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スバルと遠い星

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スバルと遠い星

2 - 不思議な出会い

♥

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2025年01月14日

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お恥ずかしながら、僕、幼い頃はやんちゃだったんです。


5時を知らせるチャイムが鳴っても、帰らず、毎日毎日、泥まみれ。

そのせいで、お母さんによく怒られてました。

これは、そんな日々のある日のことです。

その日も僕は、暗くなっても帰りませんでした。


それどころか、カブトムシを捕まえるのに夢中で、裏山の雑木林に張り込んでいたんです。


カブトムシを追い求めて、奥へ奥へ。


ずっとずっと進んだ先に、少し、開けた土地があったんです。


そこには、だいたい、直径10mほどの、池があったんです。


僕ははじめて来る場所に目を輝かせて、キョロキョロしていました。


すると、池のほとりあたりに、ちょこんと誰かが座っているのが見えたんです。


当時の僕と同じくらいの男の子でした。


誰だろう。そう思って僕はその子に話しかけました。


「ねえねえ、君、だれ?」


その子は返事をしませんでした。


そのかわり、その子は瞬きを幾度かして、手に大事そうに握っていたなにかを、もっときつく、握りしめました。


そして、また瞬きをすると、


「すばる。」


と一言だけ言いました。


そして、


「君こそ、だれなの?」


と問い返して来ました。


「僕は、そうた。」


と返事をしました。


「ふぅん。」


その子は、別に僕に興味がなさそうでした。


僕は、なんか腹が立って、ここまで捕まえてきたカブトムシ入りの、虫カゴを見せびらかしました。


「ほら、これ、すごいだろ?」


僕は、ちょっとやな感じに言いました。


ですが、すばるは僕のカブトムシに目をキラキラさせて、興奮気味に、


「すごい。すごい。はじめてみたよ。」


と言いました。


思っていた反応と違い、ちょっとびっくりしましたが、あることがひっかかりました。


「え?すばるは、カブトムシを見たことないの?」


そうです。


僕はなにより、すばるがカブトムシをはじめて見たことに驚きました。


「うん。ぼくの星には、こんな生き物、いないからね。」


「星?」


「うん、そう。星。ぼくは、スバルって星からやってきたんだ。」


僕は、宇宙人とか、そういったものには、疎くて、理解するのに時間がかかりました。


僕が、目をしぱしぱして固まっていると、それに気付いたすばるが、隣に座るように促してきました。

僕は大人しく、すばるの隣に座りました。

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