テラーノベル

テラーノベル

テレビCM放送中!!
テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

シェアするシェアする
報告する

ことを済ませたあと、私は寝てしまったらしく、起きると慎二が窓辺で一服していた。

その姿はあまりにも様になっていた。中学の頃のイメージとはかけ離れた、私の知らない大人の親友。

口から煙を吐きながら、起きた私に気づいたようで、こちらを向いて微笑んできた。

私は世界一のアホズラをしていたと思う。

私たちはその後もそういうことを度々した。

けれど、恋人にはならなかった。お互いに大好きな親友のままでいたかった。他の人から言わせれば、都合のいい女だと思われている。そう思うだろう。けれど、何かがそれとは違った。

それから私たちは大学を卒業して就職をして、お互い働くようになってからはその回数も減っていった。就職して2年目の春。

友紀が死んだ。

子供を産んで、そのまま出産の負担で亡くなってしまった。とても悲しかった。けれど、千紗や英司の時のように悲しみに打ちひしがれることは無かった。

自分も気付かぬうちに大人になっていた。社会に少し呑まれて、感情の起伏が子供の時ほど大きく無くなっていた。

和は、来なかった。私と慎二は通夜にだけ出席して、帰りに英司と千紗に報告して帰った。

次の日も仕事だった。その次の日も。

そしてたまに慎二と夜を過ごした。

それが15年続いた。私達は35になっていた。けれどそれでも、恋人にも、夫婦にもならなかった。きっと何も変わらないから。それなら、親友でいい。そう思ったから。

友紀は恋多き女だったけど、そう思うよね。

この作品はいかがでしたか?

0

コメント

0

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚