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1話もさっき出したんですけど、2話は短いのでもう出しときます!それでは〜
―――次の日
オレはいつも通りに準備をしてフェニックスワンダーランドへ向かった。そこに類と寧々はいたが、えむの姿がなかった。
「いつもえむが1番なのに、今日はいないのか?」
「うん、そうなんだけど。珍しく寝坊でもしたのかな?」
胸騒ぎがする。いや、でもえむは着ぐるみと一緒にいただろう。タクシーで帰ったはず。
いやまてよ、家に帰ったという連絡はもらってない…………もし、タクシーの運転手が…
そのときだった。
着ぐるみが遠くから走ってきた。珍しく焦ったように。
「皆さん、落ち着いて聞いてください。えむお嬢様が……大怪我を負いました。」
全員の目が見開かれた。
着ぐるみの話によると、こうらしい。
昨日、オレと別れたあとに、タクシーに乗るとその運転手は猛スピードで走り出し、建物の壁に思い切りぶつかったという。そこで車は完全に壊れ、着ぐるみは重症の手前で助かったものの、柔らかいものに包まれていないえむは死亡は免れたものの大怪我を負ったらしいのだ。もちろん、その運転手は死亡が確認されている。
自分を犠牲にしてまでオレ達にショーを辞めさせたいのはなぜだ?
オレには到底理解できなかった。オレは唇を強く噛み締めた。
少し血も出てきたようだ。そんなオレの肩に類が優しく手を置く。
「大丈夫、司くんのせいじゃないさ。自分を責めないでおくれ。」
えむの病院へ行くまでは何も起こらなかった。病室へ入るといつもの姿とはかけ離れた、いろんな器具に繋がれ、青白い顔をし、包帯が色んなところに巻かれているえむの姿があった。意識はまだ戻らないらしい。
「えむ……守れなくてすまない。」
「えむくんがなんでこんな目に……。」
「えむっ目を開けてよ……なんでっ」
寧々は涙を流し、類は俯き、オレは悔しさを覚えていた。
結局その日は何も出来ないまま解散となった。