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わらぁ
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⚠️syp×sha⚠️オメガバース
⚠️モブ
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《sha side》
「シャオちゃん大丈夫やったん?」
大先生に聞かれる。
昨日はショッピくんを伝って休むと伝えてもらい、急遽予定を変更させてしまった。
「うん、大丈夫。それより、昨日なんとかなったん?」
「昨日はちーのとひょう太朗が来てたから手伝ってもらったわ」
「そうなんや」
上手いことやってくれたようで助かった。
彼らには今度お礼をしなければ。
「シャオロン大丈夫なのかぜ!?」
ゾムとエミさんがやってくる。
「大丈夫やで、心配無用やわ」
「無理はせんといてな」
「わかってる」
ショッピくんは今日は休みとして、トントンはどこにいるのだろうか?
渡さなければいけない書類があるのだが。
「なぁ、トントンどこ?」
「トントン?トントンは……どこやっけエーミール?」
「しっかりしろや大先生……トントンさんは今接待中やな、1階におるで」
「おっけー」
エレベーターを使い、下に降りる。
すると、接待室からトントンと取り引き先の人間が出てきた。
「トントーン、これ頼まれてたやつ〜」
「おお、シャオロンもう回復したんか」
「元気モリモリやで」
「無理はすんなよ」
「そちらは?」
取り引き先の人が問う。
「同僚のシャオロンです」
「シャオロン……って、もしかしてヤバ高の!?」
ヤバ高といえば、ヤバシティ高校、俺と大先生とちーのの母校だ。
ということは……
「ああ、お前か!」
同じ顔をした同級生を思い出した。
「なんや、知り合いなん?」
「高校ん時の同級生」
「まじか」
「良ければ一緒に食事しない?まだ時間があるんだけど」
「えっと……」
「ええよ、行き行き。今はあんま忙しくないしな」
「ほんま?ありがと!」
「大先生には言っとくわ」
「じゃあ、行こうか」
「おけー」
連れてこられたのは、近くのファストフード店。
とりあえずポテトを頼んで、雑談をする。
彼は途中で高校を転校したため、どこにいるのか、どこの大学に通っていたのかなど分からなかったが、この話で色々と知ることができた。
……
なんか、めっちゃ俺の事見てないか?
「なに?」
聞いてみる。
「シャオロンってオメガだよね?」
「え?ま、まあ……」
「番いないよね」
「え?」
「俺、君のこといいなって思ってたんだけど」
「!?」
いや、急すぎるやろ!?そういや、こいつアルファだったっけ……!?
「発情期中も抑制剤飲んでるとはいえフェロモンガンガン出しながら表に出てさ、誘ってるんじゃないかって」
「ちょ!」
手首を掴まれる。
正面ではなく横に座ったのはこれが目的だったのか。
「ね、いいでしょ?ほぼ合意でしょ?」
「やだっ!」
頑張って抵抗する。
けど、力の差が激しすぎる。
誰か、助けて―!
「俺のシャオさんに何してんすか」
……この声は。
「ショッピ!」
「……“俺の”?君はベータでしょ?」
「そうですけど」
彼が俺の腕を離した隙に席から離れる。
あれ、なんでこいつはショッピがベータだってことを知っているんだ?
そういえば、さっき聞いた大学の名前はショッピの出身校と同じだったか……?
「オメガはアルファと結ばれるものなんだ」
「だから何」
「君よりも俺の方がいいに決まってる……ね?」
「……お、俺は!ショッピくんの!恋人!です!」
「!」
咄嗟に嘘をつく。
己を守るための。
「……はあ?恋人ォ?ベータなのに?」
「か、関係ない!」
「シャオさん……!?」
「意味わかんない!俺はアルファなのに!?」
彼が声を荒らげる。
「ぎゃっ」
フォークを手に取って、こっちに向かって走ってくる。
……え、何、俺今殺されそうになってる?
「シャオさんっ!」
「はいそこまでー」
ちーのの声。
背が高くガタイのいいちーのにより、襲ってきた同級生は捕まえられている。
「チッ!」
「警察呼んどいたから、シャオロンは安心しとき」
「ちーの……!?なんでここに!」
「ショッピも、連絡ありがとな」
「助かったわ」
ショッピくんが連絡をしてくれていたのか。
「すみません、俺の力不足で直接助けることができなくて……」
「……でも助けようとしてくれてたやん」
「せやで、ショッピはもっと胸張ってええんやぞ」
……
警察が来て、同級生は連れていかれ、ちーのとも別れた。
「帰るか」
「そうですね」
ファストフード店を出てから、ほとんど何も話さなかった。
さっきまでの騒ぎが嘘みたいに外が静か。
「……送りますよ」
ショッピくんが独り言のようにポツリと吐く。
「いや、一人で帰れ」
「送ります」
被り気味の、有無を言わせない声。
そのまま並んで歩く。
……
しばらくして、
「……さっきの」
ショッピくんが口を開いた。
「恋人ってやつ」
心臓がはねる。
「……あれは」
「咄嗟についた嘘、やから……!」
即答してしまった。
沈黙が流れる。
「……ですよね」
ショッピくんは笑った。
けれど、その笑みは本心からなるものではなく、どこか空虚さを感じるものだった。
家の前に着く。
「今日はありがとう……な」
「……いえ」
鍵を開けようとして、止まる。
「ショッピくん」
「はい」
振り返る。
街灯の光が彼の前髪を淡く透かしている。
昨日、この手に触れた温度が蘇る。
お粥を掬う手。
布団を整える手。
震える俺を支える手。
「……あのさ」
言葉が喉の奥でほどける。
「俺、」
その先の言葉が出てこない。
ショッピくんは急かさず、ただ待っている。
「……またヒート来たら」
「はい」
「頼ってええ?」
一瞬、目を見開いて。
そして、静かに頷いた。
「いつでも」
その四文字は、妙に重くて優しかった。