これは、とある男の目覚めから始まる。
「ちっ…くそねみぃ…」
路地裏で放浪者の様に昼寝していた男。身なりはどこか古臭さを感じる。
彼こそがこの巻の主人公、玄爾(げんじ)である。
元は突然変異した危険ミュータントとして扱われ、暴れた末に真実を知ってしまい、”安息の地”を求めて旅に出た。やがて玄武の元に辿り着き、現在は玄武の眷属として生きている。
そんな彼は玄武からこんなことを頼まれた。
「かつて四聖獣を統べていた黄龍を探してきてくれないか」と。
しかしこの男、ミュータントとなった後は怠惰でだらしない間抜けとなってしまったのだ。
どこでも眠り、暇を持て余す。だが、その気になれば厄災と同等の存在ともなれる。
まぁ、そんな男である。
「ったく…全然見っからねぇ…!」
イライラしつつも立ち上がってまた探しに行く。
「いっその事だし、探してやるか。」
暇そうに歩き出し、眠気に耐えつつも向かって行く。
それでも彼の中にあるミュータントの血は騒ぎ、テンションは高まる。
それでも彼は知らない。この事が面倒な事に発展していくのを。
─昼の巻・終─
─次・夜の巻(霊巌視点プロローグ)─
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