんよな、?」
rz「もちろん、男に二言はないよ」
こんな露骨に喜んでくれるのも珍しい
今日はとびっきり甘やかしてやろう。そう決心する
新たに大きな楽しみができてしまった俺とらいとは、休憩時間を終えてスタジオに戻って行った
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RECは順調に進んでいった
D「心音さん、さっきのとこ一応もっかい録っとこ」
so「はい!」
心音から始まった収録は、俺、らぴす、メルト、みかさと続いて最後にらいとがくるという順番になっていた
予定していたよりも俺のテイクが少々時間を取ってしまった
Dからレベルの高いものを要求され、俺はそれに必死に答えようと全力でブース内で歌った
スタジオとブースの間には防音のガラスが隔ててあり、マイクを通してブース内にはスタジオの指示が入る
大画面で中の様子も見れる
ブース内にはいくつもの防音パネルやテレビ、機材が取り付けられており、少々圧迫感のある個室状態になっている
そしてそのまま順調にRECは進んでいき、最後のらいとの番になった
俺の手渡したカラオケボイスドリンクを飲み、視線で俺に合図を出して頑張ってくる、と言い小さく笑ってからブースに入っていく
D「それでは最初のテイクからいきまーす」
li「はい、おなしゃーす」
らいとがヘッドフォンを手に取ってマイクの正面に立つ
ガラス越しに一度視線を交わし、Dの声と共に機械が操作されマイクがオンになった
次の瞬間___
ト゛ン゛ッ…ッッ‼︎‼︎‼︎
rz「っ…!?」
地面が、下から強く突き上げられた
瞬く間に部屋中のスマホから不穏なアラームが聞こえる
地震だ、これ
強い地面からの衝撃を受けたことでその場の全員が近くのものに掴まりながら身を低くした
スタジオ内の照明器具が激しく左右に揺れ、棚から音響機材が落ち、机の上にあった小物がカラカラと音を立てて崩れていく
li「ぅわっ!?」
rz「ッ!!らいとはッ!?」
マイク越しに微かにらいとの声が聞こえてきた
そうだ、らいとはまだブースの中にいるのだ
俺は身を低くするのも忘れて激しく揺れる中立ち上がってブースの方を見た
すると、中で揺れに耐えようと必死にマイクを掴んでいたらいととほんの一瞬目が合う
安堵したのも束の間、突然、らいとの背後から巨大な影が迫った
rz「らいッッ゛!!!あぶな…、ッ!?」
防音室。ブース。分厚いガラス。
俺の声が届くことはない
ブースの中にある巨大な防音パネルやテレビ、吊るしてあった機材が一斉にらいとの方に大きく傾き崩れ始める
らいとが後ろを振り向いてそれを目視し目を見開いたほんの一瞬
li「っは……ゃ、ッ…」
辛うじてマイクがギリギリ拾ったらいとの声を最後に、ブース内のみの照明がバチンッ‼︎と音を立てて消えた
rz「ッッ!?らいとぉッ!!!」
so「馬鹿かロゼっ、!今はかがめッ!!」
咄嗟にブースに走りに行こうとする俺の腕を、机の下に入り込んでいた心音が引っ張る
まて、だめだ。らいとが…らいとが…っ
見えない、どうしよう
らいと、……っ早く、俺がいってあげないと…
らいとの上に落ちていたらどうしよう…怪我、してたら…っ
rz「だめだ、っ今らいとが中に…ッ!」
so「わかってるッ!!でも無謀なことして死にてえのか!?」
so「揺れがおさまるの待つしかねえよ…っ」
どうしようどうしようどうしよう
くそ…っ揺れがなかなか治らない
メンバーやDも全員机の下にいるみたいだ
心音だって見ただろう。らいとが中で1人残されてるの
後ろから迫ってくる物を、見ただろ
でも心音が止めてくれなかったら、俺だって大怪我負ってたかもしれないんだ
恨むのは違うよな、
くそ、早くおさまれ…
lp「…ふ、おさまったか…?」
数十秒後、スタジオ内の物音が落ち着いてきた頃らぴすがそう言った瞬間、俺は机の下から飛び出してブースのガラスに張り付いて中を覗いた
rz「らい、っらいとは!?らいと!!返事しろっ!」
何も見えない。地震のせいでスタジオ内の照明もやられていて薄暗く、完全に停電したブース内の様子を視認することができない
rz「っくそ……ッ、みんな手伝ってくれっ!」
D「僕スタッフさん呼んできますんで…!」
余震の可能性も見込んで早いとこらいとの安否を確認したいのに…しかしさっきの地震でメンバーも少なからず怪我をしていたようで、心音は頭を打ったのか後頭部を摩っていて、らぴすは手の甲と足首に少々切り傷ができていた。メルトは何とも無さそうだったけど、みかさはどうやら足を挫いたようで立つのも苦労していた
俺は飛び出そうとしたのもあって肩を打ったが何ともない。おそらく痣ができたくらいだろう
lp「みかさは無理に立たんでええから、そこで安静にしとき」
mk「ん、っごめん」
ml「ろ、ロゼ…ここのドア歪んでる、っ」
俺の横に歩いてきたメルトが指差した先は、ブースへ入るための重い防音扉だった
ただでさえ大きくて分厚いドアだというのに、揺れで若干歪な形になってしまっていた
rz「くッ……!」
思い切りドアノブを引くがびくともしない
全力で、手が痛くなるほどに何度も何度もドアを揺らしたが、ガタガタと変な音が鳴るだけでなかなか開こうとしない
段々と募っていく焦りで手汗が滲み滑ってさらに開けづらい
lp「俺らも引っ張んで…!」
心音、らぴす、メルトが加勢して再度試みる
手前に引いて開かないのならいっそ逆にドアを押してみる
肩が痛いのなんて俺には今どうでもいい
4人でタイミングを揃えて何度もドアに体当たりした
何度も何度も何度も何度も打ちつけた
もはや麻痺して肩の痛みも感じなくなってきた
すると、ガコンッという音と共に重い扉がギィ…と半分開いた
rz「…!!」
so「暗っ、メルト非常灯のスイッチ探して!」
ml「わかった、」
ドアはまだ人が通るには狭すぎるほどの開きだったが、希望が見えてきて再度3人で体当たりする
ml「あった…!電気つけるよ!」
ちょうどメルトが非常灯を作動させてパチンとブースが明るくなったのとほぼ同時、ついに体当たりしまくった扉が勢いをつけて開いた
rz「きた、ッ!らいと…!」
狭いブース内に飛び込んで床に視線を落とした
rz「…………は、…ら、らぃ…っ?」
li「…ぁ“………、…」
rz「ッッ゛…らい゛ッ!!!」
うそ、うそだ。
らいとが、倒れてる、下敷きになって。
剥がれた一枚の防音パネルがらいとの頭の上に被さり、顔が見えなかった。
テレビは足元に落ちて画面が割れ、その破片で足が切れて小さな血の池ができている。
だが問題は背中に落ちた機材だ
らいとの背中の半分以上はある大きなボックス型の角ばった機材は、らいとの背中と右半身の特に肩から腕にかけてずっしりと乗っかっていた。いや、むしろ押し潰してるとでも言うべきか、あんな重量のあるものが落ちて骨が無事なはずがない。現に、角が刺さったのか背中には刺し傷のようなものができていて服が真っ赤になっている。
急いで防音パネルを慎重に持ち上げてらいとの側に座り込む。やっと顔が見えたが、その目に光はなく焦点があっていない。静かに涙を流しながら口からは微かに呻き声と血が漏れていて、顔も細かい傷が多いし頭も打ったのかいつもの綺麗な髪が一部べっとりと濡れている。
rz「ら、らいっ、!」
li「…ぃ゛、ッ……ふ、っは…」
俺の後ろから覗き込む心音たちは、口を押さえて息を呑んだ。見ていられない、と目を逸らして苦しそうな顔をする。いつのまにメルトに支えられたみかさも来たのか、震えて泣きそうな声でらいとの名を呼んでいた。
rz「頼むっ、らいと…踏ん張ってくれ、」
rz「ごめん、守ってやれなくて、っごめん、ッ」
らいとの無傷な左腕をそっと拾って強く手を握りしめる。
今、無理に体や機材を動かすことはできない。これ以上出血したり悪化するのを防ぐためにも…しかしあまりにも痛々しいらいとの姿は、直視するのも苦しかった。助けてやりたい、早く楽にしてやりたいのに、今はまだ何もできないことに憤りさえ感じてしまう。
ST「今救急車要請しましたっ!!」
いつの間に事態を聞きつけていたスタッフが通報したらしい。
rz「頑張れらいと、もう少しだから…っ」
mk「らい、とぉ゛…っ」
ml「…みかさ、一旦向こう行こっか、一応みかさも怪我人なんだから」
lp「…俺、タオル持ってくるわ」
so「くそッ…、らいと…」
泣き出すみかさをこの場から離れさせて慰めるメルト。
悲痛な呻き声と姿を見て何か動かなくてはと思ったのか、血を拭う用のタオルをこの場から逃げるように取りに行ったらぴす。
俺の横に同じく座り込んでらいとの頬を撫でながら、救えなかった悔しさと友人を失うかもしれない恐怖で涙目になっている心音。
俺は、かがんでらいとの顔を包み込んでただ言葉を紡ぐことしかできない。らいとの意識が完全に飛んでしまわぬように
li「ひ、と…ぃ、せん、で…」
rz「みんないるよ、らい、っ1人じゃないからね、」
rz「暗い中1人にしちゃったね、っ」
焦点は合ってないけど、必死に目を動かして俺らを視界に捉えようとするらいとの手は震えてた
頬に手を添えて応えてやると瞼の力を抜いて安心してそこに留まるように温もりを享受する
li「ろぇ、…ぃ、た…ぁ゛ッ」
rz「痛いな、ごめんな…絶対助かるから、頑張ってくれッ」
lp「…タオル持ってきたで、」
rz「ん、ちょっとだけ頭と顔触るな…?」
らいとの顔や頭に滲んだ血を吸い取るように優しくタオルを当ててやると、閉じかけの目で小さく笑った
真っ赤なタオルに見合わぬ顔はどこか安らかだ
li「やぁら、ぁ…」
rz「ッ…うん、柔らかいね」
俺が、先に壊れてしまいそうだ
やだよ、見たくないよ、こんな現実
らいとは笑ってるけど、きっと耐え難い痛みだったことだろう。骨も、皮膚も、臓器も、全部、傷付いたんだから。
見ただけでわかってしまうのだから、俺が想像もできないような苦しみだろう
でも笑ってる。
あぁ、だめだ、麻痺してきてるんだ。
痛覚さえ鈍くなり始めてるんだ、きっと
li「……、ひゅ、ふ……、」
rz「…らい、だめだよ、寝ちゃ…」
rz「起きててよ、ねえ、っ」
徐々に目が閉じていく
必死に頬を摩って話しかけるが、止めることができない
ずっとらいとの瞳を、隠れてしまわぬように見つめていた
から気づかなかったけど、らいとの容態は益々悪化してる
血が、止まらない
出てくる血が、どこも、全部止まらないんだ
失血か、怪我のせいか。はたまた両方か、体が震えてる
俺の足元までも確実に少しずつ血溜まりを広げていく
lp「あかん、っこれ多分、デカい血管やられとる、」
so「だめだ……、やだ、おいらいとっ、目ぇ閉じんなって、」
呼吸音も段々小さくなっていく
ここに繋ぎ止めておこうとするのに必死になり、俺まで呼吸がしずらいや
すると、レコーディングスタジオの方でドアが勢いよく開けられた音がした
「救急の者です!怪我人はどちらに?」
rz「っ!!こっちです!はやく、らいとが、っ゛」
救急車が来たんだ、よかった
li「ひゅ~……、は、っ…」
rz「らい、助かるよ、大丈夫だからね」
li「ふ、……ひゅ…げほっ、…ッこぽ」
rz「ちょ、ぃゃだ…らいとッ!!」
「すぐに処置をするので離れてください!」
救急隊の人の声に気づかない俺の腕を心音とらぴすが引っ張って立ち上がらせ、ブースの外に出された
救急隊複数人が何やら忙しなくらいとの周りに集まって言っているけど、器具や緊迫した声だけ聞こえて、何を言っているのか何も入ってこない
あぁ、だめだ。だめだよらいと
なんで血なんて吐くのさ
お前に似合う赤なんてこの世に俺だけだろ
そんなもん吐かないでくれよ、頼むから
もう目はほとんど開いてない
不規則どころかほとんど聞こえない呼吸は、俺の鼓動音で消されてしまうほどに弱かった
らいとを、目の前の恋人を失うのが怖くて怖くて、心臓は速くなっていくばかりなのに、お前の心臓の音はそれに反比例して弱くなっていくんだとわかってしまう
なんで、一瞬にして愛おしい人はこんな悲惨な目に遭ってしまったんだろう
さっきまで俺と話してたじゃん。笑ってたじゃん。
約束もしただろ、今日お前を抱くって
すげぇ幸せそうな顔して喜んでくれたじゃん
もっかい、俺の目見てしっかり笑ってくれよ、ねえらいと
俺がその場から動けずにいると、いつの間にか担架に乗せられて酸素マスクを当てられた、真っ赤な布や器具だらけのらいとがスタジオの外に運ばれていった
俺はひたすら目で追うことしかできなかった
体が言うことを聞かない
rz「…ら、…ぃ」
so「…ロゼ、?」
rz「……ぁ、ぅ」
lp「おい、ロゼっ…お前顔色ひどいで、」
so「一回座れ、…おい聞いてんの?」
rz「ぁいの、とこ…いか…きゃ、」
lp「ロゼ!しっかりしろっ」
rz「ぁ、……」
so「!?ロゼッ!!」
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li視点
ロゼからのLINEが目に入った瞬間つい顔に出して喜んでしまった
最近ご無沙汰だったのもあるけど、なぜだか今日はロゼに触れられたくてたまらない気分だった
あぁ、好きだなぁとモニコの声で思って、俺のソファに座る姿を見たらなんか嬉しいなぁと思って、頬のキスで大好きな気持ちが溢れて
結局のところこういう小さな日常の幸せの積み重ねで俺はロゼのことを離せなくなってしまうまでに好きなんだろうなと思う
本当はたくさん甘えたいし、あわよくば甘やかしたいし、堂々と好きだと言いたい
セックスだって普段自分から誘える性格ならどれほど良かったことか
でも、そんな不器用なところもロゼは好きだと言ってくれるから、俺は無理に自分を曲げようとしない
rz「らい、かましてこい」
li「ん、あざ」
ロゼから受け取ったカラオケボイスドリンクを飲んで喉が開いたのを感じてからブースに入って行った
ちらっと目線をガラスの向こう側に移すと、ロゼと目があってふわりと笑った
メンバーからも「らいとがんばー!」とにこやかに言われる
つくづく気のいい奴らだな、と少し照れ臭くなりながらマイクの前に立った
これが終わったら、ロゼと久しぶりに…なんて脳内お花畑なことは顔には出さないけど、気合いは十分だ
D「それじゃあ最初のテイクからいきまーす」
よし、今日は喉も調子いいし、しっかり練習もしてきた
目の前に好きなやつと最高のメンバーだっている
いいとこ見せなきゃな
li「おなしゃーす」
ト゛ン゛ッ…ッッ‼︎‼︎‼︎
なんの前触れもなく全身に走る衝撃に、最初頭が追いつかなかった
すぐに辺りがガタガタと物音を出しながら揺れてるのを見て、大きな地震がきたんだと理解した
咄嗟に目の前のマイクを掴んでその場で踏ん張っていると、揺れは段々と大きくなっていく
ふとロゼのことが頭をよぎってスタジオの方を見た
li「…!ロゼっ、」
向こうも俺と目があったことで安堵したのも束の間
やけに嫌な音が後ろから響いた
ブチッという音と共に大きな黒い影が次々迫ってくるのをこの目で見た
何が迫ってきているのかわからなかった
ただ、明らかに警告音が頭の中で響いていたのは確かだし、命の危機を感じて思わず足が怯んだ
li「ッ゛…は、ぃや、ッ」
突如真っ暗になり視界を奪われ、マイクを掴んでいた手を両方離すことも間に合わず気づけば体が床に叩きつけられていた
間も無くして全身を激痛が走る
li「ィ゛ッッ!?あ、が…ッ、」
痛い。痛い痛い痛い痛い痛い
どこが痛いのかわからない。どこもかしこも肉を抉るような痛みがじりじりと内側まで焼いてくるようで、何も考えられない
頭に走った強い衝撃の所為だろうか、目の前がぐわんと回って気分が悪い
痛みで熱を持ち始める体の至る所から生暖かいどろっとした感触が肌にまとわりつくのを感じた
足を動かそうとすると、激痛で痙攣を起こす
起きあがろうと頭を上げようとすると、異様に重くて押し潰されるような感覚に頭痛が酷い
右半身から鳴ってはならない、人から出たとは思えない音がした気がした
全身を何かが切り裂いたことはわかる。何かに潰されていることも
不意に喉が痙攣して咳き込んだ
li「あぅ゛、ッけほ、…おぇッ」
歪んだ真っ暗な視界でそれが血だと認識する前に口の中に広がった鉄の味を感じ、急激に怖くなった
ろぜ、たすけて
何も見えない。まともに音を拾えない。体が動かない
痛いよ、ロゼ、たすけてよ
おれ、このままここで死ぬんだろうか
こんな激痛と気持ち悪い感触に塗れて、誰もいない、真っ暗な密室で死ぬのかな
……あいつら、ぶじかな
怪我、しとらんかな
ロゼ、お願いだから無事でいて
こわい、こわいよ…っ
頭にかかった霧が段々と濃くなって思考がまともに働かない
ただただロゼの顔を見たくて、痛くて、辛くて、早く楽になってしまいたいけど死にたくなくて
ごめんな、ロゼ。おれ、やくそくまもれそうにない
もう意識がぼんやりしてきた
ひとりで死ぬんか、ほんとに
ろぜ、きてよ、らいって名前呼んでよ。せめてさいごにさ
rz「らいッ゛!!」
僅かに聞こえた、望んだ声
ロゼだ、ロゼの声。間違えるはずがない。来てくれたんだ
咄嗟に手を伸ばそうとしたけど、どこに何があるかもわかってなくて左手は小さく空振って床に落ちた
一気に視界に光が入ってきた
あぁ、頭の上に何か乗っかっとったんか
ロゼがそれを取り除いてくれたみたい
rz「らい、らぃっ!」
ごめんロゼ、今は返事したくても声が上手く出らん
明順応により徐々に周りの形を認識し始める
すると、視界の少し左上くらいに赤い影を見た
ロゼだとわかるや否や本能でなのか、体を動かそうとした
でもさっきまでの痛みがぶり返して出したくもない呻き声と肉の潰れる音が微かに聞こえる
so「ら、ぃと…?うそ、」
mk「らいとっ、らいとぉ゛!!」
あれ、他の奴らの声も聞こえる
見えんけど、そこにおるんかな
段々空気が吸い込みにくくなってきた
肺潰れたんかいな、それとも圧迫、?
ロゼが俺のこと撫でとるんか、頬があったかい。血じゃないといいな
なんか寒いな、ここ
あ、ロゼがもしかして今手ぇ握ってくれとるんか
ずっと触れて欲しくてたまらなかったロゼの手が握られてる感覚がまだ残る左手を力のある限り握った
rz「っ!!わかるね、?俺のこと」
rz「ずっと、このまま握っててね、」
li「ぅ゛~……、ッぐ」
rz「痛むなら指先だけでも、…っ」
いってぇ…
強く握ると肩と背中あたりにも力が入って熱くなる
寒くて震えは止まらんのに、身体中あちこち痛みで熱を持ち始める感覚が気持ち悪くて仕方ない
so「らいと、もう少し頑張れ…」
心音の声が横で聞こえる
違う、ロゼと温もりが違うけんわかる
柄にもなく心音に撫でられて安心してる自分がいる
お願いだから、俺のことここに繋ぎ止めといてな
色んな声がしたあと、しばらくして誰かが離れていったのを感じた
…あれ、なんか急に辺りが静かになった
いやだ、おいてかんでっ
おれここにおるよ、まだ生きとるから
がんばるから、まだいかんで
視界がまた暗くなる
やだ、っまたとじこめられた…?
たすけて、いかんでや、ここにいてっ
必死に藻搔いて音にした
掠れた声なんていまはいらんねん、ちゃんとはっきり音になってくれ、頼むから
rz「らい、らいと、1人じゃないからね」
rz「みんないるからね、ほら、ちゃんと手握ってる」
rz「暗い中残してごめんな、?大丈夫、お前は1人じゃないよ、」
ろぜ、ろぜ…?ちゃんとおった
伝わった、よかった
あったかい、ロゼの手あったかい
いつも甘えれんもん、まっすぐ自分から
こんなときぐらい、たまにはええよな
li「ぉ、ぜ…、ふへ、ろぜ…ぇ」
rz「…よしよし、ちゃんとここにいるよぉ…、」
rz「いい子だね、らい…、っ」
なんか、瞼重くなってきた
体から力が抜けてく感覚、というよりかは力が入らん
顔にやわらかいもんが触れた気がする
ロゼの手じゃないけど、ロゼに撫でられてる気がした
ロゼがいてくれたら、目閉じても怖くない、きっと
暗くてもロゼがいてくれるなら
みんなもいるんやろ、ひとりじゃないんよな
もぉ、俺つかれた
十分がんばったよ、
やすんでもええよな、だってさっきから痛みも引いてきた気がするんよ
みんなおるんやし、安心してねてもええよね
ね、ロゼ
おやすみ
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rz視点
目が覚めたら、目の前には奇妙な光景
真っ白な天井と、突然視界に飛び込んできた紫のやかましいよく見慣れた顔
rz「ぁ、れ…しおん、」
so「ロゼ…!よかった、大丈夫か、?気分どうだ?」
まて、何が起きてるんだ…どこだここ
ふと自分の腕に違和感があって下を見た
いくつかの点滴の痕と、腕から伸びた管
一瞬で目が冴えた、病院だ、ここ
ガバッと勢いよく起き上がって心音の腕を強く掴んだ
rz「ッ!?おい、心音ッ!らいとは、?らいはどうなったッ」
rz「何があったんだ、なんで俺こんなとこにいんだ、っ」
rz「らいとは無事なのか?こんなとこいる場合じゃないのに…ッ、お前も大丈夫なのか、?あいつらは…ッ、?」
呼吸も忘れて必死になって心音にがっついた
そうだよ、俺さっきまでスタジオにいたんだ
運ばれるらいとを見たところまで記憶はある、曖昧だけど
…で、そっからのことを覚えてない
なんでこんなところで寝てたんだ
状況見るに、もしかして運ばれたのか、?
so「待て、ロゼ一回落ち着いてっ」
so「ちゃんと説明するから…」
心音に背中を摩られて我に帰った
体の力が抜けて心音の肩にもたれかかってなんとか乱れた呼吸を整える
rz「ふ、っは……ッごめん、…」
so「そうなるのも無理ないよ…ゆっくりね」
so「そろそろ落ち着いたか、?」
rz「っん、ごめん」
急に動き頭に血が昇って気分が悪くなってしまった俺を心音はゆっくりベッドに再び寝かせた
俺が一息ついたのを確認して心音が口を開く
so「…まずお前のことなんだけど、言ってしまえばあの時らいとが運ばれた直後にぶっ倒れた」
rz「………」
so「突然、立てないくらいにふらふらし出したかと思えば後ろ向きに倒れるんだもん。俺もらぴすもまじ驚いた」
rz「……ごめん、」
so「診てもらったら、ショック性のものだって言われたよ。少し過呼吸気味になってて酸欠もあったのと、怪我した肩を強打したことによる脱臼もあったって。」
so「必死にらいとを助けようとしたのは痛いほどわかるけど、自分のことだって大事にしてくれよ、ロゼ…」
rz「うん、ほんと…ごめん」
so「俺らだって気が気じゃなかったんだぞ、ッらいとは今にも消えそうだし…ロゼも倒れて…ッ゛」
心音を泣かせてしまった
本当にごめん、迷惑かけたなぁ…
rz「ありがと、心音…」
so「まじで…ッ゛、でも無事でよかった…っ」
それから心音の話を聞いていくと、らいとのこともメンバーのことも教えてくれた
あの後、俺も運ばれたあとのこと
みかさはその場で捻挫の応急処置をしてもらって、らぴすも怪我の手当を受けた
心音は頭を強打までとは行かず支障も特になかったのでメルトと先に病院に駆け込んだらしい
みかさたちは外に避難した後しばらく安静にしてたとのこと
so「ロゼ、らいとは無事だよ」
rz「ほんとかっ!?」
so「ただ、あくまで一命を取り留めたってだけで、運ばれた直後は本当に死ぬかもしれなかったんだ」
あの地震の直後でどこの病院も怪我人で埋まってたそうだ
ただらいとは今回の地震の被害者の中でも危険クラスの重傷と判断されたため、運良く一番近くのこの病院に運ばれた
着くなり緊急手術に入り、7時間にも及ぶ長時間の手術の末辛うじて命が繋がったらしい
一度心肺停止になり現場が騒然とする中病院に到着したみかさたちは生きた心地がしなかったと
so「あとで先生も来ると思うけど、詳しいらいとの容態についてはその人から聞いてくれ」
rz「…わかった、本当に何から何までありがとな、心音」
so「ん、お前も無事で良かったよ。まだ休んどけよ?俺は一回事務所に行って色々なーくんたちと話してこないとなんだ」
そのまま心音は俺にお大事に、と残して病室を後にした
正直、あのらいとを見た後で今自分たちが生きているのが奇跡としか言いようがない
一刻も早くらいとに会いたい
手を握って安心させたい
※
「彼のことですが、まず後遺症が残る可能性が高いと思われます」
rz「……ッ」
覚悟はしていた
実際見たんだ、変に夢を見たりしないさ
「まず足ですが、落下した衝撃で割れたテレビ画面でかなり深くふくろはぎが裂けていました。縫合を施しましたが出血は完全に止まってはいません」
「次に背中ですが、右肩甲骨の骨折と機材の突き刺さりによる出血、肋骨には3本ひびを確認しました。機材の重さからしてその他臓器の損傷やダメージも考慮されるためしばらくの間上体を起こすのに苦労するかと」
「右腕は状態が悪く、上腕骨の斜骨折に伴い筋肉の損傷も見られるため酷い腫れが引き起こされていました。神経が一部切断されており、今後右手を自由に操ることはできませんが、動かせはします。感染症の心配はありませんが、今後鎮痛剤を打ちながらの入院生活になることを覚悟ください」
「そして頭ですが、強打したことによる側頭部の腫れと同時に、落下した防音パネルによる痣が見られます。恐らくですが、防音パネルがらいとさんの頭に直撃する際に、頭とパネルの間に収録用マイクがあったためそれで側頭部を怪我したと思われます。横に広く頭が切れていたため傷は深くないですが、いずれにせよ出血は多かったためこちらも縫合治療を行いました」
長々とした医者の説明を聞いて頭痛がしてくる
あのたった一瞬でらいとはこんなにも多くの痛みを与えられたのかと思うと俺まで身体中が痛くなる
あぁ、あの涙は苦痛の証だったのだと思うとどれほど代わってやりたかったことか
1人で全ての痛みを抱え込んで、闇の中1人で苦しんで
どれだけ心細かったことだろう
あの痛みの中握り返してくれた手の温もりを今だに思い出せてしまう
rz「あのっ先生…いつ頃あいつに会えるでしょうか」
rz「らいとに…会わせてください、っ」
いくら無事だと聞いても、怖いものは怖いんだ
自分の目で見て、触れて、鼓動を感じないと俺はらいとが生きているという心地でいれなくて安心できない
愛しい人、愛してやまない人
ずっと俺の横で笑っていて欲しいからさ
どんならいとでも俺愛せる自信しかないよ
どんな姿でも俺が支えてみせる
だからこれからもずーっと俺の横で長く笑い続けてくれるように、今はただ一生懸命に生きててくれ
そして、ちゃんと俺のことをお前の視界に入れて安心してもらえるように
「……よろしければ今から会いに行きますか?」
rz「ぇ、いいんですかっ!?らいに…らいとに会いたいです」
「…それでは、案内しますので」
心臓がまだ痛かった
らいとを失う恐怖に侵された俺の心身がらいとに会うことを拒もうとしてるのかもしれない
また絶望して希望を失うのではないか、と
目の前でまた見てしまったら今度こそ俺自身が耐えれないんじゃないかと
会いたくてたまらないはずなのに、会うのが怖くて仕方ない
ゆっくりと医者が特別病棟のドアを開けた
広くて質素で、無機質な部屋
真っ白な壁に真っ白な照明
見たことのないらいとが、確かにそこに眠っていた
小さく赤黒いシミが滲んでいる頭の包帯
輸血パックに点滴、多くの機械に繋がれた腕に伸びる管
ガッチリと固定され、いつもより何回りも分厚くなった右腕
入院着の肩を少し脱がせたところから堂々と覗く包帯と固定具を纏ったらいとの胸あたりは、抱きしめたときに肌で感じる上半身の薄さを全く思わせない
酸素マスクに隠れた綺麗な猫顔は、今日はなんだか力が抜けて柔らかい印象だ
頭に巻いた包帯の上から被せられた帽子のようなものは、らいとの丁寧にセットされたはずの黒髪を完全に隠してしまっていた
恐る恐る病室に足を踏み入れてベッドに近づく
rz「らい、…お、俺だよ…ロゼだよ、」
酸素マスクが規則的に曇っては水蒸気が内側に張り付いているのを見て、ようやく生きているという実感をこの目で感じた
らいとの傷のない綺麗で滑らかな左手
俺があげたオーダーメイドの指輪をつけていた薬指はそのままに、ベッドにやわらかに落ち着いて添えられている
その手を俺は両手で慎重に包んだ
rz「らいと、頑張ったな、」
rz「生きててくれて、ありがとう…ッ゛」
いつの間に先生は病室を出ていたようで、ここには俺とらいとの2人っきり
rz「らい、愛してる…お前が俺の生きる理由なんだ」
rz「俺はゆっくり、いくらでも待つからさ。ちゃんと元気なお前をまた見せてくれ」
rz「完全に元に戻らなくったって、俺の気持ちは変わらないからさ」
li「…………」
らいとの反応はないけれど、手の温もりだけが今らいとがくれる1番の贈り物だった
rz「可愛い可愛い俺のらいと…っ」
左手を持ち上げてそっと甲にキスをした
安心して今はゆっくり回復しろよな
お前の居場所は俺らで守る
俺の隣にはお前しか並ばせねえよ
俺の特権はお前を愛して守ること
お前の特権は俺に守られて横で笑い続けること
ちゃんと待ってるからね
俺の言葉で、声でお前が笑えるなら
暗闇の中でも、俺の声でお前を笑顔にしてやる
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𝒆𝒏𝒅_
本作恐らく続きません
ハッピーエンドでちゃんとこのあとliは目覚めて回復にも至りますが、初作なもので書くの大変だったので力尽きてここで切らせていただきます
中途半端ですみません🥲
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コメント
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所見で神作品を見つけてしまった!!!! 続きがないとわかっていてもとても見たくなるくらいいい作品でした...!!