〔第十五章:ワクワクドキドキ秋祭り!①〕
なんだかんだ次の日。
俺は地域の秋祭りに出向いていた。
(秋祭り…かぁ…特になにもって感じかなぁ…でも先生なるべく来いって言ってたし…)
「やっほ、日向」
「うわぁ⁉︎びっくりしたぁ…四季かぁ…」
「1人でトボトボ歩いてて…私でも豊くんでも誘えば良かったのに!」
「いやぁ…別にこの祭りに思い入れもないしさぁ…」
「そういうことを必ず楽しくしてくれるキャラだなって思ってたのに、意外」
「意外って何だよ」
「あ、豊くんも誘ってるから」
「冬川も⁉︎」
「うん、あ、来てる」
・・・
「お待たせ、二人とも待った?」
「いや、別に?」
「そんな待ってないですよ」
(あそっか、四季って俺以外敬語なんだった)
「あー、よし行くか」
「うん」「そうしましょっか」
俺らは少し歩いたあと、地域のお祭りの会場に到着し、そのまま売店の前まで来た。
すると、冬川が「ん〜…何買おう〜…」と悩んでいた。
ちょっと意外でビックリした。
「冬川って意外とそういうので悩むんだ」
「普通悩むでしょ」
「俺はたこ焼き一択だけどね!」
「私は…綿あめですかね…」
「えっ、四季って綿あめ好きなの⁉︎ラムネとかだと思ったわ〜…」
「ラムネも…そうですね」
「よっしゃぁ!これが幼馴染の力だぜ!」
「夏目、カッコついてない」
グサっ。
「冬川酷いってぇ〜…」
(冬川の一言ってたまにグサってくるんだよなぁ…)
(てか、カッコつけたわけじゃないんだけどね…)
「あ、緑川さんも来てます!」
「お、まじか」
(てことは蜜奇さんも来てんのかな〜)
「藤森兄弟も来てる」
「うわ本当だ!」
(う〜ん…女子たちいるから”今は”一緒じゃないかな)
ふと、緑川の方に視線を戻す。
「秋斗っち」
「ん?」
「どれくらいまで居れるの?」
「んーと、遅くも7時かなぁ」
「え、まじ⁉︎すご!」
「そう?」
「えっとぉ、そんなことは置いといて、次どれ買う?」
「あー…ラムネでも買うか」
「いいね!買お買お!」
(あぁ…カップルっていいなぁ…)
(ん?いや待て、ここに冬川が…)
(やばい終わったんだけど…)
恐る恐る冬川の方を向くと寂しそう?に蜜奇さんを見ていた。
(冬川…)
俺はしばらく何も言えなかった。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!