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「ぼくのすんでいる星には、あまり生き物がいないんだ 」
とすばるは言いました。
そもそも僕は、スバル、という星すら知りませんでした。
「スバル、って、なに?」
と素朴な疑問をすばるになげかけました。
「スバルっていうのはね、そうたがすんでるこの地球から、すっごいすっごい遠い所にある、星だよ。」
すばるは、そんなに遠い所から一人でやってきたのか?と、僕は思いました。
だってそうです。
いつも買い物に行くときは、必ず、お母さんと一緒でした。
僕が、一人で突っ走ろうとすると、お母さんが慌てて手をひっつかんで、
「こら、走っちゃだめ。」
と離してくれません。
なのに、なのに、すばるはたった一人でここに来たのか?
考えても、増えていくのは、謎とすばるへの尊敬でした。
「すばるはすごいね。僕、そんな遠くから、一人で旅なんて、したことがないよ。」
と、純粋にすばるを褒めました。
でも、すばるはきょとんとして、
「そうなの?ぼくはいっつも一人だ。」
と返してきました。
「え、お母さんは怒らないの?」
僕は心配になって言いました。
「お母さんは、もういないんだ。」
「ぼくが生まれた時から。」
と急に悲しそうな顔をして、星空を見上げました。
すばるのお母さんがどうしていないのか、僕は聞くことができませんでした。
ですが、僕はなんとなく、わかりました。
“すばるのお母さんは死んじゃったんだ”
と。