テラーノベル
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そのアンドロイドに名前を尋ねると、名前は無いと告げられた。無いならば付ければ良い。という訳で名前を2人、いや1体と1人で考えてみた。アンドロイドだから「アンド」なんて安直だろうか。そのアンドロイドも少し気に入らないようだった。1体と1人で頭を抱えて悩んでいると、ふっと思い浮かんだ。それは、「ローウィン」という名前だった。ローウィンという名前を提案してみると、僕の予想以上に気に入ってくれた。
ローウィンはアンドロイドの話をよくしてくれた。アンドロイド達は家族を持っているという事。だけど外に出て帰って来る者は指折り数える程であるという事等色々教えてくれ、僕の好奇心を揺さぶるには充分だった。
そんな話をしてくれる中で、僕はふと気になり、アンドロイドは僕達人間の事をどう思っているのか聞いてみた。すると、ローウィンは少し悲しそうに話し出した。
アンドロイド達は、人間にぞんざいな扱いをされて悲しく思っているという事。ローウィンの御先祖様は、例の幼い子に仕返しをしてしまって愚かな大人に処刑されてしまったアンドロイドだったという事。
僕は、途中で涙を流し出したローウィンに落ち着く様伝え、一度休憩した。
落ち着いたローウィンは、自身がわざわざここに来た理由を教えてくれた。