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#人間ドラマ
第一章:東京フリーク区へ移住
2022年3月、江戸川中学校の卒業式にて、クラスのマドンナで施設仲間だったエカチェリーナ(当時15歳)がT(当時15歳)に話すのでした。「T。あなたは将来はどうするの?」Tにとっては彼女があまりにも優秀過ぎて眩しく見えたのだった。Tは168cmで、エカチェリーナは180cmのため、恋愛としては釣り合わないと確信してこう言った。「卒業したら、飲食店で働きますよ。」卒業式を終えたTはお世話になった児童養護施設に礼を言い、移住先の東京フリーク区へ向かうのだった。
養護施設で、別れの挨拶をしたエカチェリーナにとっては嘘をつかれたのではないかと見抜くのだった。これ以上詮索してもTを傷つけてしまうという気持ちと孤独になりたくないという気持ちが入り混じるように葛藤するのだった。――その時、彼女の脳裏には、ある場所の名前が浮かんでいた。Tが向かおうとしている、あの奇妙な『東京フリーク区』の名が。それでも追うことはできず、ただTを見守るしかなかったのだった。
エカチェリーナはこの高い身長と明るい性格、成績優秀と運動能力は万能と言ったクラスのマドンナとして祭り上げられ、孤独感を感じていたのだった。そんな時に小中学校時代、および施設育ちでともに過ごしたTこそが彼女にとっては唯一の理解者のはずだった。
2022年4月、東京フリーク区へ移住したTは合格した空前絶後エキセントリシティ学園の高校に向かう前にフリーク区の入居審査に向かうのだった。T「ここが入居審査ってえっ?!!お化け屋敷?!どう言うこと?入れってこと?!!」と慌てふためくように驚いたのだった。そのお化け屋敷とは歴史直視型の『ジャッジメント・デイ・ジャパン〜日の本の正義と哀しみ〜』というアトラクションだったのだ。
T「すみません!このお化け屋敷はフリーク区の住人たちは全員参加されてるんですか?」と質問を投げかけるのだった。
店員さんが笑みを浮かべながらTに淡々とこう話すのだった。「フフっ。さようでございます。フリーク区に住む方々は子どもと大人関係なく、誰しもがこのお化け屋敷を体験された方です。この体験は目を疑いたくなるようなの光景や耳を突き刺すと言った声が多いですが、皆さんは恐怖を経験したからこそ真実から目を背けずに生きておられます。ただ、観光や遊び目的で行かれるようであればこのお化け屋敷に行かれるのは免除されます。」
そしてさらに表情が強張り、淡々と説明するのでした。「一つ忠告があります。フリーク区に住む住人たちは白い目で見られることを嫌います。他にも、彼らはラベルで判断されることも嫌うので相手に敬意を払った呼び名で呼ぶようにしていただければさようです。それから、フリーク区とこのお化け屋敷については決して一般社会に口外しないようにお願いいたします。一般社会に住むノーミーたちに口外したとしても理解はされないと思いますので。恐怖を感じて深く頷きながらある質問をするTだった。「まさか、子どもって、0歳からってことですか?他にも私みたいな移住者希望者もこのお化け屋敷に参加してるんですか?」
店員「もちろんでございます。」と表情を崩さずに話すのだった。
T「わかりました。では、参加させていただきます!!」と料金を支払ってお化け屋敷に入るのだった。
入り口から漂うジメジメとした雰囲気に怯えながらも進むのだった。サン・フェリペ号事件と書いてある文字を見つけるのだった。
船員の古い船から来るカビ臭さが空気感を漂うのでした。T「……うっ、喉がヒリつく……これが、フリーク区が言う『歴史の重み』なのか?」
Tの心の声 「飲食店で働くって嘘、もっとマシな場所にすればよかった……。キッチンのスパイスの匂いじゃなくて、400年前の船のカビを吸わされるなんて……」
T「サン・フェリペ号事件?まさか安土桃山時代の日本の話?!!そんなお化け屋敷聞いたことない!!」と恐る恐る恐怖を感じたのだった。
船員人形「どんな計画かを教えます。まずはエスパーニャ帝国が宣教師を派遣して、キリスト教を広めさせる。それが成功したら、軍隊を派遣して植民地支配をする。これまでメヒコやピリピーナスを手に入れたのは、そのためです。」
豊臣秀吉人形「何?キリストの教えとやらは、この日の本を切り取らん(征服せん)がための計略であったか! おのれ、虚け(うつけ)おって!! これ以上、ピリピーナスとメヒコの二の舞にされてたまるか! ええい、九州におる伴天連(バテレン)どもを一人残らず叩き出せ!!」
家臣人形「ははっ!!」
秀吉の心の声「わしは信じておったのじゃ……(少し声を震わせる)。だが、裏で牙を剥いておったとはな! 日の本は、わしが守らねばならんのじゃ!!」
※ピリピーナスはフィリピンの自国名であり、メヒコはメキシコの自国名、 エスパーニャはスペインの自国名であります。
その国々の方々に対する敬意を込めてそのように呼ばせていただきました。
Tはあることを確信した。「他にも、九州で農民たちが奴隷商人たちによって売られたと聞いたことがあるな。まさか…これもエスパーニャ帝国の影響力もあるから、秀吉は国のためにバテレン追放令を出したんだね。」
そう言って、次のフロアに向かうのだった。
T「次は?なんか鉄が錆びついたような匂いがする…って何だこれは?!!」と宣教師と信徒たちが削ぎ落とされた鼻と左の耳たぶがあちらこちらに地面に落ちていたのだった。そして、日本二十六聖人人形が磔の刑にされる様子を目の当たりにしたのだった。
宣教師人形「なぜ…私たちはこのありがたい教えを広めようとしただけなのに…」
宣教師人形B「エスパーニャに帰りたいのに、秀吉様の命令で…殺されるなんて…」
信徒人形「もうダメじゃ。お国のために死ぬのは嫌じゃ…」
家臣人形「これは秀吉様の命令じゃ!!今すぐ処刑せよ!!」
処刑人人形たち「ははっ!!」と言って持っている槍で磔にされた宣教師と信徒たちのお腹を突き刺すのでした。
磔にされた人形たち「ぐわぁぁぁぁっ!!!!」と血しぶきが飛ぶのでした。
生々しい音声を聞いたTは「うぇっ!!」と地面に蹲り、嘔吐してしまうのだった。
またその次のフロアに行く時はある音楽が流れるのでした。
T「何だ?!!なぜモーツァルトのレクイエムの怒りの日が流れているんだ?!!」と先を進むとある衝撃な物を目の当たりにするのでした。
殺されて骸骨となり、亡霊となった宣教師人形たちと信徒たち人形が跪いて両手を握ってお祈りしながらあることを呟いた。「なぜ神様は私たちを救っては下さらぬのですか?一体なぜですか?!!教えを守っているはずなのになぜ殺されなければならないのですか?!!」
T「もう何なんだよ正義ってのは!!戦争ってこんなに醜いものだったんだな…」と泣きながら前に進むのだった。
次のフロアでは亡霊人形たちがこう叫んだのだった。「私たちは神様を信じたのに殺された!!この痛み、この歴史を決して忘れるな!!」
Tは泣きじゃくりながら、走って出口にあるある文章を読み上げるのだった。
T「『このお化け屋敷は…特定の宗教を批判するために作られた訳ではありません。支配の正義と守る正義の両方の視点を見ていただくためのテーマでもあります。つまり、主役と悪役は…いません。この歴史をただ単に学ぶだけでなく、真実から目を背けずに….自分の内面と深く向き合って…このフリーク区に住んで下さい…合格おめでとうございます。』私は…クリアしたんだね。」と咽び泣きながら無事に外に出るのだった。
Tがお化け屋敷の出口の外に出ると街は変わり者たちが平和的に楽しく過ごす様子が目に浮かんでいた。
Tの心の声「さっきまで嗅いでいた鉄の匂いが、まだ鼻の奥に残っている。生々しかったなぁ」
中には猫にリードをつけて散歩している変わり者もいれば、全身虹色の服を着ている男性もいたり、個性豊かな人たちがマナーを守りつつ仲良く暮らしているのだった。
T「人と違ってもいいんだ。私はエカチェリーナから逃げてよかった。だからフリーク区は平和で優しい街だ。私は孤児として、ちっぽけな人として彼女に告白しなくてよかった。彼女なんてただの友だちだ。もっと自分より背が高いイケメンと付き合えばいいんだよ本当に。彼女なんて一般社会のマドンナだし、私は変わり者。釣り合う訳ないよな。」とブツブツ言いながらアパート先に向かうのでした。
T「合同アパートに行って、似た者同士の親友が欲しいなぁ。」と。
コメント
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リオンです。読了しました。 卒業式という区切りで、ふたりの距離がはっきりと「見える形」になったのが切ないですね。Tが「飲食店で働く」と答えるときの、自分は釣り合わないという確信——身長差じゃなくて、優秀さを前にした自己評価の低さが胸に刺さりました。エカチェリーナが嘘を見抜く場面も、彼女の孤独の描き方とリンクしてて、本当は一番分かり合えてたのにって感じがしますね。東京フリーク区、どんな場所なのか気になります。続きも読ませていただきます。