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これは、とある男の目覚めから始まる。
「ちっ…くそねみぃ…」
路地裏で放浪者の様に昼寝していた男。身なりはどこか古臭さを感じる。
彼こそがこの巻の主人公、玄爾(げんじ)である。
元は突然変異した危険ミュータントとして扱われ、暴れた末に真実を知ってしまい、”安息の地”を求めて旅に出た。やがて元いた研究所の人間に見つかり、今はその保護下で生きている。
そんな彼は、また研究所から脱走していた。
「実験体扱いは面倒だ」と。
しかしこの男、ミュータントとなった後は怠惰でだらしない間抜けとなってしまったのだ。
どこでも眠り、暇を持て余す。だが、その気になれば厄災と同等の存在ともなれる。
まぁ、そんな男である。
「ったく…!また追っかけて来やがったな!?」
毎度のごとく研究所の人間が探しに来たため、寝れずに起き上がる。
「あーもう、最悪じゃねーかよ!!」
暇そうに走り出し、耐えつつも逃げ足だけは止めずに駆け続けた。
それでも彼の中にあるミュータントの血は騒ぎ、テンションは高まる。
それでも彼は知らない。この事が面倒な事に発展していくのを。
─昼の巻・終─
─次・夜の巻(霊巌視点プロローグ)─