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今でも覚えている。
忘れもしない1年前。
俺にはとある大切な人がいた。
そいつは、まあ、家庭環境が悪かったんや。
親が相当な勤勉家で、家に籠って勉強漬けの日々。
本人曰く、常に監視カメラで行動が見られていたらしい。
高校に上がっても、ゲーム機やスマホ、テレビですらまともに触らせてもらえていなかったとか。
そんな彼と俺が出会ったのは、忘れられない1年前からさらに、ちょうど10年前のあの日。
小学2年生の頃の夏休み真っ只中だった。
いつものように公園に遊びに行った俺の目の前に現れたのは、
赤橙色のボブヘアに赤橙色の目、
そして、この季節には少し暑いんじゃないかと思ってしまうほどに黒づくめの半袖半ズボンの服を着た、同い年ぐらいの少年だった。
名も知らない彼はこちらに気づくと、 にかっ とはにかんだような笑顔をこちらに向ける。
そしてみるみるうちにこちらに近づいてくると、俺の手を取ってこう言った。
「俺の名前は ci 。 よろしくな!!」
「…え?」
ほんの一瞬の出来事に俺が戸惑っていると、
「せや、君は… shp って言うんか!!仲良くしてな、shp!!」
「お…おん?」
俺の持っていたサッカーボールに書いてあった名前を見たのだろうか。
こちらの名前を知ったciは、これでもかという程に語りかけてきた。
だがしかし、俺は生憎人とグイグイ関わるような会話は得意ではない。
俺は、ciのあまりの陽キャ度に固まってしまった。
ただ、それでも尚俺に話しかけてくるci。
自分でも無愛想な方の自覚がある俺だったが、諦めずに話しかけてくる彼にはどこか、他とは違うオーラが溢れ出ているような気がしてたまらなかった。
しかし、この時の俺らは知らなかった。
いや、知る由もなかったのだ。
このひと夏の、本当になんでもないただの一日の、ちょっとした新たな出会いが、
世界をも巻き込むとんでもない事件へと繋がっていくということに。
これは、
不自由な君と平凡な俺の、
世界を賭けた青春の1ページ。
なんて、ちょっとエモいこと言ってみたりして、笑
体調不良だったため、投稿が2日ほど遅れてしまい、申し訳ございませんでした。
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝ 2025/3/14 (金) 予定