はじめまして!一ノ瀬。です!これから自分のペースで気ままに投稿していこうと思うので、よろしくお願いします!
あるとき、ワンダーステージにこんな手紙が置かれていた。
「今すぐにでもショーをやめろ。」
要するに脅迫状だ。
「……どうする、類。」
司は真剣な表情で類に聞いた。
「……どうもこうも、何かが起きないとイタズラとしか思えないだろう?」
それはそうだ。もしかしたら誰かのイタズラだったのかもしれない。でも、こんな脅迫状が届けば落ち着いていられるわけがなかった。
「証拠がないと今の僕達には何もできない。……取り敢えず今日は警戒しながら家に帰るべきだね。」
「じゃ、じゃあ!みんな今日は着ぐるみさんの車で……っ」
「そこまではしなくていいだろっ…まだ決まったわけではあるまいし。」
「まぁえむは着ぐるみがいるから安心だな。寧々も類がいるし。オレは……まぁなんとかなるだろっ」
そういって胸を張るオレ。そんな根拠は1つもない。
「いやいやいや、1番アンタが不安なんだけど?」
寧々は心配した表情で呆れている。
「なら司くんはえむくんに送ってもらいなよ。そうすれば僕達も安心だしね。」
「そーしよそーしよー!!」
「勝手に決めるんじゃないっ!まったく…でもそうしてくれればみんな安全だな!もしえむと着ぐるみに何かあったときは守ることもできるし。寧々は類がいるから安全だしな!」
「いや、着ぐるみが襲われることとかあるわけ……?」
寧々は半分呆れている。だが少しほっとしたようだ。
「そうと決まれば今日は早めに帰ろうか。脅迫状の件が収まるまでは警戒しよう。」
そして、オレ達は解散した。
「それにしても、えむの車は高そうだなぁ」
「えっへへ〜そうかなぁ〜」
「さすが鳳財閥としかいいようがないな…」
そういう何気ない話をしていたときだった。
「えむお嬢様、司様、伏せてください!」
キキーッドゴーンッ!パリッ!
大きな衝撃とブレーキ音とともにガラスの破片が飛び散る。そして車が一回転すると、そのままガードレールに思い切りぶつかった。
えむの悲鳴が聞こえる。オレが咄嗟にえむを守ったからえむは無傷だった。オレも怪我はしたものの大きな怪我ではなく、着ぐるみの柔らかさのおかげで守られた。着ぐるみは中身の人は無事だろう。なんせフワフワなものに包まれているから。
だが今車の中はめちゃめちゃでガラスの破片が散らかり、車は向きが横になっている。
オレは大きな怪我はしなかったものの、衝撃で体を強く打ち付けたらしい。激痛で上手く動けなかった。ガラスで体が所々切れている。
「司くんッ!大丈夫!?着ぐるみさんもッ」
「……えむは…無事か?」
「あたしは大丈夫!!そんなことより早くここから出なきゃッ」
「えむお嬢様が無事で何よりです。私も無事ですが、司様が怪我をしたようです。早く手当てをしなければ。」
「うんっわかってるよ!」
そうしてオレ達は車から脱出した。
外に出て自分の体をよくみれば血も少し出ているらしい。そして強く打ち付けた背中は赤く腫れて痣になっていた。
「司くん…大丈夫?ごめんね、あたしを、守って……」えむは眉を八の字にしてしょぼんとする。
「なんでえむが謝るんだ。悪いのはアイツらだろう。それに、えむを守ろうとしたのもオレの判断。えむのせいではない。」
そう、これは事故じゃない、事件だ。遠くで着ぐるみが警察と電話しているのが聞こえる。さっきのは相手の車がわざとオレ達の車にぶつかってこようとし、それを避けようとしたが、避けきれず、壁に思い切りぶつかり、その後ガードレールにもぶつかったのだろう。相手はもう逃げたらしい。
「司様、怪我は大丈夫ですか?」
一通り治療も済んだところで着ぐるみが話しかけてきた。病院へ行くほどではないだけマシだった。
「オレは無事だぞ。」そう笑顔でいうと、すぐに真剣な顔に切りかえた。
「きっと脅迫状を書いたやつと同一人物だろうな。類達は大丈夫だろうか。」
そう思ったとき、類から電話が掛かってきた。慌てて電話をとるといつもの類の声(少し焦っているが)だったので少し安心した。
『類、どうした?』
『司くん達は無事かい?』
そう聞いてくるということは向こうでも何かあったのだろう。
『あぁ、こっちもちょっとあってな……。それより類と寧々は無事か?』
『僕達はもう家についたから今は無事だよ。でも今さっきは危なかったんだ。』
くそっ、向こうもか。
『何があった!?』
『実は帰っている途中にすごい速さのバイクに轢かれそうになってね。そのときはたまたま僕が寧々をかかえて草むらに飛び込んだから無事だったけど、あのまま真っ直ぐ進んでいればかなり危険だったよ。それよりも司くんとえむくんは無事なのかい?』
『あぁ、オレが少し怪我をしてしまったがな。』
『…ッなんだって!?本当に大丈夫かい!?』
『あぁ、ガラスで少し切れたのと、背中に痣ができただけだぞ。病院へ行くほどではないそうだ。』
『そうか…それだけで済んでよかったよ。それより何があったんだい?着ぐるみさんといて何かあるなんて考えられなかったのだけれど。』
『あぁ、実はな……』
オレはさっきあったことを話した。
『そうか……どうやらこれはイタズラでは無いみたいだね。』
『あぁ、一応警察にも連絡したんだが、誰かはまだ分からないだろうな。』
『…そうだね。取り敢えず司くんも早く家に帰らないと。これ以上危険な目には遭わせたくないからね。』
『あぁ、わかってる。オレの家の近くまできたからオレはもう帰れるが、えむは車が壊れてタクシーで帰るみたいだ。』
『わかった。司くん、近くだからといってくれぐれも油断しないように。』
『あぁ、じゃあ切るな、類。』
『うん、またね司くん』
オレは電話を切り、えむ達に帰ることを告げると、急いで家に帰った。
コメント
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面白い!
小説初めてなんで変なところが多いと思うんですが、自由にやっていくんでよろしくお願いしま〜す。