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僕達の世界は、お互いを理解することで成り立っている。だけど、同じ人の形をしていない者を理解するのが、僕を含めて皆苦手だ。それで人の形をしていない生き物がいなければ平和だった。でも、この世界には知能を持って、歩いて、話す。だけど人の形を成してはいない。そんな生き物、アンドロイドがいる。
アンドロイドは街を出ると道の端で幼い子達に虐められている。アンドロイドは何も言わない。アンドロイドの声は誰にも届かないし、かと言ってアンドロイドが何か仕返せば幼い子達は大袈裟に泣き喚き、大人達に内容を盛りに盛った話をする。
そんな事が大人達に伝わればそのアンドロイドは最後、子供のあやふやな記憶を鵜呑みにしてしまう様な愚かな大人に処刑されてしまう。だからアンドロイドは何も言わない。否、言えない。
僕もアンドロイドの事をあまり理解しようとはしていなかった。大人達に「アンドロイドは僕達を危険に晒す。何か言われても話しては行けないよ。」なんて大人に吹き込まれていたからだ。第一、その辺で転がっている少し汚れたよく分からない生き物を理解しようとなんて、思えなかった。
そんな時、僕は1人、いや一体のアンドロイドに出会った。そのアンドロイドは僕にしつこく話しかけてきた。
アンドロイドにしては物凄く流暢に話して、何となく惹き込まれる様な話し方だった。