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※この運転手は存在しません。

※運転手サンドバッグ同じ名前の方が要らしてもその方には関係ありません。



運転手「いやぁ、待ったよね笑笑」

ななもり「いえいえ!」

莉犬「(⸝⸝- -⸝⸝)スースー」

運転手「寝ちゃったね」

ななもり「ですね…笑」 

運転手「もし良かったら名前教えてよ」

運転手「俺は、秋山優斗っていうんだ」

ななもり「秋山さん…」

ななもり「俺はななもり。です」

ななもり「で、隣にいるのが莉犬くんです」

運転手「ななもりくんに莉犬くんね」

ななもり「はい!」

運転手「そうそう、お昼どうぞ〜」

ななもり「え?」

運転手「なんか食べなきゃ!」

運転手「腹が食っては戦は出来ぬ!!笑笑」

ななもり「笑笑」

ななもり「ありがとうございます笑笑」

運転手「いいのいいの笑笑」

運転手「莉犬くんは起こす?」

ななもり「いや、疲れてると思うので」

運転手「そっか」

運転手「じゃあ食べてから、出発しよっか」

ななもり「はい!」


久しぶりに大人と食べたご飯。

お母さん達がいたら、こうだったのかな。

なんて。

そんな事もう二度とないはずなのに。

期待してしまう自分がいる。


莉犬「んっ、兄ちゃん…けほっ」

ななもり「莉犬くん、おはよ。大丈夫?」

莉犬「大丈夫だよ。けほっ」

運転手「咳してるよ。水、飲みなね」

莉犬「ありがとうございます…けほっ」

ななもり「莉犬くん、水持つからね。」

ななもり「ちゃんと口開けて飲むんだよ」


震える手に気付いたのか、お兄ちゃんは直ぐに対応してくれた。


運転手「お病気なんですか?莉犬くん。」

ななもり「え?」

運転手「病院に入った時。」

運転手「看護師さんに覚えられていたよね。」

莉犬「…」

ななもり「少しお世話になったことがあって」

運転手「そうだったんだね」

運転手「ちなみに、喘息だったりする?」

莉犬「はい…ごほっ」

運転手「やっぱり…笑」

運転手「咳の音が独特だったからね」

ななもり「なるほど…?」

ななもり「凄いですね、なんか」

運転手「俺の姉ちゃんもそうだったんだよ」

ななもり「そうでしたか…」

莉犬「その子は治ってましたか?」

運転手「…」

運転手「高校生に上がる時に死んだんだ。」

莉犬「え…?」

運転手「喘息で学校に行かれなくてね」

運転手「行事の時に行けば、虐められたんだ」

莉犬「…ッ」

運転手「辛かっただろうね。」

運転手「入学式の日に、大好きな場所で」

運転手「死んだんだ。」

ななもり「そうだったんですね…」

莉犬「…ポロポロ 」

運転手「泣かないでくれ」

運転手「君はきっと大丈夫だ。」

運転手「心配するな。」

莉犬「はいッ…ポロポロ」


運転手さんは優しかった。

見ず知らずの俺たちを助けてくれた。

話を聞けば、辛い話だった。

俺もそうなるのかな。そう思った。

それでもいいのかもしれない。そうも思った。


運転手「そろそろ出発しようか 」

ななもり「そうしましょう…」

運転手「暗い顔するな。」

運転手「君たちの未来はきっと光っている」

運転手「今のように暗くは無いはずだ。」

運転手「きっと誰かが照らしてくれるよ」

運転手「誰かが照らしてくれなくても」

運転手「きっと君たちなら大丈夫だ。」

運転手「もう、迷わずに。歩いていけるよ。」

ななもり「ありがとうございます…ポロポロ」


運転手さんは、ハンドルを握った。

ハンドルを握って警察署に向かう。

その先は、明るい世界だということを望む。

ずっと笑っていたい。

泣く日があったとしても、支え合って前を向いて行きたい。

そう思った。


運転手「着いたぞ」

運転手「降りようか。」

ななもり「はい…」


俺たちは警察署に向かって歩く。

警察の人に、さっきあったこと。

今までのこと。

沢山、沢山、話をした。

俺たちが泣く度に、彼らは慰めてくれた。


警察「今日はもう遅いですから。」

警察「帰って大丈夫ですよ。」

警察「弟くんもいるんだよね。」

警察「運転手さんもありがとうございます。」

警察「ここからは、私たちの仕事です。 」

警察「私たちにお任せ下さい。」

運転手「お願いします。」

運転手「じゃあな、君たち。」

運転手「また会う時は笑ってろよ?笑」

運転手「じゃあ、失礼します。」


運転手さんは、深々のお礼をしてから去っていった。

また会う時は笑ってろよ。か…笑

会えるかな。会えるといいな。

そんなことを思いながら、彼の背中を見送った。


警察「じゃあ、帰ろうか」

警察「家まで送るよ。」

ななもり「いやいや、悪いですよ。」

警察「隣の子はもう限界みたいだよ?」

莉犬「こくっこくっ」

警察「それに少し顔が赤い」

警察「きっと体調だってまだまだなはずだ。」

警察「頼ってみてもいいんじゃないか?」

ななもり「…」

ななもり「お願いします…」


今までの人生の中で誰かに頼ることなんてほとんどなかった。

人を信じられなかった。

また、置いてかれるのだと思った。

それが怖くて、俺は俺たちは。

人を頼れなかったんだ。


警察「着きましたよ。」

ななもり「ありがとうございます…。」

警察「弟くん達にもよろしくね。」

警察「後のことはこちらに任せて下さい」

ななもり「はい!」

莉犬「ありがとぉ、ございましゅ、、」

警察「あははっ笑 」

警察「可愛いもんだ笑」

警察「それじゃあ、気をつけて帰れよ!」

ななもり「はい!ありがとうございました!」

警察「どういたしまして!」


俺たちは、軽く礼をしてから家に戻った。

家にはまだ誰もいなくて、真っ暗だった。


ななもり「莉犬くんお疲れ様!」

ななもり「疲れちゃったよねぇ」

莉犬くん「…ポロポロ」

莉犬「怖かった、、怖かったよぉ、ポロ」

ななもり「そうだよねぇ… 」

ななもり「俺も怖かった…ポロポロ」

ななもり「死んじゃうんじゃないかって。」

ななもり「怖かったよ…ポロポロ」

莉犬「兄ちゃん助けてくれてありがとぉポロ」

ななもり「ううん…ポロポロ」


しばらく抱き合った。

その後のことは知らないけれど、

ずっとずっと抱き合って、泣いて。

いつの間にかに、寝てしまっていたようだった。

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コメント

5

ユーザー

ひよこのおやつさん✨!

ユーザー

なーくん、莉犬くん…むりしなくていいんだよ(´;ω;`)

ユーザー

んっふぁぁぁ!最高…!!!! この後の展開が気になるのぉ… 続き待ってます!

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